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第四章 3(後)

 トロフィーを持ち帰り、父と母が家の玄関先で出迎えてくれた。


 姉貴もそこにいる。父も姉貴も仕事を早く終えて戻ってきたのだ。


 三人とも「おめでとう」と言ってくれた。


「ダン、プレゼントがある」


 姉貴が厚い紙包みにくるんだ、直方体の形をしたプレゼントを渡してくる。


「え、姉貴が僕にプレゼント? 槍でも降るんじゃないかな?」

「そうか、槍が降るのなら、貴様にあげないほうがいいな」

「いや、いる、いります」


 そうして僕はプレゼントを急いで取る。


「開けてもいい?」

「ああ、好きにしろ」


 テープを取り、包装を丁寧に取り去り、出てきたのは。


「あっ!」


 包装を開いて中に入っていたのは、タイプライターだった。


「アンティークショップで見つけたものだ。何にしようか迷った、記念になるものでなおかつ貴様にぴったりのものを考えるのに苦労して、結果これに落ち着いた」

「……」


 僕は手が震えていた。

「どうだ? 気に入らなかったか?」

「姉貴、ありがとう!」




 ――親愛なる姉貴・クリスティーナへ。


 ――僕は早速姉貴に手紙を書くことにしたよ。

 ――家族宛てに手紙を書くなんて一回もなかったよ。

 ――たわいもない話ならすぐに消えてしまう。

 ――不思議だね、こういう手紙の会話って。

 ――永遠に残る可能性を秘めているんだから。

 ――だから僕は、打つ手が震える。

 ――いつもはどんな文章も早く打ってしまえるのに。

 ――それが今はできない。でもそれでいいんだ。

 ――このタイプライターで、僕は。

 ――一文字一文字心を込めて打つ。

 ――本当にありがとう、姉貴。

 ――このタイプライター、大事に持っておくよ。

 ――だから、僕からもこの手紙を記念と感謝の印に。

 ――親愛なる姉貴・クリスティーナへ贈る。


 ――弟のダン・カベイより




 僕は手紙の文言を徹夜で考え、朝を迎え、さきほどタイプライターで打ち終えた。そして、姉貴が起きる前に姉貴の部屋、ドアの下にある隙間から手紙を差し入れた。


「ありがとう、姉貴……」

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