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プレミアムノート  作者: 月島裕
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母恋し

この世界を、人の思考を変えさせるために作られたシステム


プレミアムノート


このシステムを使った実験が始まろうとしていた



今回の実験体

遠藤涼太24才フリーター

中学校卒業、高校中退

職を転々とし振り込み詐欺を斡旋


今回の実験場所は新宿駅の端に施設を設置

標的が現れるのを待つ


“標的発見、接近開始“


「お客様、素敵なお店が近くにオープンしたんです。お時間宜しかったら寄って行きませんか?」

「うるせぇ」

「苛立ちの原因を解消出来る物があるのですが」

「薬かなんかか?!」

「来て頂ければ解ます。」

”標的確保、誘導開始“

「こちらの椅子にお座り下さい。」

「なんもねぇじゃねぇか」

「お座り頂ければ解ります」

「座ればいいんだな、座ったぞ!」

「それでは行ってらっしゃいませ」



変な奴に付いて来てしまった…

そう思った瞬間には遅かった…

意識が急に飛んで目を開けて見たら見たことのない景色が広がっていた

浴衣?着物?を着た女が近づいてくる

「坊や…ごめんね…ごめんね…」

そして、また意識が薄れていく…



次に目を開けて見たら薄暗い

なんだか水の中に居るような感覚…

動こうにも動けない

紐の様な物が見える…

壁の様な所を足で押してみる

押し返してきた…

なんだか温かい…

心地いいな…



次の瞬間、衝撃が走った

息が出来ない…

目を開けて見たら焼け焦げた風景

そして、紐の繋がった女の人が倒れていた…

そして、また意識が薄れていく…


次に目を開けて見たら俺の母親が居た

「涼ちゃん、素敵な大人になってね」

「涼太、お母さんを大事に出来る子になれよ」

父ちゃん、母ちゃん…


「涼ちゃん、幼稚園楽しかった?」

「うん!いっぱい友達出来たよ!でもお母さんがいないのが嫌…」

俺、こんな事言ってたのか…

「涼太!何処に行ってたの?心配してたのよ。」

「うるせぇ」

母ちゃん…高校になってから母ちゃんに酷い事ばっかり言ってたな…


「涼太!家出るって、何処に行くの?高校は?」

「高校辞めたから、これからは勝手にするから」

母ちゃん…ごめん…

心配ばっかりかけて…

優しい言葉の一つもかけてやれなかった…

母ちゃん…



また意識が薄れていく…


「いかがでしたか?」

「今までの事は?」

「遠藤涼太様の前世と現世でございます。」

「えっ…」

「一番始めの前世は江戸時代でございました。母親の手で殺されました。経済的に苦しかったとの事です。2番目は第二次世界対戦の時に爆撃を受けて亡くなりました。母子ともに即死でした。3番目は現在でございます。」

「俺、2回も死んでるんだな…」

「前世があるからこそ現世があるのです。前世で二度の死を経験したからこそ、現世に産まれた時に貴方は喜びに満ちていたはずなのです。」

「……」

「今の貴方はいかがでしょうか?」

「俺…なにやってたんだろう…」

「苛立ちの原因は見つかりましたか?貴方の大切な者は見つかりましたか?」

「はい、母ちゃんに言わなきゃいけない事があるんだ」



“標的システム正常”

“引き続き監察“



遠藤涼太

その後、母親に会い和解

自分の罪を償うため自首


今は刑期を終えるのを待っている


”引き続き監察“




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