表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
上手な魔法の使い方  作者: 睦月
旅立ち
6/57

初めての魔獣

【ゲート】

 フェアリアード最高機関である十二子宮評議会(通称ゾディアック)が管理運営する多目的転送ポータル。

 世界の数十ヵ所にありポータル同士であれば何処へでも転移可能。

 なおゾディアック協力のもと作成された補助魔力機関が搭載されている為、

 移動に使用する魔力は最小限で済む。

 ただし使用料は若干高め。


【十二子宮評議会】

 4年に1度に選ばれる黄道十二魔導士によって

 フェアリアードの法律の公布、改正など、世界の調整、管理を目的とした議会。

村を出て暫く左右を田園に囲まれたひたすら長く続く一本道をのんびり歩いていた。

歩きながらシオンは母親から貰った七星の御剣手にかざしながら見ている。


「これが父さんの手掛かりになるみたいなんだ。」


「石もはまってないし、普通のナイフにしか見えないね。」


ナイフを覗き込みながらシルファは話す。


「でも父さんが研究してたくらいだからなぁ。

何かあるんだとは思うけど・・・。

それに材質は白金らしいし。」


シオンの一言に驚くシルファ。


「は、は、白金なの?

い、100グラムで、い、い、い、家一軒買えるくらいのレア金属だよね・・・」


アワアワしてるシルファを見るのはいつ見ても面白い。

のんびりとした旅の始まりを実感しながら歩いているとシオンは何かの気配を感じてシルファを制した。


「しっ。」


突然シオンに遮られシルファはオロオロしてる。

いつのまにか歩いていた田園を抜け、林の中に差し掛かっていた。

この林を抜ければゲートなのだが・・・。


じっと草むらの辺りを見つめるシオン。

沈黙に耐えられなくなったのかシルファが恐る恐る声を出した。


「ね、ねぇ。しーく・・・」


シルファが声を出した瞬間、道脇の茂みが動いた。


ガサッ


草むらから出て来たのは一匹の狼だった。



「魔獣か・・・。」


シオンはぼそりと呟く。


魔法はなにも人間だけが使えるわけではない。

魔法自体まだ全てが解明されておらず、人が知らない魔法も限りなくあるとされている。

そして獣の中にも魔法を使えるものがいる。

それらを総称して魔獣と呼ぶ。

ただし人間と違い複雑な事は出来ない為、使える魔法は限られていた。


「しー君、咆哮魔法来るよ。」


シオンの後ろで怯えながら服を掴むシルファ。

無理もない。

知識と魔力は高くてもシルファはまだ13才なのだ。


(勉強と実践は違うからな・・・僕がやるしかない!

一匹なら方向も読めるし出すタイミングも解るからコレで!)


シオンはナイフを握り締める。

その瞬間更なる気配を感じゾクリと身を震わせる。


「しまった・・・囲まれてる」


周りを囲む気配に気づいたときには既に遅かった。

シオン達は既に狼十数匹に囲まれていた。

【咆哮魔法】

 その名の通り叫び声が呪文の詠唱になる魔法。

 単純な詠唱ゆえに魔法は一つの属性のみで、魔力を前方に放出するだけの直線的なものである。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