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300文字小説

6月の哀しみ

作者: 林 秀明

じとじとした湿気が身体に纏わりつく。

じっとりした汗が額から落ち、給料日を待ち望む私よりも、夏が来て欲しくない気持ちが胸いっぱいに広がる。


ふと外を見るとオニヤンマが2羽、並んで飛んでいた。夫婦そろって旅行に行くのだろうか。


「旅行か・・・」


皮肉混じた情け無い言葉が口から出る。

新婚旅行で元夫が旅行先で出落ちし、まさかの一人帰国となった。昔から外国人、特に欧米人に憧れていた夫が、ノリノリの金髪人に一目惚れするとは思わなかった。


あのじとじとと腹立った煮え切れない気持ちと二人の満面の笑みを忘れる事はないだろう。


雨が降ってきた。

哀しさで涙が出ると思ったが出なかった。


私は強くなった。

これからの楽しい人生に、私は雨に向かって叫んだ。

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