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プロローグ
「 はあ…」
俺は、黒い髪をかきあげて、深いため息をついた。
ため息の原因は言うまでもなく、 今まで、ろくに学校すら行ってなかった俺が今日から国家のエリートの集まる魔法学校に転入することになってしまったからだ。
「くっそ…,最悪だ、学園なんて雑魚ががゴミの様に集まってるだけじゃないか。エリートだの言われてるくせに大した力も持たずに」
他の人からしてみれば、学園すら行ってない奴が何言ってるんだと思われるだろうが俺にしたら当たり前の考えだった。
そう、この世界では魔法の強さが何より重要視される世界である。力持つものはそれだけでもてはやされ、力なき者は強者に奪われる。そんな皮肉な世界だ。
「はぁ…..、だから余計な人と関わるとこういう事になるんだよ。」
全ては少し前、助けるつもりもなかった一人の女の子を助けてしまったばかりに、始まった最強の魔法使いの物語である。