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見習い魔法使いの奮闘記  作者: 久遠
第一章 弟子入り
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リベンジ

感想で指摘をいただいた文法のミスをなおしてみました。

ほかにお気づきのことがあったらどんどんいってください。

次の日の朝、目が覚めると携帯に2通のメールが来ていた。

一つは雫からで、今日の修行の中止を告げたものだった。

2つ目は浩太からで、今日時間が空いてたら会わないか? とのこと。

「今日は修行ないのか……。なんかあったのかな?」

昨日の時点では何も言っていなかったため、あの後何かあったのだと予想する。

正直、魔術式を教えてくれるとのことだったので楽しみにしていたのだけど、

いつも自分の都合に合わせてもらっているため、仕方ないと自分に言い聞かせ布団からでる。

着替えながら浩太に返信をする。

本来なら修行に行くはずだったが、急遽時間が空いたため自分は問題ないと送る。

「にしてもなんだろう? まだ夏休み2日目だしさすがに宿題を見せてくれって言うわけではないだろうけど……」

心当たりはなかったが、本当に用はなくただ純粋に遊ぼうというだけかもしれないので深くは考えずにいた。

浩太と連絡をとりつつ、手早く朝食を食べ終わると荷物を持って外に出る。

駅前の広場で待ち合わせということになり、急ぎ足で向かう。

道中余り信号に引っかからなかったため、予定時刻より少し早くついた。

持ってきた小説を読みながら浩太をまっていると、待ち合わせの時間ぴったりに浩太とクラスメイトが2人やってきた。

「急に呼び出したりしてわりぃな。こいつらとカラオケに行こうっていう話になったんだが3人だと少し少ないかと思ってね。

それで、お前ならどうせ暇してるだろうとおもってよ」

どうやら足りない人数の埋め合わせとして呼ばれたらしい。

「いや、別にそこまで暇じゃないよ……。今日は元々予定あったし……」

「だがお前はいまここにいる。つまりはそういうことだ」

悠斗の些細な抗議を一蹴し浩太は一人先に進む。

それもそうだな、と半ば強引に自分を納得させ悠斗も後に続く。

たった数日魔法の講義を受けていただけなのに、友達とカラオケにいくという普通の日常がずいぶん久しぶりに感じた。



◆◆◆◆◆



 悠斗たちがカラオケにいっていた数時間後、

雫は光系統の陣で自分を視認できないようにしながらビルの屋上を飛び交っていた。

昨日雫たちを狙って放たれた魔獣の痕跡を追っているのだ。

(さすがに放っておけないと思って追ってきたはいいけど……)

追っている痕跡は薄れてはいるものの、十分追跡できるほどには残っていた。

(もうすでにあれから半日はたってるしなー。普通はもう少し薄れてるよねー。どうも罠っぽいなー)

とはいえ例え向かった先に罠がまっていても、力ずくで何とかする自信があったので気にせず進む。

ビル郡を抜けると、海が見えてきてその近くの山中にむかって痕跡が続いていた。

(あそこか……)

強く地面を蹴り、高く空に舞い上がる。

そのまま一気に痕跡が続く場所にむかってダイブした。

軽く地響きを起こしながら着地する。

そこはかなり濃密な魔力が漂っていた。

(ここで間違いなさそうだねー。さて事件の黒幕はっと……)

