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ライブ・オブ・アイドル  作者: 涼木行
第二章 死ぬほど好きだから
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第八話 太陽が眩しかったから



 ケーキも食べ終え、ゆっくり紅茶をすする三人。


「呼び方とかもそうだけど、MCとかの内容とか役割みたいなのも何か指示あったりするのかな」


「MCってなんかステージで話すやつとかだよね」


 と安積が黒須野に尋ねる。


「うん」


「なんの略?」


「……ちょっとわかんないです」


「マスターオブセレモニーです」


 と五十沢が言う。


「えっと、セレモニーの主……?」


「司会者とかのことですね、本来は。よくわかんないですけど転じてってやつですかね」


「へぇ……なんで知ってるの?」


「……覚えてないですね」


 こいつ、やっぱ頭の方も天才なのか……? と黒須野は再び顔をひきつらせる。


「とにかくいずれはMCとかもやることにはなると思うんだけど、そのへんも木ノ崎さんなんか考えあるのかな……なにか聞いてる?」


「ううん。でもあの人のことだしそういうのはどうでもいいから好きにやってよって感じじゃないかな。そもそも必要ないって思ってそうだし」


 と安積は答える。


「あー、だね……まぁ今度聞いてみて、あとは鷺林さんとかにNG事項とかあれば確かめてみて、って感じかな……」


「うん……それってやっぱり、私リーダーだから司会っていうか、主導しなきゃいけない感じかな」


「そうでもないよ。そういうのはユニットによるし。リーダーじゃない最年少がMC代表で進行やってるとことかもあるから。ディフューズなんかもリーダーは新殿さんだけどそういうの回してるのは基本的に京手さんだし」


「そう? じゃあ、私話すの得意じゃないし、やっぱ十子ちゃんが適任だと思うんだけど、どう?」

「んー……まぁ、必要とあらば。晃は言わずもがなだしね……適材適所で、そのつどすべき人が、って感じになるかな……晃もなんか意見とかないの?」 


 ずっと黙って聞いているだけの五十沢に黒須野は怪訝な顔で尋ねる。


「んー……ないですね別に。どうでもいいんで」


「どうでもいいって言ってもあんたもやるんだからさ」


「よくわかんないんですけど休憩中になんか話せばいいんですよね? 十子ちゃんが聞いてくれればなんか適当に返しますよ。私パフォーマンスできればそれでいいんで」


「あー、そう……あの、丁度いいから聞きたいんだけど、前々から思ってたんだけどあんたってなんでアイドル始めたの?」


「木ノ崎さんに誘われたからですね」


「あー、うん。きっかけとしてはそうなのかもしれないけどさ、もっとこう、自分の中での動機っていうかさ。別に元々アイドルとか芸能人みたいなのは興味なかったんでしょ?」


「ないですね。やる気もなかったですし」


「じゃあなんでよ」


「……踊ってたんですよ」


 五十沢は悩んだ末、そう話しだす。


「踊ってたら木ノ崎さんが声かけてきて、アイドルになってみんなと一緒にやると体が広がって楽しいよみたいなこと言ってて、それで面白いもの見せてくれるって言うんでついてったんですよ」


「いや、それ木ノ崎さんも木ノ崎さんだけど、あんたも着いてっちゃダメでしょ、子供じゃないんだし」


「子供でもダメじゃないですか?」


「そうだけど、っていうかわかってるじゃん」


「まー一応わかってますけど、木ノ崎さんは大丈夫じゃないですか。見れば分かりますし」


「んー、見てくれは十分怪しいと思うけどねあの人……まぁあんたが言うならそうなんだろうけど。ごめん、続けて」


「はい。それであのディフューズっていう人たちのとこに連れてってくれたんですけど、」


「ちょっと待って、え? いきなり? え、この前知り合いみたいな感じだったけどそこ? そこで会ったの?」


「そうですね」


「……それ初日っていうか、木ノ崎さんにスカウトされたその日?」


「はい。暇だしすぐ行きましょうみたいな感じで。見学ですね。アイドルってこういうのだよみたいな感じで見てから考えてって感じでしたね」


「いや、見学がディフューズって……てか初日、いや、そもそもやるって決まってないのに、そのへんで拾ったやつをでしょ……」


 木ノ崎さん、らしいといえばらしい。あの人しかできない、許されない行為だとも思う。けれども、あの人だろうと誰にでもすることじゃないだろう。相手が五十沢晃だから。期待の大きさ、というより、絶対とるために手段は選ばず。見せるならば最上を。


 いや、何よりも、天才が天才と出会うところが、見たかったのかもしれない。


「――十子ちゃん大丈夫っすか?」


「あぁ、うん。いや、まぁちょっとね……ごめん、続けていいよ」


「そうですか。まー続けろって言われてもそこでレッスン見て、ダンス面白かったんで踊って、なんかあの、センター? の二人とも一緒に踊って、楽しかったんでやりますって感じですかね」


