路地裏での出会い(下)
俺は少しの間言葉を失っていた。
「なんで黙っているのですか?」
俺は今度はしっかりと目をそちらに向けて見た。
(可愛いな)
心の中で思った率直な感想だった。
年は同じくらいだろうか。整った顔、よく手入れされているであろう長い銀髪、そして片目は髪に隠れて見えないがもう片方の目は青かった。
はっきりというと、とても俺好みの顔だった‼︎
「いつまでこっちを見たまま黙ってんですか?」
もう一度彼女は俺に対して声をかけてきた。
(!!!!!!!!)
俺は急に恥ずかしくなってしまった。
それもそう、学校にもいかず、ろくに女の子と喋ったことがなかったからだ。
何も喋ろうとしない俺を見てか彼女はまた話しかけてきた。
「さっきの魔法凄かったよね。多分4級魔法?あなたは騎士なのですか?」
「違う」
俺は短く答えた。
「ではこの国最高峰の第1学園の生徒ですか?」
「違う、学校は行っていない」
俺は答えた。
「では、第1学園に入学してください。」
「はあーーーつ‼︎⁇?」
俺は思わず声が出てしまった。
「大丈夫ですよ。さっきのレベルの魔法が使えるなら試験なしで入れるでしょうし。」
「なんで、俺が学園なんていかなきゃならないんだ?そもそもお前はどんな立場でそんなことが言えるんだ?」
思いがけない話で俺はいつもの口調で話してしまっていた。
「私の立場ですか?そういえば名前も言ってなかったですね。私はこの国の第2王女メリア・アリカノートです。そして、この国を5大国の中で一番の国する者の名前です。そして、あなたには私の目的を果たすための力になってもらいます。」
(王女だったのか、言葉ずかいを改めるべきか?いや、今頃遅いだろう。)
俺はそう内心では考えながら話しかけた。
「俺はそんな大層な者じゃないと思うぞ。それに、いくら王女様だとしても別に俺が言う事聞く必要もないしな。」
「隠しても意味ないですよ。代々王家のものは人の魔力の大きさを見ることが出来るんです。そしてあなたは今まで見てきた人の中で比べ物にならない程大きいです。私の望みを聞いてくれないのであれば、代々的にこの事を広げますから結局は学園に入る事になるでしょうけど。」
「つまり俺に選択肢はないってことか。」
俺はため息混じりに言った。
「そういうことです‼︎」
彼女はとても可愛い笑顔でそうかえしてきた。