序章
【雷の魔法】
通常発動するのがかなり難しい上級魔法。
上級魔法とは複数の属性魔法を複合して発動する魔法。
その為、必要な属性に適性がないと使用できない。
また雷魔法は二種類の系統に分かれる。
一つは水と風の魔法を複合し、氷の魔法にした後、更に風の魔法を複合すると出来る。
通常は稲妻と呼ばれる魔法。
青色に帯びている。
もう一つは火と風の魔法を使い練り上げた魔法球に更に風を複合させる魔法。
一般的にはプラズマと呼ばれる。
赤色に帯びている。
「もうじきだ。
ようやく俺の夢が実現する。」
「貴方・・・この子達の為にも無理はしないで。」
女は大きくなったお腹に手を当て、不安げに男を見つめていた。
「だからこそだ。
この子達の為にも今、頑張りたいんだ。」
男は決意の眼をみると女はその決意が決して揺るがないことを悟る。
だがそれでも女の不安はぬぐえなかった。
「でも・・・・・・。」
「でも、どうした?」
暫くの沈黙の後、男は声を出した。
「もし・・・・俺が道を踏み外したら・・・・。」
「その時は迷う事なく、俺を殺してくれ。」
「そんな・・・私には。」
「約束だ!!」
2人は黙ってしまい再び沈黙が流れる。
「大丈夫。
道を踏み外すつもりはないさ。」
「ええ・・・そうね・・・。」
女は後ろからそっと男の背中に寄り添ったのだった。