未知
「閣下…」
一番大切な機械を持って逃げるだけで精一杯だった…
閣下の亡骸を持ち出す事は出来なかった……
結局、人間とはちっぽけな生き物だ…
歴史を変える事は出来ないのかもしれない…
自然には適わない…
でも、変えてみせる……閣下の夢は私が叶えます……
「服部さん!無事だったんですね!」
「ご心配おかけしました。一部の機械だけしか持ってこれませんでした……」
「館長。無理をなさらないで下さい…我々も逃げながら持てる機械は持ってきましたので…」
「ありがとうございます。閣下を連れては来られませんでした……」
「閣下の記憶データだけは持ってきました……役にたつかは分かりませんが……館長には必要かと……」
「あっ…ありがとうございます……閣下……」
「館長。これから、どうしますか?」
「とりあえず、移動装置は無事の様なので百年後に移動しようと思います。」
「百年後ですか?」
「はい。今よりは時代も進歩していますので……拒絶反応もすくないかもしれません。」
「服部さん……」
「新垣様、我々のために力を貸して頂いてありがとうございました。これでお別れです。また違う時代で新垣様にお会い出来るといいですね。」
「僕も一緒に連れてって下さい!」
「申し訳ありませんが、それは出来ません。我々にとって新垣様は大切な存在なのです。新垣様の子孫が生まれてこれなくなってしまったら…我々の存在もなかった事になってしまいます……」
「あっ……そうか……」
「またお会いしましょう。」
「はい……」
「三輪、全支部に連絡して下さい。移動開始します。」
「はい。かしこまりました。」
その後、施設全体が光に包まれ消えた……
今、思うと夢だったのかもしれないような気がする……
現実にはありえない…
そんな体験だった……
施設が消えた後、地震があったのが嘘のように道も街も、いつもと変わらない景色に戻っていた……
いったい、あの地震はなんだったんだろう…
また、違う時代で実験が始まっているのかもしれない……
『新垣……』
「えっ…?」




