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キメラさん、ついに無職脱却。就職完了するようですよ。

3ヶ月経ってやっと新しい職を見つけた。



『【急募】用心棒。人種や種族や経歴問いません。給料は要相談。町長まで』



 俺は、魔王幹部の†7つの大罪†をやめさせられられた。

 理由は至って簡単なんだが理不尽。



 端的に言えば、強くなりすぎた。



 オッス。オラ、クリムゾン・ガーベラ。つぇー奴を取り込めるなんてワクワクっすぞ!



 先日の話なんだが、俺はいつものようにレベル上げをしていた。

 高まっていく体力や魔力、筋力にスピードが上がっていくのがたまらなく嬉しい。



 レベル上げの方法は簡単。

 将来有望そうで俺の出世に響きそうな奴を部屋に呼んで酒を飲ませて弱ってから、がぶりって手口よ。



 あとは、キメラのスキルである【合成】で俺の力へと変換する。



 汚いとかせこいとか特に言われない。魔族にはヒューマンみたいにルールはないからな。



 くぅ~。う、うますぎる・・・!犯罪的だ・・・・・・!俺、豪遊!



 そして、ついに俺はLv.999を達成した。



 最後の相手は、政略結婚でついてきた口うるさい(しゅうとめ)のダークパラディン(Lv.291)だった。

 あまりの気持ちよさについ叫んじゃったよね。怒られたけど。



 そう、俺は興奮していたからこそ注意散漫になっていた。

 手違いで魔王(Lv.700)より強いことが発覚してしまったのだ。



「魔王が最強なの!うぇーーん。」と、泣きつかれ、命令されるまま魔王軍を解雇された。



 いや、俺を魔王にしろよ。



 まぁ、俺も結構組織のトップとか柄に合わず疲れてたので丁度良かったのだが。

 無職となった俺だが、仕方なく仕事を探すことにした。



 働くのは嫌いじゃない。

 特にどうやって楽にこなすかを探ることが好きだ。だったんだが....



 どうにも、”†強欲のクリムゾン†”という恥ずかしい二つ名(勝手につけられた)が広まりすぎて、様々な所で厄介払いされる。



 やれ、「疫病神」だ、「ニートの方が害がない」だ、「存在価値がカメムシ以下」だ。と言いたい放題だ。



 失礼な奴らだな。



 飯がないから近くの弱小魔族の城から強奪したら、討伐軍出されるし。

 静かに森で寝てたら、いびきがうるさいとエルフにキレられるし。



 散々だったぜ。無職のか弱い俺を助けてくれてもいいじゃないか。



 そして、ついに発見したのが、温泉街として有名なバリンガムで張り紙。



 よし、決めた。俺はここでゆっくりしながら適当に今後のこと決めよう。

 ここは比較的に人型の魔族が多いから、波風立てないように形変えておくか。



 キメラのスキルは【合成】だけでない。取り込んだもの形や性質をマネする【模造】がある。



 たしか、一昨日くらいに「勇者だ!」とか言ってたメスのヒューマンを取り込んだな。よし。



「あ、あーーー。。こんなもんか。」



 中性的な声。中肉中背。長いポニーテールの銀髪で赤い瞳。胸は平均的。

 温泉の噴水の水面で己となる顔を確かめてみた。



 ん?妙に視線を感じる。見てんじゃねぇ。



 被害妄想が強い俺はみんな俺の悪口言ってるみたい思っちゃうぞ。

 皆殺しにしちゃうぞ。



 おっと、いけない。これから用心棒となるこの俺がみんなを殺しちゃ駄目じゃなか。ハッハッハッ



「こっち、見んな。ち○こをきりとられたいのか?はぁと。」



 ハイかわいい。あまりの可愛さで、声かけてこようとしたオークも失神した。

 よし、とにかく町長とこいくか。



 あ、スキル【恐怖付与】発動してた。やべやべ。






「てなわけで、雇ってほしんだけど。」



「はぁ?人間がなんの冗談?」



 わざわざ俺が出向いてのにそんなこといわないでよ><

 町長は珍しく女性のエルフがやっていた。



 気が強そうな表情に色白でもちもちの肌。太陽と見まごうほどの輝く金髪。

 蒼い瞳の鋭い眼光がそそる。



「種族は問わない。だったはずだけど。」



「それでも、弱い用心棒は意味ないわ帰って。」



 ふむ。ごもっともだ。ヒューマンはどんなに頑張っても最大Lv.200程度だ。

 これは人間の肉体の限界であって、勇者とて例外じゃない。



 しかし、それでも人間が魔王に対抗できたのは、スキルスロットが多いからだ。

 ま、それは置いておいて



「ふん。強いことを証明したらいいんだよね?」



「えぇ。レベルは?」



 就活だし、嘘つくのはよくないか



「999」



「は?」



 そうなるよね。魔王もそんな顔してた。



「経歴は?」



「元七つの大罪の強欲担当。魔王のおもりは俺がしてた。この体は、道端で取り込んだもの。」



 信じてないって顔だな。



「あはははははははは!!!! 冗談は、その貧相な胸だけにして。」



 ちょっとひどくない?俺は寛容だから怒ってないけど。



 突然だが、グルメな私でも丸焼きエルフは食ったことはない。

 やっぱエルフは草食だから、ハーブ塩とか掛けて食べるとおいしいんだろうか。



「レベルを測る魔導器あったわね。貸してみ。」



 見せた方が早いよね。てか口調が少し体に惹かれて女っぽくなってる。



「口では、なんとでもいえ.......ちょっ!!」



 触る前からドーム型の魔導器は砕けた。Lv.600を超えたころからこれを見れるようになった。



 ということは、魔王にこれプレゼントしたら、爆発して泣かせられるかも。

 誕プレこれにするか。



「あ、あなた....何者なの!?」



「いや言ってるし。まぁ兎に角。雇ってくれなかったら...........」



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。って実際に口に出しながら顔を近づけてみる。



「わかった!!わかったから!!!!雇うから!唾飛ばすな!汚い!」



 ごめん。でも汚いはちょっと傷つく。



「私ははクリムゾン・ガーベラ。通りすがりのキメラさ。」





「ついでに俺の嫁にならない?てか名前は?」



「色々、おかしいですし!貴方の見た目は女の子ですし!」



 いいから。ぅわ、きみのぉっぱぃ柔らかぃ



「痛いのですけど!私は、ミルフィネラ・アストレア。」



「ながい!ミルフィーで。」



「な、なのかしら。もう。クリムゾン様。」



 いつの間にか主従関係が逆になんで?

 ともかく、これにて私は就活完了。忙しない日々が始まる。



「偽名は、クリムを使ってください。バレたら面倒なので。」



「はーい、ミルフィー。これからよろしく。」


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