「二人と、踊ったの……?」


「はい。名前覚えてないですけど、あの真ん中の二人です」


「……ゆか、京手縁(きょうでゆかり)と、石住美澄(いしずみみすみ)と……?」


「名前は覚えてないんで」


「……そのへんで、踊ってたら、スカウトされて、その日のうちに、ディフューズの、ダブルセンターと、あの、京手縁と石住美澄と、踊った、ってこと……?」


「だからさっきからそう言ってるんですけど」


「あんたね! 全っ然自覚ないみたいだけど、どんだけすごいことかわかってんの? ありえないから普通! 全世界の、何百何千万ってファンが、どれだけ望んだって金積んだってできないことを、あんたは、平然と、この、そのくせ名前覚えてないとか、マジファンに殺されるよ!」


「ていうか今十子ちゃんに殺されそうなんですけど」


「殺すってのそりゃ! いや殺さないけど!」


「……よくわかんないんですけど、もしかして羨ましいとか悔しいとかそういうのですか?」


「というよりむかつく! 死ぬほどむかつく!」


「十子ちゃんめちゃくちゃファンだったんだね」


 と安積は軽やかに笑う。


「そりゃそうですよ! いや違いますけど! 過去形で言えばそうですけど!」


「なら十子ちゃんも一緒に踊ればいいだけじゃないんですか? 遊び行って頼めばやってもらえるんじゃないですか?」


「いや、それはダメでしょ。というかそんなんじゃないし。そういうのは、違うから。ちゃんと私が実力つけて、対等に近づいて、仕事だろうとなんだろうとそういう形で一緒に、できればあっちから誘ってきて、とかなら別だけど」


「なら大丈夫じゃないですか? 私もあっちから一緒やろうって言ってきて一緒踊ったんで」


「――は?」


 その言葉に、黒須野は愕然とする。一方安積は思わず吹き出していた。


「――はは。いや、晃ちゃん、ほんとすごい」


「なにがですか?」


「ほんと、ピンポイントに突いてくよね」


「……もしかしてなんか悪いこと言った感じですか?」


「悪くはないけど、なんていうかさ、こう、晃ちゃんにはどうでもいいことだけど他の誰かにとってはものすごく大切なことだった、みたいな感じかな。価値観は人それぞれだから仕方ないんだけどね」


「あー……たまにありますねそういうの。十子ちゃんなんかすみません」


「――いい。謝られるほうが惨めだから……まぁ、でも、うん。わかってる。平気。とりあえず、まぁ、いきさつは分かった。じゃあとりあえずこう、ダンスとかパフォーマンス見て、実際やってみて、面白いからアイドルやることに決めた、ってこと?」


「そうですね。だからやりたいのはそれだけです」


「そっか……でもさ、まぁ木ノ崎さんがどう考えてるかわからないし実際どうなるかもわからないけど、アイドルやってくからにはライブとかだけじゃなくて、ライブでも喋る必要あるし、バラエティとかにも出るかもしれないし、トークとか、写真撮影とか、ファンとの交流とか、そういうのもあるだろうけど大丈夫そう?」


「……まぁ、正直やったことないことに関しては何も言えないですからね。とりあえずやってみてつまんなかったらもうやりたくないなーって感じになるんじゃないですかね」


「そういきゃいいけどね……じゃあさ、晃はなにかこう、アイドルやっていく上で目標とかはある?」


「目標、ではないですけど、全部イメージ通り一体化ってのは早くやりたいですね」


「……ごめん、もう少し詳しく」


「……こう、自分の体はイメージ通り動くじゃないですか。それを広げるんですよ。まずは三人でやって、それを広げってって、お客さんとか、会場全体、ライブ全部を自分の体に一体化させて、イメージ通り動かすっていう、そういうのです」


 ――言ってることは、なんとなくわかる。けれども、そういうことを平気で口にする人間がいるという事実がわからない。そもそも自分の体をイメージ通りに動かすこと自体が恐ろしく困難だ。それを三人で、という時点で奇跡に近い。それを更に広げて、会場全体、ライブそのものを、自分のイメージで。まさに完全掌握……


