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キメラさん、第1攻略対象(ヒロイン)を陥落させたみたいですよ。

 すこし埃臭い室内。雑多とした物置のよう。

 一応、仮眠できるようにベットがあるが、あまり柔らかくない。



 ミルフィーの胸の方が柔らかくて弾力もあった。



 こちら、汚いが用心棒用の管理室みたいなところ。



 ジリジリジリジリジリ!!!オキテ!!オキテ!!クリムゾンさま!!!!



 うるせぇ。巡回の時間だろ。

 ぶん投げると変な汁を出して止まった。



 このメザマシマイマイ使えるが、音量調整ができないしなんかヌルヌルする。

 いっそのこと、こいつ【合成】で取り込んで文字通り”腹時計”(笑)にしてやるか。



 以前、食おうとしたところをミルフィーに見られて、きつく怒られたのでやめるが。



 用心棒としての仕事は主に3つ。



1.外敵からの襲来を防ぐ。

 ここは人間と魔族とともに中立地帯らしい為、難しい立場に置かれていて、どちら側からも狙わられることがあるらしい。



2.町の中での巡回。

 種族がごちゃごちゃだからどうしても(いさか)いがよく起きるらしい。それを鎮静化する必要がある。



3.町の青年団などの取りまとめ。



 明らかに仕事が多い。3つ目とか用心棒の範囲じゃないだろ。

 どうにかして仕事を減らさなくては。





 巡回中のタグを腕にかけて俺は決まった道を歩く。



「おい、あれって。」



「間違いない。最近、噂になってる消えた女勇者じゃないか?」



「あぁ、なんでもスキルを99個もっていて歴代最強となるはずだったって。」



 この体の話か。

 ふーん、通りで経験値高いわけだ。



 ここで1~2週間過ごしてからわかったんだが、このLv.999ってのはカンストだった。

そして、その影響なのか取り込んだモンスターの経験値が感覚的にわかるようになった。



 一種のスキルのようなこの能力。レベル上げの時に欲しかった。

 メタル系が最高率だって最初に教えろよ....。



 【食感】と名付けたこのスキル(?)でわかったことがある。

 Lv.999になってから取り込んだ経験値は俺の腹の中で貯められている。



 財布に溜まった小銭みたいな感じ。こいつの利用は今後の課題だな。



「ん?この匂いは。」



 そろそろ巡回の自分へのご褒美の”絶品のどら魔焼き”が売ってる角だ。

 このバリンガムで2大名物のひとつである”どら魔焼き”は滅茶苦茶うまい。



 自然と足が速くなってしまう。角を曲がるとあのけだるげな声が聞こえてくる。



「バリンガム名物。どら魔焼きはいらんかね?とびっきりおいしいんよ~。」



 他人から見たらやる気ないようだが、これでも本人は頑張っている。



「や。アンコちゃん。」



 彼女は、アルケディア・コルセット。略してアンコちゃん。

 アンコちゃんは狐娘で、九尾の末裔の種族らしい。



「あ、クリムちゃん!」



 ぴょこんと尻尾と耳が揺れる。狐娘はやはりかわいいな!



「アンコちゃん。今日も、着物が似合っててかわいいよ。」



「えへへ....。ありがとうなんよ。」



 アンコちゃんの服装はヒューマンの巫女と呼ばれる職業が着ている服に似ている。

 上は彼女の心のように純白で、下の映える赤い袴はすらりと長い足を強調する。

 性格の割にきわどいスリットから健康的で綺麗な足が顔を出す。



 黒いぬるりとしたの体毛は、ミルフィーと違った良さがある。かわいい。



「じゃ、今日もくださいな。」



「はぁーい。」



 気のせいだろうか?アンコちゃん、いつもより少しテンション高い。



「よいしょ、よいしょ。」



 仕草のたびに、もふもふと揺れる大きな尻尾は俺の心をくすぐる。



「とりゃっ!」



「はわっ!!?」



 今日も、もふもふだな!



「はぁ...はぁ...もふもふ。それでいて弾力があって更にあんこの甘い匂いが...。」



 けも娘ッ!触らずにはいられないッ!



「も、もうっ!えっちなんよ!こんな人前で。」



 げへへへ。ここか、ここなのかぁ。覚えたぞー!



「や、やめるんよ!!あうっ!?....いや、ん....。」



.....よし、残念だがここでやめるか。



「ごめん、ごめん~。もふもふなだけじゃなく、アンコちゃんの顔もかわいくて。ついね。」



「可愛いだなんて。クリムちゃんはほんと意地悪なんだから。でも、店の奥でふたりきりなら.........ごにょごにょ。」



顔を赤らめるアンコちゃんもかわいいなーーー!!!でも、



「え?なんかいったか?」



 ボク、ジュンスイだからワカラナイ。



「な、ななななんでもないんよ!?はいっ。いつもの。ドラ魔焼き!」



「お、ありがと。支払いは銅貨6枚。置いとくよ。」



 染まった顔を抱いて座り込んでるけど大丈夫かなー?



「う、うん。毎度ありなんよ。」



「じゃあね。アンコちゃん。また来るよ」



 俺はなんともない顔で道を通り過ぎる。

 だ、駄目だ。まだ表情を変えるな。こらえるんだ....。



 そして、次の角を曲がる。彼女の耳にこの声がワカラナイ距離まで走ってから。



「はぁ...はぁ.....。...........ふふふ。ふはははははははははははははははは!!」



 アンコちゃんは既に完全に堕ちている!!!!計画通り。

 暇な巡回中に見つけた美女。まさに砂漠の中のオアシス。



「はははははh!!はっはゲホっゲホっ!」



 さて、まずはひとりは攻略完了。巡回たのしいなぁ。



「仕事仕事~♪楽して金稼ぐ~♪かわいい子はみんな俺のもの~♪」



 この仕事やっぱ最高。



「おい、喧嘩だってよ。また、あの鬼娘がやらかしたってよ。」



 はぁ.......気持ちよく鼻歌してたのに面倒事が。それにこの感じ。またアイツか。



「少しばかり、お灸を据えてやらなくちゃな。」



 第2攻略対象。というには少し早いが未来の対象候補だ。



 Lv.999のキメラはちょいと力の使うようですよ。


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