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封印の再召喚者(リターナー)〜封印解いて目指せ安寧!〜  作者: 金月ネコ
いざ、異世界へ!(予想外)
4/23

ステータス

「やっぱりここ、異世界か?」


周りの様子を確認して俺は呟く。

いやぁ、神様からも聞いてはいたけど本当に転移するとは。ビックリだな。というより、神様と会ったことが一番のビックリだな、うん。

すると、自分達のいる場所が教室ではないと認識し始めたクラスメイト達が、にわかに騒ぎ始める。


「は? どこだよここ!」

「俺たち教室に居たよな!?」

「びぇぇーん! ママぁ~!!」


…幼児退行してるやつは置いておいて、テンプレ通りの反応だな。一部では、


「もしかして転移か!? 異世界か!?」

「キタコレ!! 俺TUEEEEEEEEEEEEEEEE!!」


なんて声も上がっている。他の二次オタグループなど、早速気づき始めた奴等もいるみたいだ。となると


「なあおい和馬! これってマジな異世界転移じゃないか? テンション上がりまくるぜ!!」


秋人、お前もだよな。

他人が騒いでると自分が冷静になるって本当なんだな。今まさにそれを感じてるよ。


「それでだ、和馬。もしここが本当に俺らの知るような異世界なら、ステータスもあると思わないか?」

「おお、そうだな!」


そうだよ。神様も言ってたじゃないか。ヤバイ、俺もテンション上がってきた!!


「一緒に試してみないか?」

「そうだな。ここで叫ばないとネット小説の読者としては落第点だ。よし、同時にいくぞ。せーのっ」

「「ステータス!!」」


俺と秋人が大声で叫ぶ。

なにも起こらず、暫しの沈黙。クラスメイトからの冷ややかな視線が俺たちに突き刺さっているのを嫌でも感じる。やめて!僕と秋人のライフはもうゼロよ!!

しかし、一拍おいて俺たちの前に光のボードが現れた。


「「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」」



=====================

カズマ イガラシ ♂ 1*歳

人間ヒューマン レベル:1


生命力:200

魔力:200

筋力:200

物攻:150

物耐:150

魔攻:150

魔耐:150

俊敏:200

持運:***

=====================


うおお! 凄い! …のか? この数値は。この世界の一般人の平均ステータスと、強い人の値がわからないことには何とも言えないな。

というか、年齢と運の表示がバグってる。年齢は10代ってことはわかるけど、運に至っては完全に逝っちまってやがる。これは偽装必須だな。ちゃんとスキルも確認しないと。えっと、スキルの画面は…

ステータスの画面を眺めていた俺は、ためしに画面を指でスライドしてみる。指を右へ滑らせると画面が切り替わり、様々な文言が乱雑する画面が現れた。

まるでRPGのステータス画面みたいだな。それにしても並び方が滅茶苦茶なせいでスキルが見難い。何とかならないのか?

すると俺の思考に反応するかのように画面にウィンドウが表示される。


 『スキルの並び替えを行いますか? Y/N』


YとNは普通にYESとNOなんだろうな。ならここは「Y」だ。


 『並び替えを完了しました』


=====================

普通技能ノーマルスキル

  ・魔力操作 Lv3

  ・探知 Lv1

  ・思考加速 Lv1

  ・並列思考 Lv1

  ・鑑定 Lv5

  ・看破 Lv1

戦闘技能バトルスキル

 〈随時発動型アクティブ

  ・火魔法 Lv2

  ・水魔法 Lv2

  ・風魔法 Lv5

  ・雷魔法 Lv3

  ・土魔法 Lv2

  ・聖魔法 Lv2

  ・属性魔剣 Lv4

 〈常時発動型パッシブ

  ・剣術 Lv4

  ・詠唱破棄 Lv5『無詠唱』

  ・戦況把握 Lv2

超常技能エクストラスキル

  ・偽装 Lv−

=====================


これが俺のスキルか。

スキルだけ解放されるって聞いて意味があるのか疑問に思ってたけど、初期でこれは有利だろ。魔法の中には既にレベルが上がっているやつもある。上限はわからないけど5って…。

あと、神様からもらった偽装は「エクストラスキル」になるんだな。でもネット小説を読みなれている俺としては、偽装がエクストラって何か釈然としないが。

ん?でも普通技能に「看破」はあるってどういうことだろ?とりあえず、「看破」を鑑定!


