ギルドにて その3
午後になるとミトは再び受付に座っていた。
お昼を食べたこともあって強烈な眠気が襲う。
「ふわぁーーーあ。
あふ。」
大きなあくびをするとハッとなり周りを見渡しながら口をふさぐ。
周りの人はそんなのんびりとした午後は日常茶飯事と一切気にしてはいないようだった。
ミトは席を立ちあがると少し離れたところに歩いていき、コップにコーヒーを注いだ。
ふわっと香ばしい香りが辺り一面に充満する。
ミトはゆっくりと息を吸うと更にミルクとたっぷりのはちみつを入れた。
どうやら苦いのは苦手らしい。
そうして席に戻ると同時に目の前の扉が大きく開いた。
ミトが入口に目をやると2人の男女が入ってきた。
入ってきた2人はきょろきょろと辺りを見渡しているとミトと目が合う。
(見ない子たちね。。。)
ミトが軽く会釈をすると、片方の女の子の方が反応した。
ぱぁっと表情を変えもう1人の男の子の背中を押すようにして近づいてきた。
「こんにちわ。」
ミトは笑顔であいさつした。
「こんにちわ。」
女の子も笑顔で答えた。
「あなた達、この辺の子じゃないわよね?
何か頼まれごとかしら?」
ミトは笑顔を崩さず尋ねた。
子供がギルドに来るときは大抵親に何か頼まれるお使いの場合が多い。
それを踏まえての質問だったが返ってきた言葉は違うものだった。
「いいえ。
私達今旅の途中なんですけどちょっと探し物をしていまして。」
「あら、落とし物?
何を落としたのかしら?」
ミトの問いに女の子は男の子に目配せした。
すると男の子が女の子の代わりに話し出した。
「落とし物と言えば落とし物なんですけど・・。
実は手紙なんです。
もしかしたらここに届いているかもと思ってきたのですが。」
男の子の言葉を聞くとミトは手元にあるノートをパラパラとめくって調べるとこう告げた。
「ここ数日でそう言った届け出は来ていないわね。」
「そうですか・・・。」
男の子は少し残念そうに目を落とした。
その姿を見てミトは少し考えるとこう告げた。
「いつまで滞在予定なのかしら?」
「実はその手紙は大切なものでして。
見つかるまでは滞在する予定です。」
男の子がそう告げると、ミトはすぐに返事をした。
「ならとりあえず依頼を出して情報を集めましょう。
もしかしたら有益な情報が入るかもしれないし。」
「お願いしてもいいですか?」
男の子の言葉を聞くとミトはすぐに机の下から書類を取り出した。
「じゃ、これに記載をお願いします。
報奨金欄は記載しないでいいわよ。
金銭的価値のない手紙のようなものの場合はギルドが情報料と謝礼を出す決まりなの。」
男の子が記載を終えるとミトはその紙を受け取り内容を確認した。
「うん、大丈夫。
名前はシオン君、でいいかな?
連絡先は今泊まっている宿屋ね。
じゃぁこの内容でクエストボードに貼っておくわね。
情報が届いたら連絡しますね。」
「お願いします。
よかったね、しー君。」
後ろから顔を出して女の子が言った。
「お願いします。
手紙にはプロテクトがかかっているので簡単に処分などは出来ないはずです。
昼間は僕達も別の当てを探してみるつもりです。」
「わかったわ。
こちらでも街で雑務クエストをいつもやってくれる子供たちがいるから、何か情報がないか聞いてみるわね。」
そう言うとミトはそそくさとクエストボードに依頼を張り付けた。
それを見届けたシオンとシルファはお礼を言い、ギルドを後にしたのだった。




