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002「はじまりの朝」

[初心(敗北)表明]

※この作品は設定がザルな為、毎日更新は期待してはならない

※この作品は設定がザルな為、各話で大幅修正不可避と覚悟して臨みましょう




 カン、カンカンカン、カカカカカカン!!!!!


「⋯⋯むにゃ。な⋯⋯んだ? うっせーな⋯⋯て、あれ? ここどこ?」


 目を開けると『知らない天井』がそこにあった。


 ていうか木造? ここはどこだ?⋯⋯て、ああ、そうか。


 俺は新しい世界で『トーヤ・リンデンバーグ』という子供に生まれ変わったんだっけ?


 窓の外を見ると、妹と父親が剣の稽古をしていた。


「いかにもファンタジー世界、て感じだな」


 目が覚めた俺はベッドから上体だけを起こし、これまでの経緯をいろいろと整理した。


 俺の名は烏丸当夜(からすまとうや)。昨日まで地球に住んでいた日本人で電車に轢かれて死んであの世に行ったら神様を名乗るくそじじいに(そそのか)され異世界の子供に転生しました。


 これまでの経緯が『ラノベタイトル』くらいの長さであっけなく説明できた。


「ていうか、トーヤって名前⋯⋯偶然か?」


 俺が転生した子供の名前は『トーヤ・リンデンバーグ』。『当夜=トーヤ』で名前が同じだった。まあ、神様クソじじいからは特に説明はなかったので単なる偶然なのだろう。それよりも、


「我ながら今でも信じられんな」


 窓ガラスに映る自分を見ると、そこには小学生の高学年くらいの金髪の男の子の顔があった。可愛らしい顔立ちで誰にでも好かれそうな好感の持てる男の子だ。


「前(前世)の自分よりも整った顔してるな。よし、これで少し希望が持てた!」


 この世界で俺は『リア充上等。恋愛ファンタジーの主人公に俺はなる!』という『至上の命題』を掲げている。それにはまず『基本スペック』はとても重要であり、とりわけ『顔』は一番大事なパーツである。しかし、こうして見てみるとこの子はハンサムとはいかないにしても以前の自分よりも顔は整っていると思う。だからモテる可能性は大いにあるんじゃないだろうか。ということでこの最大のハードルはクリアだ。


「よかった。よかった。とりあえず滑り出しは順調⋯⋯と。おっとそうだ。今度は自分の状況についても知る必要があるな」


 ということで、俺はこの『トーヤ・リンデンバーグ』の記憶を探ろうと思考した⋯⋯その瞬間、頭の中に『声』が響いた。


「な、なんだ?!」

『よっ! お前さん』

「神様クソじじい!」

『なんじゃ? 転生したばかりなのにもう心が荒んだかのぉ?』


 声はあの世で話した『神様クソじじい』だった。


「で、何の用だよ?」

『うむ。初回特典じゃ』

「初回特典?」

『通常の転生だと能力は基本スペックからのスタートなのでこのような説明をする必要はないのじゃが、お前さんの場合、最初から『能力がある状態』で転生したからの。こういうときに備わっている説明機能じゃ』

「ふーん。神様も暇だな」

『やかましいわ。さて、さっきも言ったがお前さんの場合、能力がある状態で転生したのでひとつ気をつけて欲しいことがある。それは『魔術の使用には用法用量を守って正しくお使いください』ということじゃ』

「どゆこと? お薬処方した?」


 なんだろう。なんだかすごく嫌な予感がする。


『な〜に、別に大したことはないぞ? 魔術を使うときの魔力量に注意するだけでいいのじゃから』

「うん? それってどういう⋯⋯?」

「お前さんの魔力量をそのままフルで『ぶっ放(ぶっぱ)』するとこの星が⋯⋯おっと、誰か来たようだ、プツン!」

「え? お、おい! おい、神様! 神様クソじじいっ! おいこらぁぁぁーーーー!!!!!!!!」


 あのクソじじい、不穏な言葉だけ残して会話を切りやがった。


 ていうか、クソじじい⋯⋯ちょっと楽しんでないか?


 とりあえず神様クソじじいのわずかな情報だと『魔術を使うときは注意しろ』と『魔力量がどうのこうの』だったな⋯⋯わかんねえよ! 


「うーむ⋯⋯そもそも魔術だの魔力だのよくわからんし、どうやって使ったらいいのかさえもわからないんだから、今は気にしてもしょうがないな」


 その時の俺は、神様クソじじいの言葉の『重要性』に気づかないでいた。


 そして、それは後に大きな後悔へとつながるのだがそれはもう少し先の話。


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