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上手な魔法の使い方  作者: 睦月
七星の御剣
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七星のフォルダ

『オハヨウゴザイマス。シン。』


どこからともなく声が聞こえるがその声の主は見えない。


「おはよう睦月。機嫌は如何かな?」


シンは見えないその声の主に語り掛けた。


『ワルクアリマセン。ソチラノカタタチハ?』


「紹介しよう。シオンとシルファ。私の古い友人の子供達です。」


シンの言葉にしばしの沈黙がその場を覆いつくした。


『デハアノカタノ・・・?』


「いや、違うよ。」


2人はシオンとシルファをよそに会話を続けていた。


「あ、あの~。」


一向に見せない姿に痺れを切らし、二人が話してるのを遮るように、シルファが口を挟んだ。


「あぁ紹介がまだでしたね。

彼女は睦月。

この世界図書館を管理しているモノです。」


シンから紹介はされたが2人から睦月の姿は全く見えない。


「それで睦月さんは何処に居るんですか?」


シオンはシンに問い掛けた。


「あぁ睦月は目の前に居るでしょう?」


目の前には誰も居ない。

戸惑う二人にシンが言葉を続ける。


「睦月はこの世界図書館を管理、統率するスーパーコンピュータです。

つまりはこの部屋、いえ図書館全体が睦月なのです。」


「えっ?でもキサラギさん彼女って・・・。」


驚きながら話すシルファにシンが説明する。


「彼女の人格は女性なんですよ。」


『ハジメマシテ、シオン、シルファ。』


再び何も無い所から声が聞こえて来る。

無機物のような声色もシンの説明後だとなんとなく女性っぽさが見えてくる。

見えない相手に戸惑いながらシオンは返事をする。


「こ、こんにちは。」


シオンのたどたどしい挨拶もそぞろにシンは言葉を続けた。


「早速だが《七星》のフォルダを見せてくれるかい?」


『シチセイニハプロテクトガカカッテイルハズデスガ・・・』


「だからここに来たんです。

プロテクトはここでしか解除出来ませんから。」


静かにシンが答える。

その声を聞き睦月はもう一度問う。


『ホントウニヨロシイノデスネ?』


「あぁお願いするよ。」


シンの声で3人の目の前に巨大なホログラムモニターが現れた。


【七星・・・

リバイアサンサファイア、サラマンダールビー、シルフィードエメラルド、ノームトパーズ、アルテミスムーンストーン、ミカエルダイヤモンド、ルシフェルブラックダイヤ 、から成る七つの宝石。

白金の刀身からなる剣にその全ての宝石ををはめはめた時、世界を征する力を得る。】


「えっ???これだけ?」


シルファは呟いた。


「世界を・・・これは危険な力なんじゃないですか?」


シンの方を向くシオン。


「でもアルタイド君の手掛かりがない以上は、集めるのが近道になるのは事実です。

それに一つ目は既に手の中にある。」


シンはシオン達が取って来たルビーを出した。


「これがサラマンダールビーです。」


「これが・・・サラマンダールビー??」


シオンはそっと触れてみる。

改めてその石を見てみると、普通のルビーより妖しく光り輝いている感じがする。


「さぁ、はめてみて下さい。」


シンの言葉と共にルビーを受け取るとシオンは七星の御剣にはめた。



カチッ




ルビーは剣にピタリとはまる。

一瞬剣が光ったがその光はすぐに消えた。


「それで他の宝石は・・・?」


「まだ現在行方は掴めて居ません。」


シンの声を遮るように睦月の声が響く。


『シン、ウラシチセイノフォルダガアルヨウデス。』


「裏七星?先月調べた時はそんなフォルダ無かったはずですが。」


『シチセイヲアケルコトニヨッテシュツゲンスルヨウセッテイサレテイタヨウデス。』


「それでそのデータを作成したのはいつで誰ですか?」


シンは静かに尋ねた。


『キロクニヨルトジュウロクネンマエ、

サクセイシャハ、アルタイド・ハートウィンドトナッテマス。』


「父さんが。」


驚いた顔でシオンは目を見開いた。


「睦月のシステムアップロードの時に隠したようですね。開ける事は出来ますか?」


『モンダイアリマセン。ヒラキマス。』


睦月が告げると目の前に新たなホログラムウィンドウが開かれたのだった。

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