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罪人島  作者: 木邑 浩二
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三度目の出会い

 太陽が真上に輝き、恵みの光が地上に降り注いでいる。

捕獲対象者、栗栖瑠璃は、またまた走っていた。

今度は見知らぬ男達に追いかけられている。


(今度は何なの?リュックが目当てじゃないみたいだけど)


追われている理由がさっぱり分からない瑠璃だったが、捕まりたくはないので、ひたすら逃げ続けるしかないのだが、そろそろ体力の限界を感じ始めていた。

ふと、視界に廃墟と化した校舎が見えたので、とりあえずそこに逃げ込むことにする。

息を切らしながら校舎に入ると、二段飛ばしで階段を駆け上がり、三階には行かず、二階へと走り込み、適当な教室に逃げ込むと、足元にあった障害物に気づかず、盛大に頭からこけた。


「~~~っっ!!」


あまりの痛さに叫びそうになったが、何とか、何とか堪えた。

瑠璃は額を押さえながら、涙目の瞳と恨めしい気持ちで、躓いた物へと目を向ける。

そこには・・・・・・・人がいた。


「・・・・・・・あ」


恐る恐る近づいてみると、【罪人島】に来て二度出会った少年だった。


(・・・寝てる?)


少年にとっても結構な衝撃だったと思うのだが、起きる気配がない。更に顔を覗いて見ると赤く、息遣いも荒い。身体に触れてみると――――――


「熱い!」


少年の額に手を置き確認すると、熱があるのは間違いなかった。


「風邪?それとも別の病気?・・・・・えーと、どうしよう」


逡巡していると、男達の足音がどんどん近づいて来るのが分かる。

瑠璃は少年の手をしっかりと握ると、意識のない彼にハッキリと告げた。


「すぐに戻ってくるから!」


廊下に勢いよく飛び出すと、瑠璃は再び走り始めた。

その音を聞いた男達との鬼ごっこが再開されたが、数十分後、何とか鬼を追い払うことができた瑠璃だった。

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