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貴族令嬢に一目惚れしたので、豚貴族に嫁ぐ前に全力で寝取ります  作者: キエツ ナゴム
リブロニア領最強武人トーナメント大会 編
19/29

第19話 若輩の挑戦者

 徐々に前に並んでいた人達が、受付を終え、ようやく最前列が見えた。


「ん? どういうことだ?」


 よく見ると、受付を追えたであろう人が一人、また一人と隣の道場に連れていかれている。

 

「す、すいません。あの受付の人たち、なんで入って行ってるかわかります?」

「!? あ、あぁ。俺もあんまりわからないんです。ごめんなさい」


 後ろから、金髪の少年に話掛けられ、驚いてしまう。


「そ、そうですよね。僕もよくわからなくて焦ってたんですけど、皆同じなんですね。良かったぁ。僕の見落としじゃなくて」

「少なくともあのチラシには書いていませんでしたね。一体、何が起こっているのやら……」

「まぁ、行ってみないとわからないってことですね」

「そうですね……。あなたも、これの参加者で? かなりお若い歳だとお見受けしますが……」


 見たところこの少年の歳は16~18くらいだ。周りの人間と見比べてもかなり若い部類だろう。


「そうですね……僕も少し驚いてるくらいです。でも、お兄さんみたいに近い歳の人もいるみたいで安心しましたよ。え? 合ってますよね?」

「あ、あぁ。俺はちょうど20ですけど」

「え? 僕よりも3つも上ですね……。見えないです」

「童顔とはよく言われますよ……ハハッ」

「あ、いやいやいや。そうじゃなくて、雰囲気が僕らの感覚に似ていたので、もっと近いのかとおもっただけですよ。失礼だったなら謝ります、ごめんなさい」

「いえいえ、そんな、頭まで下げなくてもいいですよ」

「そう言っていただけると助かりますよ。あと、敬語は使わなくて大丈夫ですよ。僕、3つも下なんですから」

「……そうか? じゃあ、タメでいかせてもらおうかな。でも、どうしてこんな危険な大会に? あのチラシは読んだんだよね?」

「あぁ、あの注意書きのことですよね。まぁ、国じゃなく、1公爵家の開いた大会なのでこういうものもあるのかと。丁度帰省でこの地に戻ってきたので、参加してもいいかなと」

「い、いや、そういうことじゃなくて! わかってる? ここにいるのは、俺含めて死を厭わないくらいには覚悟を決めてきてる人か、ちゃんとチラシを見れてないうっかり者だけなんだよ?」

「ははは。大丈夫ですよ。僕もそれなりに腕には自信がありますから。まぁ、僕が欲しいのは、賞金でも副賞でもなく、実績なんで、そこは違うかもしれませんけど」

「実績?」

「えぇ……といっても、公的なものじゃなくて、自己満足なんですけどね。隊長の隣に立つには、こういう場で自信と実力をつけないとって思っただけです。僕にはそれが足りないから」


彼はにこにこはしているが、目に真剣さが映っている。

 どうやらきちんと、覚悟は決めてきているらしい。


「そうか……。でも、隊長ってことは、どこかの騎士団の所属ってこと?」

「あ、名乗りが遅れていましたね。騎士なのにお恥ずかしい。僕は、国家騎士団所属、リオ・ブレイヴです。あ、国家騎士ってことは、あまり話さないでくださいね? 今の期間は非番ですので。で、あなたは?」

「……そ、そうだな。折角、フルネームで名乗ってくれたんだ。俺も名乗ろう。俺は、ルーティ・ローディア。でも、君と同じで苗字はあんまり広めないで欲しいかな」


 リオ・ブレイヴ……聞いたことがあるような気がしたが、気のせいか?


「はい! 二人の秘密ってことですね!」

「おう。あんまり、男からそう言う言葉は聞きたくないけど――

「はい! 次の方、お越しください!」


 受付の女性の高い声が会話を遮る。

 どうやら、話しているうちに順番が来てしまったようだ。


「じゃあ、行ってくる。君も頑張れよ」

「はい!」


 その返事を聞き、多少の安心感を抱えて、受付に取り掛かる。


「では、まず名前と職業をお書きください」

「苗字も書かないといけませんかね?」

「そうですね……。一応、前科の確認の為の情報ですからね。でも、まぁ、そちらの情報は、こちらでの管理にしか使用しないものですので、ご安心ください。リブロニア家が責任を持って取り扱わせていただきます」

「そ、そうですか」


 まぁ、公爵の名前を持って管理するなら大丈夫だろう。


「はい。バトラーのルーティ・ローディアさんですね。では、準備体操の上、右の道場にお入りください」

「えと……何をする為でしょうか? 広告には書かれていませんでしたよね?」

「あぁ……申し訳ございません。人数が想定以上だったもので、参加者には選定を受けてもらうことになったんですよ。でも、安心してください。この場にやってくる人にとってはそこまで厳しい条件ではない筈です。詳しくは中でお聞きください」


 公爵家が公式に行うにしてはなかなかに御怱怱なやり方だが、本当に想定外の人数だったのだろう。


「わかりました」


 大人しく指示に従い、道場に向かう。

 その背中には、


「え!? 17歳!? 本当に参加しても大丈夫ですか?」


 という、受付嬢の声が聞こえてきた。


「頑張れよ、少年」


 俺は、精一杯に格好つけたセリフを置いて、道場に入って行った。

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