残されたメモ
【エルフレアと旅をしている時、我々は見付けてしまった。
この世界の根幹を揺るがす力を。
その名も七星の御剣と言うらしい。
調べたところ古代文献の中には剣だけでは無く様々な形で顕現しているようだ。
現状確認できるだけでも杖、爪、弓、鎚、鎌・・・これだけあるようだ。
そして確認した文献によれば、その全ての時代において例外無く世界は消滅の危機に陥っている。
逆に言えば世界が消滅の危機に陥った時に顕現するのだろうか。
俺とエルフレアで話した結果、我々はこの剣を封印することにした。
もしこの剣が世界の危機をもたらすのであればこの手段は正解と言える。
だが、世界の危機にこの剣が現れたのだとしたら・・・。
その時はこの世界を救うものに託すしかない。
この剣を破壊、もしくは悪用するものに渡すわけにはいかないのだ。
だが一概に封印と言っても上手くいかない。
それだけ強大な力を封印するためには同等の強大な力が必要なのである。
あまりに強大な力の封印を前に我々の魔力だけでは力が足りない。
このままではいづれこの力の存在に気付くものが現れる。
まだこの剣の存在に気付かれてはならない。
そして我々ははある一つの結論にたどり着いた。
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【その方法とは・・・
俺の子供を使った封印魔法だ。
現在妻の胎内には俺の子供が宿っている。
そしてその封印魔法はその胎内の子供を触媒に行う。
この封印魔法を使えば、少なくとも七星の御剣の力は封印出来るはずだ。
だがこんな方法は人道的には世間に許されてはいない。
つまり禁呪とされている方法なのだ。
禁呪なので当然リスクもある。
産まれてくる子供は魔力を全て封印に使い続ける為、魔法が一切使えなくなる。
我が子に不自由をさせてしまうのは心が痛む。
だがこれから産まれてくるであろう沢山の子供の未来の為に、俺は封印を選んだ。
そして万が一の為にエルフレアの子供まで巻き添えにしてしまった。
本当にこの選択肢しかなかったのだろうか。
幸いにして封印魔法は何とか成功した。
そして俺はその後、妻とエルフレア夫婦の記憶を消した。
すまない、エルフレア。
そして産まれてくる我が子とエルフレアの子供よ。
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