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上手な魔法の使い方  作者: 睦月
朱雀島
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来訪者

「まったく、お主の何でも一人で背負い込もうとする所はアルにそっくりじゃのぉ。」


溜息を付きながらその場に座り込むライオの言葉にシオンは振り返った。


「父さんを知ってるんですか?」


「あぁアルとエルとわしはシンの弟子じゃ。

そういえばアルも魔法剣士じゃったの。」


「パパも知ってるんですね。」


ゆっくりと起き上がりライオの方を向くシルファ。


「あれ?そういえばライオさんって獅子座でしたよね?

確か父さんも・・・。」


シオンの呟きにライオは答える。


「あぁ。アルの後獅子座になったのじゃ。

まぁアルが獅子座だった時はわしは牡牛座だったがのぉ。」


「選ばれるのに法則性はないんですか?」


シルファの問いに顔をしかめながら答える。


「よく解らんのぉ。

選ぶのはわしではないしの。」


ライオは見た通り脳筋である。

そんなライオでも黄道十二魔導士になれたのだ。

よほど彼自身の魔力、戦闘力はずば抜けていたのだろうとシオンとシルファは妙に納得していた。


「さて昼飯にしようかの。

シオンとシルファは昨日と同じ様に魚を釣って来てくれ。」


ライオがそう告げた時、突如激しい音が天空を切り裂いた。

遥か頭上で激しい炸裂音が響く。

シオンとシルファは思わず天を見上げた。


「どうしたの・・・。」


驚いている二人にライオは平然と話す。


「久しぶりじゃのぉ。

ここは四方結界の一つじゃから、たまに来るんじゃ。」


「来るって・・・何が?」


シオンはライオに尋ねる。


「まぁ見てればわかる。

シオンもシルファも疲れてるだろうが見ておけ。

闘いの仕方というものを見せてやろう。」


ライオは指をゴキゴキ鳴らし、肩を回し身体をほぐしながら上を見た。


「ふむ・・・今日は少ないのぉ。」


見上げた空には10匹程度の大きな鳥とも見える魔獣が羽ばたいていた。


「さて、いくぞ。

うおりぃやぁーー。」


ライオは手の中に炎の球を作ると勢いよく空に投げ付けた。


「なぁシルファ、あれって投げれるの?」


「普通は投げれないと思う・・・。」


2人が呆然と見ている中、常識破りのライオの行動はまだ終わりでは無かった。


「おっしゃー。」


掛け声と共に何もない空中を駆け上がり、魔獣の咆哮魔法の閃光を巧みに交わしながら魔獣を叩き落とし始めた。


「シルファさん?

あれは・・・どうやって?」


「多分・・・風の障壁を階段代わりに駆け上がったんだと・・・思う?」


信じられないと言う顔で呆然と見てる二人をよそに、ライオは最後の魔獣を叩き落としていた。


ズシャッ


砂浜の上に着地したライオはまだ拳に魔力を込めたままであった。


「そこに居るんじゃろ?

出て来たらどうじゃ?」


海の方を向き叫んだライオの声と共に、海がゆっくりと盛り上がり全身白いマントに包まれた男が出て来た。

ライオはその姿をゆっくりと見届けながら静かに告げた。


「名前を名乗る必要は無い。

お主はこの場で倒されるのじゃからな。」


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