キメラさん、誤解さているようですよ。
「我々、深淵騎士団の過去最大の仕事が差し迫っている。」
ラミスちゃん、人前だとそのままなのね。
「これより我ら深淵騎士団は、サー・クリムの指揮下に入る。異論は認めない。」
「騎士長が、そうおっしゃるなら。」
おっしゃ、もう馬車馬の如くこき使ってやる。
腹が減ったので焼きそばパン買ってこい。
「ヒューマンは基本的に自分の種族以外は敵だと思っている節が強い。」
あいつらだって、たかが一つの種でしかないのにな。
「よって、諍いは必至だろう。それを君たちには未然に防いでもらう。」
「み、未然にですか?不可能では?」
「ちっちっちー。クリえもんをなめてもらっちゃ困るよ。」
魔族の子供たちに人気のドラキュえもんの真似。うまいでしょ。略すのは禁止。
テッテレテッテテー
「”ココロミエール”」
説明しようっ!名前の通り人の心の中を覗く水晶なのだー!
「胡散臭い....。」
「はいそこ。隣のジュリーちゃんのこと好きなのバラすよ。」
「へ!?うそ。なんでそのことを知って??!..........あ。嘘。」
ざわめきが心地よいな。
「脳がないスライムでもできる水晶の使い方講座。相手に向ける。水晶に魔力を注ぐ。以上。」
見られないようにしてから、胸に口をつくって、中から人数分の水晶を吐き出す。
ちょっとヌメりがあるけど気にしないで、俺の体液。
みんなに渡すとお互いに使いあって遊んでいる。
ちなみに俺には効かないように細工済みだ。
「お姉様お姉様!私を覗いてみてください。」
ん?なんで?まだ効果が信じられないのか。
俺は水晶をラミスに向けて読んでやる。
「ん―――なになに?お姉様と朝から晩まで交わりたい。お姉様の欲望のままにめちゃくちゃにされた.....。」
「どうですか!わたくしの愛が伝わりましたでしょうか!?」
攻略対象というより逆に攻略しようとされてる
あまりに経験値の低い感じが残念かわいい。
◆
【人間側冒険者ギルド】
バリンガムにもっとも近くの人間側の町にそこはあった。
昼間からでも宴のような騒がしさのその場で唯一うなだれる男がいた。
男は聖職者の恰好でありながら酒におぼれていた。
「はぁ。これがかつての勇者パーティの一人だとはな。」
そんな男のもとにやってきたのは初老の戦士だった。
「ハッ。俺は、冒険者はやめたんだ。ほっとけよ。」
ぐいっと安酒を口に注ぐ。
「やめときな。安酒は自分の価値も下げるんだぜ。」
「うるせぇ。勇者を守れなかった俺らに価値なんざねぇんだよ。」
男は自暴自棄に吐き捨てた。
「ヴェール。そんなお前に朗報だ。」
「高い酒をおごってくれるのか?」
初老の戦士はヴェールを鼻で笑う。
「その勇者が、生きていたとしたら?」
ガタンッ
椅子から滑り落ちたヴェールが男に縋りつく
「ほんとなのか!?それは!?!?」
「嘘なんかじゃねぇ。この先にあるバリンガムって中立の町があんだろ?そこで勇者の姿を見たってやつがいる。」
「わかった。今すぐ向かおう!」
店を出ていこうとしたヴェールを男は引き留める。
「なんだよ。」
「このうわさには続きがあって、奴はどうやら魔族に洗脳されていて勇者であること忘れているらしい。」
「ますますこうしちゃいられない。すぐいこう。」
「わかってる。だけどな、バリンガムに向かうというのは、戦線を前に進めるということだ。敵の領地に侵入するというを意味する。」
「わかってる。だが、それでもいく。俺はあいつに救われた。なら今度は、俺が救う。」
ヴェールの決意表明を聞いて男はニヤリと笑う。
「お前ならそう言うと思ってな。仲間を用意しておいた。助けにいこう。」
「あぁ、待ってろ。姫様。」
ヴェールの手のひらには指輪が握られていた。
◆
「中規模の武装したヒューマンがやってきてます。大した武器ではないですが。」
「うーん、俺の結界を通り抜けてるから悪い奴らではないんだろうけど。」
「どうかしましたか?」
Lv.40の俺を【分配】して、ゲイザーに【模造】してもらって映像を見ている。
「いや、気のせいだとは思うんだが。」
確かに大した武器は引っ提げていないように見える。
だけどなぜだろう。この胸のざわめきは。
「まっいいか!おっぱいをもませーーい!!!」
「はいはい。」
おざなりすぎない?
でもいいや。
お婆ちゃんが言っていた。夢とおっぱいはデカイ方がいいって。
大小どっちもいけるけどね!
おっぱいは世界を救う。
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