 ああ、そういうことか。奇跡以上と呼ばれるものを、実現したい。多分天才にとっては、それは奇跡でもなんでもなく、どこまでも自分の体の延長でしかないから。


「――すごい目標だね。私たちも大変だ」


 と安積も笑って言う。


「かもしれないですけどやりましょうよ。絶対面白いですよ」



 と五十沢も言う。面白い、ただそれだけ。どこまでも子供の情。天才の欲望は、ただひたすらに幼く純粋で、ただ好奇心それしかない。


 でもそれを失ってしまったら、私たちはここにいる意味がないかもしれない。


「――そうだね、絶対面白い。私もそこから見える景色に用があるから」


 と黒須野も言う。


「そうですか。なら丁度いいですね。真ちゃんもどうですか?」


「うん……正直、実際見てみないとわからないと思うけど、多分私も、見たいものの一つというか、一部は同じものだと思う」


「そうなの? ……そういえばなんだけど、差し支えなかったら真の理由も教えてもらえる? 正直晃よりなんでアイドルやってるのかわからないからさ」


「そんなに合わない?」


「合わないじゃないけど、なんでだろう、ってのはすごいあるかな。元々モデルやってたって話だし、まぁこれからも続けるみたいだけど、モデルはすごい納得って感じするからなんでそこにアイドルまでやろうと思ったのかなってのはすごくね」


「そっか……まぁ、正直私もアイドルとか別に興味なかったし、やろうとか、やりたいとか、そういうのも全然なかったかな。というかモデルも、芸能界自体だけど、興味なかったし」


「じゃあなおさらなんで」


「スカウトされたから。木ノ崎さんに」


「……なんかすごい口説かれ方でもされたの?」


「んー、どうだろうね」


 安積はそう言い、笑う。


「まぁ、しいて言うならタイミングかな。太陽が眩しかったからとか、そんな感じ」


「異邦人」かよ。てか「異邦人」ならそれ人殺すやつじゃん、と黒須野は思ったがさすがに口には出さなかった。いや、ていうか、それって……


「――もしかして、お母さん亡くなられたんですか……?」


「え? ――あぁ、違うよ、うん。ごめん、紛らわしかったか」


「あ、いえ、こっちこそ勝手に勘違いしてごめん……」


「ううん、いいよ。そっか、そういうふうにとられるっていうか、繋がることもあるんだね」


「いや、でも今のはこっちが深読みしすぎた感あるからね……好きだったりする? 『異邦人』」


「んー……一回読んだだけだけど、少しわかるからさ、ああいうの」


 とだけ安積は答えた。確かに、安積真という存在は、その美貌とオーラからどこにいたって否応なしに「異邦人」であるだろう。浮く。異なる。存在も、思考も、言葉も。それらはおそらく、行動にも繋がる。


 その孤独は、いかばかりのものか。


「とにかくさ、木ノ崎さんにスカウトされたから、入って、永盛さんと会って、まあ色々あって。モデルが向いてるからって指導受けて、仕事もらって、って感じ。だから別にモデルがやりたかったってわけでもないんだ。一応女優も目指してってことで演技の指導も受けてたし。アイドルっていうか、ダンスとかボーカルも、色々試してみたいかなって一応ね。何が役に立つかわからないし」


「そっか……でも、木ノ崎さんにこのユニット誘われた時やってみようって思ったのはどうして?」


「それも木ノ崎さんに誘われたから」


「――なんか恩でもあるの?」


「ははは、うん、まぁ、あるって言えばあるかな。それが理由じゃないけど」


 安積は笑って答える。


「色々あるけど、木ノ崎さんが誘うってことはさ、先が見えてるってことだから。じゃあそれ見てみたいなっていう、そういうのとかさ。あとは……プロデューサーっていうか、そういうの、絶対やらないって十年間やってなかったのに、それ覆してやるってことは、それだけの何かがあるってことだからね。そこに私もいるっていうから、ならやる以外ないかなって」


「……真って、前から木ノ崎さんのこと詳しかったりする?」


「前って?」


「スカウトされる前とか」


「それはないよ」


「だよね。普通スカウトとか知らないし……」


 木ノ崎がすごいことは、実績などを聞いているだけの黒須野でもよくわかる。けれども、だからといってそれだけでここまでの信頼を置くことはできない。自分も一応は「スカウト」されたし、その目や考え方に優れたものがあることもわかる。しかし、やはり、この信頼は何か違う気がする。


 別にマネージャーでもなんでもない。ただスカウトされたという、ほとんどその時だけの、僅かな時間で。その一瞬で、これほどまでの信頼を抱かせる。そう思わせる何かがある。だからこそ木ノ崎は優れた人材を何人もスカウトできる、そういうことなのだろうか……


「――その、プロデューサーとか絶対やらないみたいな話は、スカウトされた時に聞いたの?」


「うん、だったはず。誰か別の人がマネージャー担当するからみたいな話されて、木ノ崎さんはやらないのって聞いたら、自分はそういうのはやらないって。こういうのってスカウトした人がそのまま担当するイメージあったから」


「あーなるほど……真もさ、今実際こうやってアイドル始まって、なにか目標とかあったりする?」


「やっぱり、最初の動機としては木ノ崎さんに見えてるものが、多分すごいものだから、私も見たいっていうのはあるかな。実際五十沢さんと会ってすごいなぁって思ったし、三人集まって、何かか見れそうだなぁってのも感じてるから。なんか漠然としてるけど、でもそうやってった先に、理想に近いものがあればなって」


