表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/39

キメラさん、喧嘩をあっさり止めちゃうみたいですよ。

 温泉街といっても宿泊客は冒険者が主なので、専門店が集まる通りがある。

 通称”ならず者通り”。武器屋や防具屋がある。

 


 喧嘩はあそこか。



「お前が先に手をだしてきたんだろ!」



「さてな?お前が小さすぎて当たっちまったかも。なぁ」



「そうだぜ、団長。」「切り味の悪い斧しかないクズ鉄屋がよ。」



 宿泊中の魔族側の冒険者3人と、やっぱティアか。

 小さいながらもその声の大きさは負けてない(おに)()がいる。



「いい加減にしろ!店を馬鹿にしたり、首掴んで投げたりしやがって。」



「実際、使えないからいってんだろ?こんなのヒューマンすら切り殺せねぇよ。」



 あのリザードマン怖すぎ。陽キャかよ。



「ガララララ!魔王軍でも有名な十戒のこの俺様、ジェガン様をしらッ!?」



「うるせよ!謝れ!名前なんて知るかバカ!」



 飛び膝蹴りって。



「い、いてぇ......。」



 あ、血が出てます。怖いですわ。女の子ですもの。



「父さんが遺したこの剣を踏んだことも謝れ!!」



「嫌だね。その光る角は剛鬼(オーガ)族か?一角だから鬼人(きじん)族か。けっ、混ざり血が。」



「あたしを馬鹿にするのはいい。母さんに謝れ。」



「もういいの、ティア。ごめんなさい。壊したお店のお代は結構ですから。」



「お代だぁ??殴ってきやがって。この店丸ごとぶっ壊してやる。」



 2メートルを超える大きな戦斧で近くの椅子を吹き飛ばす。

 次に母娘を2人まとめて切り飛ばそうと斧を振り下ろす。



 リマインド ミノタウロス



「危ないですよ。」



 ミノタウロスの怪力を呼び起こす。



 指の間で止めてみた。ミス。ちょっと刃が食い込んでる。



 キメラの俺は取り込んだ生物の力を自由に使える。



「だ、誰だてめぇ。」



「用心棒。」



「離しやがれ!魔王軍幹部である十戒のこの俺を.....。いや待て、お前。どこかで顔見たことあるな。」



 ん?



 まさか俺の【模造】を見破ったか?だとしたら殺すしかない。



「お前、まさか勇者か!?」



 そっちかい。



「逃げましょう兄貴。」「やばいっす!」


 


「バカ野郎!俺らはあの七つの大罪の”暴食”様の部下の”7星剣”の部下の”九賢将”様の部下の”十二天将”の六合様の懐刀の十戒だぞ!」



 誰だよ。インフレしすぎだろ。



 過度な細分化は組織の質を下げるって嫁さん言ってた。



「むしろ討ち取るのが当然くらいよ。」



「さすが兄貴!」「間違いないね。」



 うーん。



「おい、ヒューマン!てめぇのレベルは?ちなみに俺様はレベル140。」



 低すぎる。でも一応俺、ヒューマンに化けてるからなぁ



『貴方の正体がもし一人にでもバレた場合、お金払って立ち去ってもらいます。』



 ミルフィーには脅されてるから本当のレベルはいえない。



 5分の1にすると



「Lv.200。あんたの負け。早く帰りなさい。」



「嘘ついてんじゃねぇぞ!」



「おいおい、いきなり女の子に切りかかるな。」



  リマインド ペガサス(翼無し)


 

 俺は神足で駆け抜ける。雷を運ぶ速度の化け物を呼び起こす。

 雑魚だな。すれ違いざまに子分の腹を小突く。



 子分の一人は視界から吹っ飛んでいった。



「よくもッ!」



「あくびが出ちゃう。」



 ボールは友達。友達はボール。



  リマインド キマイラ



 なんちゃって。普通の蹴り。

 かっこいい(笑)爪のついたグローブを顎ごと蹴りぬく。



「まず友達じゃなかった。ごめん。」



 飛んだから聞こえてないだろうけど。今度会ったら友達な。

 ズッ友だょ><



「なんなんだよてめぇ!」



 あれ、ほんとにLv.140?その割には斧の軌道が甘い。



「レベル、盛ってるでしょ。」



「は、は?は?そ。そんなことないし!20も盛ってってないし!」



 紫モヒカンツンデレヒロインはいらん

 力の差をわからせてあげよ



  リマインド ファブニール



 赤い魔法陣が奴の周りに出現し始める。



「【ファイアボール】かよ。そんなD級魔法の1つや2つににやられなんか……。」



 本当にそうかな?



「5つ。10つ。いや、20個。いやいや5、50個!?どんどん増えていきやがる!」



 お馬鹿さん。

 とうに500は超えてるわ。



「戦争も経験してない若造が。調子にのんなよ♡」



 こういうのを老害って言うんだと思います。

 だから解雇されたのか。



「特A級魔法【ファイアボール・ダンス】」



 奴を覆い尽くす魔法陣全てから火球が飛び出して



ドッッカーン!!!!!!!!





「【クリアエアー】」



 黒煙を吹き飛ばす。



「シェフの気まぐれ風黒蜥蜴ちゃん完成。バターつけるべきだったかな?」



 周囲からゲホゲホと咳き込む声が聞こえる。観客気にしてなかった。

 誰にも当たらなかったしいいか。



 ん?これは。



「あ、兄貴。」



 ようやく意識を取り戻した部下のひとり。



 拾い上げた斧を取り出す。



「お兄さん達の言う切れ味の悪い斧だから、上手くできないだろうけど。念入りに刻んであげる。」



「お、お前ホントにヒューマンかよ!?いかれてる...。」



「違うでしょ?謝んなきゃ。ガキでもわかるよ。」



 確かにこの斧は、切れ味は悪い。

 だけど、この斧の硬度は非常に高く刃毀れは絶対にしない。



「この斧は叩いて使う。頭蓋骨をかち割るとかね。」



 雑魚すぎて力の5%も使えなかった。



「謝んないと、あんたらの生首でゴルフしちゃうぞ。」



「わかった!許してくれこの通りだ!すまなかった!!」



「じゃ、謝らなかった兄貴の首はもらいますねー」



 ほぼ死体だからって謝らないのはよくない。



「もう、やめて。クリムお姉ちゃん。」



 おっと可愛い可愛い鬼っ娘のティアちゃんの熱い抱擁。

 慎ましい胸が押し当てられてる。

 もうなんでも許しちゃう。



「冗談よ、ティア。君たち、これ以上問題起こさないように。起こしたら...。」



「ありがとうございます!ありがとうございます!」



 そそくさとリザードマン達はその場を去って行く。

 俺も逃げなきゃ。遠くからあの説教巨乳エルフが来るのがわかる。



「ティア、ココアさん。少し離れてて。」



「うん。」「またすみません。」



「いえいえ、仕事ですから。【リヴイバル】」



オリジナル魔法。多分SSS級くらいの魔法。



物質における時間を巻き戻す復元魔法。魔王のおもちゃ直すために作った。



「じゃ、私はこれで。お姉さんが返って来たときは言ってください。」



「ありがとうクリムお姉ちゃん!」



可愛いなぁ。さて今日もこの街は平和だねぇ。


面白いと感じてくれたならブックマークや評価等、よろしくお願いします!

右下でブックマーク追加です♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