エドシティ
「何?
しー君やっぱりママが恋しい?」
シルファはシオンを見て笑いながら横を歩いている。
無論、シルファも寂しいだろうがシオンと一緒に寂しがる事は決してしない。
むしろシオンをからかうことで寂しさを紛らわせているようにも見えた。
「ばっ・・・ばか。
別に僕は。」
「私が慰めてあげよっか?
しーたん!」
言ってすぐに駆け出すシルファ。
そんなシルファを見てシオンは笑いながら追い掛けた。
シオンの寂しさはいつもシルファが晴らしてくれる。
同時にシルファの寂しい時もシオンが必ず傍に居た。
2人はじゃれあいながらポータルに向かった。
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ポータルを抜けるとそこはエドシティ。
シオンの住んでいた村と同じサクラサクラ大陸にあるのにその繁栄は天と地ほどの差があった。
建物は木造平屋建てながらも綺麗に整列されており、住人の多くは着物を着ている。
表通りを歩く人々は皆が笑顔で歩いている。
まるで四方結界の一つが破壊されたことなど誰も知る由もなかった。
「佐渡島は結界の外にある島だけど、、、。
船とか出てるのかな???」
シルファが呟くと、シオンが周りを見渡しながら答えた。
「まずはここから青竜門を抜けて結界の外に出ないとな。
一応シンさんからの手紙を見せれば門から外には出られそうだけど・・・。」
「まずはこの街で船があるのか、もしくは船を出してくれる人がいるのか探した方がよさそうだね。」
シオンの言葉にシルファが阿吽の呼吸で答えた。
「ってことはまずは拠点となる泊まる場所の確保が先、、、か。」
シオンがそんな言葉を言った矢先、一筋の影がシオンとシルファの間に割って入った。
「!!」
シオンとシルファはほぼ同時に反応するも、その反応よりもわずかに早く影が2人の間に割って入り、そのまま駆け抜けていった。
シオンはその影を目で追ったが家と家の間に入ったのまでは確認できたが、今から追っても追いつけないと判断し、シルファに目をやった。
「シルファ、怪我はない???」
「うん。
私は大丈夫だけど。。。
シンさんからの手紙が・・・。」
懐を確認したシルファが呟いた。
「シルファのせいじゃないよ。
あれは誰にも回避できなかったさ。
あの手紙は盗んだ奴には無用のもののはずだけど、僕らにはあれがないと目的が達成できない。
それに・・・。」
「それに???」
シルファが聞き返す。
「シンさんから送られてきた手紙には魔法によってプロテクトがかかっている。
中身も読めないし、燃やしたりもできない。
それに盗んだ相手はおそらく同じようなことを何度もしている。
となればそこらに捨てればいずれ足がつくと考えるはず。
だから処分に困るはずだ。」
「ふむふむ。
ってことはまずはこの付近で同様のひったくり事件が起きてないか聞き取りからだね。」
「そうだな。
まずは宿を確保しよう。
その後、街の人に聞いてみよう。」
シオンの冷静過ぎる判断にシルファはつい言葉を漏らしてしまった。
「こんな時しー君ってとっても頼りになるんだけど、逆に冷静過ぎて逆に怖くなるよ。」
「まぁ、普段から魔法使えないから常に最悪のケースを想定するからね。」
シオンの言葉に納得はするものの、やっぱり腑に落ちないシルファなのであった。




