拒絶
「閣下、記憶を植え付けた方々から面白いデータがとれました。記憶を植え付けた人数は20人でした。
」
“どの様になったのだ。”
「まず一人一人が持っている記憶をデータベースに移し、違う記憶を植え付けていきました。その時点で3人の方が発狂しました。脳の拒絶反応だと考えられます…。植え付けて完了した段階で5人が精神不安定に陥りました…。只今、施設病院に入院中です。」
“そうか…やはり元々持っている魂の記憶を違う肉体に植え付けると、その様な結果になるのだな…残りの者はどうなったのだ”
「はい。残りの12人は着たときと多少変わりまして、性格がキツい女性の方は優しい話し方になりました。その後、本当に大好きな方を探すと出て行かれました。ちょっと悪そうな感じの男性の方は、今からでも遅くないと猛勉強しているみたいです。」
“そうか…他に変わった者は居ったか?”
「札幌で自営業をなさってる方がいらしたんですが、その方は…」
“どうしたのだ?”
「自殺なさいました…。ビルの屋上から飛び降りたみたいです。最後の言葉が“天皇陛下ばんざい”だったらしいです。彼は記憶を植え付けた瞬間から“仲間のもとに行かなくてわ”と言われていました。
私どもの不注意でした。申し訳ありませんでした。」
“謝るでない。彼は彼なりの感じ方で突き進んだのだ…今の世に生きていたくなかったのかもしれぬな…記憶を植え付けなければ何も感じず、生きていたのかもしれぬ…我のせいだ…違った方向に向かってしまったのか…”
「閣下……。別の方は、この国を変えてやると意気込んでおりました。今は平和な世の中になりました。あの悲劇を繰り返してはいけないとお思いになった閣下の意志は全員、理解しております。今回は記憶が強すぎたのかもしれません…。」
“有り難いな。感謝している。”
「有り難き御言葉ありがとうございます。仙台の記憶の解析の半分が終了しました。そちらに、お送りいたしましたのでご確認お願いします。」
“解った…。半分とは解析に時間がかかっているようだな…?”
「はい。本人が思い出さないようになのか、強い意志で霞ませてあるように感じました…なかなか解析が進まず申し訳ありません。」
“終わり次第残りの記憶を送ってくれ。”
「かしこまりました。他の方々の経過もお送りさせていただきます。それでは失礼いたします。」