=====================

看破:

他人の発言や、スキル「隠密」に対して発動する。発言内での嘘の看破、相手の「隠密」状態を看破し相手を認識する。ただし相手「隠密」のLvが「看破」のLvより高い場合は認識確率が大幅に下がる。同Lvの場合、認識率は100%となる。(装備品効果などの影響を受けない場合) 基本は直感という形で自らに情報が入るが、魔力に乗せて広範囲へと広げることでソナーのように使用することも可能。

=====================


流石はLv5の鑑定。情報量が多い。最後の方なんか、発展的な使い方まで教えてくれている。なるほど、他人の嘘を見抜けるのか。うまく使えば役に立ちそうだな。ただ、対「隠密」としてはLvが物足りない感じがする。もう少し上げた方が役に立つだろう。

何にせよ、俺だけが使えるであろう「偽装」に対しての効果は無さそうだから、ステータスを見破られる心配はなさそうだな。


それじゃあ早速「偽装」の鑑定を…


「どうだった、和馬?」

「うおぉ! ビックリした!」


ステータスに夢中になっていた俺は、背後から近づく親友の秋人に気が付かなかった! そして俺はその男に毒薬を…なんてふざけている場合ではない。

あわてて俺はスキル画面からステータス画面へと切り替える。


「突然覗きこむなよ、驚くだろうが」

「悪い悪い。それでどうなんだお前のステ?」


まだ「偽装」の効果を調べてないからやり方がわからないってのに! 運と年齢のバグがそのままだ。いくら仲の良い秋人が相手でも、まだ俺がこの世界に来るのが二度目らしいと知られないほうがいいだろう。とりあえず秋人のを秋人の値を先に見せてもらって、それを参考にバグの部分を偽装しようと思いつく。


「あぁ。でも先にお前のを見せてくれないか?」

「おう、いいぞ。ほら」


=====================

アキト ヒムラ ♂ 16歳

人間ヒューマン レベル:1


生命力:150

魔力:250

筋力:150

物攻:100

物耐:100

魔攻:200

魔耐:200

俊敏:100

持運:50

=====================


ほう。運はそんなもんなんだな。

それじゃ「偽装」!

…念じてみるが画面に変化はない。直接数字を触れれば良いのか?

そう思って数字をタッチするとキーボードが出てきた。スマホみたいだな。


=====================

カズマ イガラシ ♂ 15歳


持運:55

=====================


これでよし。秋人に運で負けるのは何か悔しいから、少しだけ上げておこう。


「自分の画面弄って何してるんだ?」

「お前のステと見比べてたんだよ。魔法関連のステはお前の方が高いみたいだな。お前はどうなんだ、沙那」


俺は近くで自らのステータス画面とにらめっこしていた沙那に声をかけた。


「あら。あなたが私に声をかけるなんて、どこか頭でも打ったの?」

「さっき打ったよ盛大にな! 嫌味か! それでどうなんだ」

「これよ」


=====================

サナ オオツキ ♀ 15歳

人間ヒューマン レベル:1


生命力:200

魔力:150

筋力:250

物攻:200

物耐:200

魔攻:100

魔耐:100

俊敏:200

持運:55

=====================


筋力と物攻、物耐が高い。耐えて耐えて、物理で殴る!!って感じだな。


「お前完全にパワーファイターじゃねえか」

「折角の異世界なんだし、魔力が少ないのはやっぱりよろしくないわね。この世界のレベルアップ後のステータスの上がり幅は振り分け制なのかしら? もしそうでなくとも、魔法を多く使っていれば上昇に補正がかかったりすれば良いのだけれど……」


一人ブツブツ言い始めた。すごく真面目に考察をしているが、普段は沙那のこんな様子を見ることがないため、少しコワイ。

というかよく知ってるな。こいつは確実に頭脳バトルだけじゃなく、異世界チート系の小説も読んでる。絶対。


他のクラスメイトがどうなっているか目を向けてみると、事前知識があった奴等は俺達と同じように盛り上がっている。それ以外の奴等は、榎本が中心になって自分達のステータスを確認している。みんな、ステータスについての最低限の知識はあるみたいだ

でもやっぱり榎本スゲーな。こんなよくわからない状況下でもしっかりクラスをまとめている。前に軽く布教したのがこんなところで役に立つとは思わなかったが。


そんな時だ。部屋の奥にあった、見たところ金属製の大きな扉が音をたてて開き始める。ようやくお迎えが来たか?


「見ろよ和馬。あんなに大きな扉が開いてるぞ。人の手だけじゃ無理だろうし、やっぱり魔法で動かしてるんかな?」

「さあ? でも多分そうじゃないか?」


秋人から話しかけられ、少し軽く応対する。もしもテンプレどおり科学が発展していなければ間違いなく魔法が使われているだろう。


直後、俺達は硬直することになった。

理由? 開いた扉から銀色の甲冑をまとった数人の兵士がこっちに槍を向けながら入って来たからだ。全員が恐る恐るといった様子だが。


一瞬のうちに緊張が場を支配する。誰かがつばを飲み込んだ音すらも聞こえるくらいに、俺たちの周りには音が存在していなかった。

…話し合いが通じる相手なら良いんだが。俺達のステが高いのかまだわかってない上に戦闘経験も少ないし、できれば荒事は避けたい。ダメなら一か八か先手をとって仕掛けるか?


相手の様子を伺いながら、少しずつ思考を積み重ねていく。しかし、俺の心配は杞憂に終わった。


「ゆ、勇者様がたの召喚に成功しました!!」


兵士の内の一人が叫び、扉の奥からは歓声が聞こえてくる。兵士達が向けてきていた槍も下げられた。

どうやら、俺達は歓迎を受けられる立場のようだ。


ステータスなどが見にくかったらコメントください。工夫してみようと思います

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