「理想って?」


「んー……わからないから理想かな」


 安積はそう言い、笑うのであった。


「そっか……なんか、長々ごめん。やっぱりお互いに動機とか、目標とかそういうの共有してたほうがいいと思ったし、なにより私が知りたかったからさ……でもさ、少なくとも三人ともライブで目指すものがあるっていうか、到達したいところがあるみたいな、そういうのわかったのは良かったんじゃない? そうすれば自ずと力を入れるべきとことか、逆にあんまり興味ないからこそ意識して対応しないといけない部分とかもわかるわけだし」


「そうかもね。多分私たちはそういうの気回んないし。十子ちゃんはアイドルのプロって感じだね」

「まぁ、やっぱ好きだから色々考えるし勉強もするからね……逆にこのユニットっていうかプロジェクトすごい特殊だと思うからこれでいいの? ってすごい不安な部分もあるし」


「そうなんだ。じゃあなおさら十子ちゃんいてくれて良かったね。そういうのも見えてたのかな、木ノ崎さん」


「どうだろ……でもある程度そういう人がいないとってのはあったのかもしれないからね、最後の一人だし。木ノ崎さん自体あんな感じだから」


「うん。でもやっぱり向いてるよ、十子ちゃん。私より十子ちゃんリーダーの方がいいよね」


「いや、でもやっぱりそれは違うよ。私はあくまで参謀とかだけど、リーダーって器じゃないし。これだけじゃなくてずっとそうだけどさ、いつもリーダーってよりは副リーダーとかで、そういうほうが性に合ってるし、なんだろう……リーダーってやっぱり先頭に立って引っ張るって感じだけど、私はどっちかって言ったら後ろからケツ引っ叩いて追い立てるって感じだから」


「はは、スパルタだ」


「いや、まあ実際には叩かないけどね。損な役回りって言えばそうだろうし、だから昔から結構嫌われやすかったけどね……土方歳三みたいなポジション?」


「ははは。うん、でも少しわかる。でもそれだと私近藤勇か。どうだろうね」


「私もあんまり詳しくないからなぁ。でも晃が沖田総司は間違いないね」


「うん、そうだね」


 二人はそう言って笑い合う。


「……よくわかんないんですけど私沖田総司やればいいんですか?」


 と五十沢が言う。


「やるって……てか話聞いてなかったの?」


「聞いてましたけど飽きたんでちゃんと聞いてなかったですね。話し終わったんなら練習しましょうよ」


「練習って、そういやなんかできるとか言ってたけど」


「そういう部屋あるんで。見せますよ」


 五十沢はそう言い、返事も聞かず立ち上がって足早に部屋を出た。


「いや、ちょっと待ってよ」


 慌てて二人も後を追う。部屋を出ると五十沢は地下へ続く階段を降りていた。ついて行くと、その先に地下室の扉があった。そしてその先に――その部屋があった。


 レッスン室、のようなもの。向かい側の壁は一面ガラス張り。床のフローリング。手前にはトレーニングマシンがいくつか。さらにはサンドバッグまで。ちょっとしたジムのような空間だ。


「すご……」


 黒須野は思わず声を漏らす。


「このスペースなら多分三人でも大丈夫だと思いますよ。曲もかけられるんで」


「……昔からここで練習を?」


「そうですね。最初はバレエがメインでしたけど。名残で手すりあります」


 五十沢がそう言って指差す先、壁際に手すりのようなものが連なっている。確かに、バレエの練習の映像などで見たことあるものであった。


 それにしても、根本的に環境が違う、と黒須野は思う。血だけではない。環境。最上のものへの距離。そんな中で幼い頃から毎日を過ごしてきた。そしてその潤沢な環境の中、一切妥協せず、休むことなくただひたすらに遊ぶようにあらゆるものを身につけてきた。


 最初から違うのだ。それを、初めて、自分の目で実感した。


「どうですか? 練習しません?」


「――練習は、私もしたい。けど今はその時じゃないと思う」


 と黒須野は答える。


「練習は明日も長い時間できるし、ここより環境が良いし舞台田さんもいる。そういう日の前日に疲労は溜めないほうがいいと思うし、ケガなんかしたらもってのほかだしね。それに練習なら、レッスンで三人集まる時にいつでもできるから。あくまで私の考えだけど」


「うん、私も同じかな。時間が限られてる分、一番いい環境でできる時に全部集中させたほうがいいと思うから」


 と安積も言う。


「そうですか? じゃあなにやるんですか?」


「一応、私に考えというか、提案があるんだけど」


 黒須野がそう言って軽く手を上げる。


「なに?」


「その、DVDを見る。ディフューズのライブの」





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