はやすぎるうどん屋
人気だといううどん屋さんに来てみたが、行列が出来ていることもなく、普通の様子だ。
大人気というのだから、もっと駐車場も埋まっていて、店内を見てもパンパンのイメージがあった。
でも、駐車場は半分も埋まってなくて、外に待っている人なんて一人もいなかった。
恐る恐る快適な気温の屋外から、お店に入ろうとしたとき、入り口の向こう側に人影が表れた。
開けるともう、かけうどんが乗ったトレイ片手の店員が立っていた。
「当店はメニューがひとつですので、はやく提供が出来るんですよね。こちら、かけうどんです」
全てが繋がった、そんな気がした。
「300円を先にいただきます」
100円玉を3つ渡して、麺を勢いよくすすった。
気のせいか、他の店よりスムーズに、はやくすすれているような気がしてきた。