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上手な魔法の使い方  作者: 睦月
朱雀島
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久方ぶりの連絡

1週間経ち2月に入ったころ、ようやくシルファの携帯に一通のメールが届いた。


【久しぶりですね、シンです。

七星の1つと思われる情報が手に入りました。

場所は玄武洞の近くにあるアルジュリア城。

城主が15年前にサファイアがはめられたティアラをとある商人から手に入れたらしいです。

真偽は確認しておりませんが今はそれ以上情報もありません。

まずは行ってみる価値はあるでしょう。

また何かありましたら連絡します。


シン・キサラギ】


「来たようじゃな。

アルジュリア城ならゲートで城下町迄はすぐに跳べるはずじゃ。」


ライオは後ろから画面を覗き込んで言った。


その翌日、シオンとシルファは出発の準備をしていた。


「いよいよじゃな。

向こうはこことは日にならんくらい寒い。

気をつけるのじゃぞ。

それからシオンこれは餞別じゃ。」


ライオは一振りの刀をシオンに渡した。


「これは・・・?」


「それはコテツ。

極東のヤマトで打たれた業物じゃ。

今のお主なら使いこなせるじゃろ。」


「良いんですか?」


シオンはコテツを抜いて光に当てた。

光に反射して刀身が怪しくも美しく光を放っている。


「わしにはこの拳があれば充分じゃ。」


そりゃそうだ。

シオンは妙に納得した。


「それからシルファ。

一週間では炎の鍛練しか出来なかったが、魔力を練り上げるコツは身体に覚えたはずじゃ。

お主ならそのまま旅の最中も鍛錬を続ければまだまだ伸びる。

上手く活用するのじゃぞ?」


「はいっ。どうもありがとうございました。」


シルファの素直な笑顔に若干渋い顔でライオは答える。


「残念じゃがシルファには餞別はないのじゃ。

だが一つ良い事を教えてやろう。

炎は純度を上げると白くなっていく。

だがもし、黒い炎を操る奴が居たら必ず逃げろ。」


「必ず・・・逃げろ・・・?」


その言葉が何を意味しているか分からないシルファは首を傾げた。


「あれは禁呪で魔界から召喚した炎じゃ。

いいな、必ずじゃ。

まぁ操る術者はほとんど居ない筈じゃがの。」


ライオは名残惜しそうに二人の頭を撫でた。


「じゃあそろそろ行きます。

鍛えてくれてありがとう、ライオ。」


「湿っぽいのは嫌いじゃ。

とっとと行ってしまえ。」


ライオはぶっきらぼうにそう告げた。


「全てが終わったら又来ます。」


シオンとシルファはそう言い残しボートに乗った。


「気をつけるのじゃぞ。」


ボソッと呟いたライオの言葉はしっかりと二人まで届いた。





ライオはシオン達のボートが見えなくなる迄ずっと見ていたのだった。

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