異世界転生をした者が記憶を引き継げる点についての考察
あくまでも、ただの考察を楽しむためだけの文章ですので、そんな所まで設定していない作品は糞だとか、そう言う話ではないということをご理解いただけると助かります。
タイトル通りの話だが、ふと気になったことなのでエッセイにして考察することにした。
現代科学において、記憶とは脳でしている部分である。なんて言うのは言うまでもない話だし、まぁ大抵の物語においても、記憶の話はたいてい脳の話として描かれる。
小難しい専門的な話は置いておくが、脳が知らないことは当然知らないのだ。
で、ここで問題になるのは異世界転生という奴である。
先に異世界転生そのものの話として、たまに異世界転生と言っておきながら、どう考えてもただ転移しているだけのパターンだったり、何故か生まれるの過程を省いて誕生している奴がいたりするが、今回は例外とする。
また当然のことだが、ちゃんとした理屈付けをしている作品は、その理屈に従うべきだろう。その世界ではそうなのだから、そこを考察してもその作品との矛盾が生まれるだけなのだから。
至極当たり前の話だが、異世界転生ではオカルト的な話で言う所の魂はさておき、それ以外の肉体はほぼ間違いなく異世界産の物質で構成されているはずだ。
脳ももちろんその一つとして。
その世界の生きる命として生まれているのだから、それはまあ当たり前の話であり、ここに異論があるものはほとんどいないだろう。
だからこそ、何かがおかしいことに気が付くのではなかろうか。
なぜ前世の記憶を持っているのか? という点だ。
記憶は脳細胞が担当している部分であり、異世界転生者の脳細胞は生まれた瞬間から100%異世界産のはずである。
当然のことだが、記憶を細胞に刻み付けるタイミングなどありはしない。
であるからには、転生し新たな命となる過程で、明らかに本来の誕生とは異なる何かが生じているのである。
ここで、魂が入ったからというのは、一旦答えとして置いておきたい。
というのも、魂が入っていても脳への障害などで記憶を失うことは普通にあるからだ。魂が記憶を保証するという訳ではない。
敢えて魂を記憶と繋げるのであれば、魂と脳がそろって記憶となるという方がそれらしい感じか。
ここまで来ると、異世界転生の前世の記憶を保持している理由について、神だ超自然の力が何らかの介入をしているが故の現象と考えるのが正当なところだろうか。
となると、この場合どのような介入が行われているのかというのが問題となる。
転生特典だなんだで、特殊能力が使えるだといった話はあるが、それはそう言う風に生きる命という訳で解釈ができる。鳥が空を飛べるように生まれてくるのと同じような話だと考えれば、まぁおかしな話ではない。
となると、生まれてくるタイミングで、まるで機械にソフトをインストールするように、記憶をインストールしているという可能性にたどり着く。生まれながら記憶を持っているのではなく、生まれた後に記憶を外部から刻み付けているという話だ。
そんなことができるのか? と問われれば、神様だからできるんだろう、多分。としか言いようがない。少なくとも私が辿り着いた回答はこれなんだから仕方がない。
そしてこの仮説通りに転生しているのだとしたら、一つ考えなければならない問題が出てくる。
異世界転生したと思っている当人は、本当に異世界転生しているのかという話だ。
転生特典はある、記憶も真だとする。だが、それが転生前の当人と=かと言えば話は別だ。異世界転生したという記憶だけ植え付けられている可能性はないだろうか。
例えばだ、あなたの友人が唐突に、赤の他人の記憶を植え付けられたと仮定する。そして今までの記憶は無かったことにされたとしよう。
その友人を、あなたは友人だと胸を張って言えるだろうか?
その人がその人である証明とは何であろうか、記憶があれば当人なのか、それとも別の何かが基準なのだろうか。
と、考えれば考えるほどに闇が深い話につながりそうで恐ろしくなってきた。
自分が赤の他人だと思い込んでいるとか、ちょっと悪趣味にもほどがある案件だ。
多分そんなヤバい案件が事実だった、とかいう作品はほとんどないとは思う。ちょっと私の考え過ぎだったと思いたい。
皆さんは、どのような理屈で記憶が持ち越されていると考えるだろうか? 必ず何らかの理屈はあるはずだ、一度考えてみてみるのも面白いかもしれない。
よければ感想欄なんかに書いてみて、私にも教えてくれるとありがたい。ちょっといろんな考え方を吸収したいとか、そう言う欲求もあるわけだ。
こんな理屈があるのではないだろうか?こんな方法でこうなっているのではないだろうか?と思いついた方なんかは、結構まじめに感想欄で書いてくれると嬉しいです。