「久方ぶりだな、紅炎の魔女よ」

ふいに背後に人の気配が生まれる。

「その痛い名前で呼ばないでくれるかな? それにしてもやっぱり君か荒木あらき

荒木と呼ばれた男は、口元に笑みを浮かべる。

「名前を覚えておいてもらえるとは光栄だ。それにしてもお前は昔から変わらないな、罠とわかっていて向かってくるか」

「君がどんな罠を張っていようと私には敵わない。それは君が一番よくわかっているんじゃないか?」

クックックと笑いを押し殺しながら荒木は言い返す。

「さて、それはどうかな? やれお前ら」

いつの間にか雫の周りを六匹の黒獣鬼が囲っていた。

「まさかこの程度で私を倒せるとでも? 私もなめられたものだねー」

魔術式を展開しながら雫は荒木に言い放つ。

いくら数が増えようとも雫にはこの程度脅威でもなんでもなかった。

「確かに、お前を倒すことはできないだろう。だが時間稼ぎくらいはできる」

「何?」

いったい何から時間を稼ぐというのだろう。

大規模術式でも使うつもりかと思ったが実際はそうではなかった。

「君の大事な弟子を殺すには十分な時間がね」

荒木は心底楽しそうに言う。

「……貴様ッ! 最初からそれが狙いだったのか!」

しくじった。この男はてっきり自分を狙っているのだと思っていた。

いやそれも間違いないではないのだろう。悠斗を殺すのも雫を精神的に追い詰めるためにやっているのかもしれない。

「それではがんばってくれたまえ」

そういうと荒木の周囲が歪み、気配が薄れていく。

数秒後には雫と黒獣鬼だけが残されていた。

「時間がなくなった。加減はしない、いますぐ消し炭になってもらおう」

雫の足元に大きな魔方陣が形成される。

「なめるなよ荒木、この程度では時間稼ぎにもなりはしない」

魔方陣から紅の炎があふれ出し円状に広がっていく。

「幻界、発動!」

世界が紅に塗りつぶされる。

元に戻ったときには黒獣鬼がいたところに黒い炭がのこっているだけだった。

「間に合ってくれよ……!」

雫は地面を蹴り、全速力で彼を目指し飛んだ。



◆◆◆◆◆



 結局夕方まで悠斗はカラオケに付き合い、家路についたときにはすでに暗くなっていた。

「最近ずっと帰りが遅いな……。あんまり続くと心配かけちゃうだろうなぁ」

独り言をいいつつ、閑散とした住宅街を抜ける。

少し開けた場所に出た瞬間、体に怖気が走る。

それはつい先日味わったばかりの感覚だった。

恐る恐る後ろを振り返る。

「……なんでお前がここに」

住宅街の奥地から、こちらに向かって歩いてくる影があった。

見間違えようもない、あの影。

「黒獣鬼……!」

とっさに身を屈め左によける。

このあいだのときと同じく、一瞬で地面が削れ取られる。

心臓が早鐘を打つ。助けを呼ぶことも考えたがそんな余裕はとてもじゃないがなかった。

逃げようにもここは住宅街、下手に動き回れば関係のない人を巻き込む可能性がある。

(落ち着け……! この間のときとは違う、今の僕には魔術がある!)

黒獣鬼の動きは、攻撃するときこそ眼に見えないほど俊敏だがそれ以外はほとんどとまっているも同然だった。

また、あの威力を出すために腕に魔力を集中させる必要があるらしく連続で突進はしてこなかった。

このあいだ見たレーザーも直線にいなければ問題なく、攻撃のチャンスはあった。

(隙はある、だけど僕の持つ魔術だけじゃ火力が足りない! 考えろ悠斗! 何か方法があるはずだ!)

再び黒獣鬼が攻撃態勢に入る。

とっさに横にとび間一髪のところで攻撃をかわす。

(このままじゃジリ貧だ、何かいい方法はないのか!?)

相手が攻撃態勢をとる前に距離をとりながら頭を必死に回転させる。

(……! そうだ、方法ならある……。だけど失敗すればただじゃすまない……)

一瞬で離した距離を詰められ、悠斗のすぐそばの地面が吹き飛ぶ。

(迷ってる暇はないか……! こうなったらやるしかない!)

攻撃をはずしたため再び魔力を腕に集めはじめ、大きな隙ができた黒獣鬼に急接近する。

こちらを向いた頭に向かって右手を突き出す。

火の陣を連想し、展開する。

そして、陣に手加減なしで思いっきり魔力を注ぎ込んだ。

陣の許容量を超えた魔力はあふれ出し、暴発する。

その瞬間水の陣を展開し、自分の体を爆発から守る。

黒獣鬼は頭のすぐそこでおきた爆発をよけることができなかった。

全力で流し込まれた魔力はこのあいだの暴発の比ではなく、大爆発を起こす。

その結果、爆発は見事に黒獣鬼の頭を吹き飛ばしていた。

「や……やった……」

しかし、覚えたての水の陣を最後まで保つことができず爆発の余波を受けて右腕に大きなやけどを負う。

防ぎきれなかった爆発のダメージと、急激に魔力を使用した反動で意識が薄れ意識が遠のく。

そのまま倒れかけたが、その寸前彼の体を支えるものがいた。

「この短期間で黒獣鬼を倒すか……。褒められたやり方ではないけれどその勇気は見事だよ」

全力で戻ってきたため、肩で息をしながら雫は彼を抱える。

吹き飛んだ地面を元に戻しながら、大事な弟子の無事に安堵していた。

予定より少し早いけど、戦闘です。

戦闘は描写が難しい……。

表現力がほしいです……。

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