驚きは追い打ちをかける
コンビニで缶コーヒーだけ買ってコンビニの駐輪所で伸太朗と今日のくだらない予定について話していた。
「いまから碧斗ん家に行くのか、結構距離あるな。」
伸太朗は少し眉間に皺をよせ俺にしかめっ面を見せた。
「でもどうせ下校ルートやしかんけいないやろ。」
「今日は塾行って高校合格パーティーやから松原駅の方行くから逆方向な。」
「知らなすぎるの翁」
下校途中の学生が行き交う中にくだらない話をしている学生がここまで愚かで間抜けなのだと今日お見知った。
そうしてまた自転車に乗り重い五速のギアに落としペダルを踏みしめ碧斗の家へと向かった。
碧斗の家は思いのほかきれいで、周りの家を見渡しても明らかに一軒だけ頭が飛び出て思わず声が漏れた。
「でけぇな。」
「でっか~」
この門を目の前にしていつも通り関西弁を話す伸太朗はすごい気がした。
「いらっしゃい!!」
この家の主とは思えないテンションで門を開けて飛び出してきた。
「どうぞどうぞ、中に入って。」
「”おじゃましまぁす”」
伸太朗だけ明らかに気合の入り方が違う、しいて言うならマルフォイがグリフィンドールに入った時に逆上したときのような奇声に聞こえた。
「外から見ても広いが中からでも、相当広いな。」
柄にもなく思わずこの広さに感激した。ぐ、グリフィンドール!!
そんなことを思っていると碧斗が振りかえってバスケットボールしたの床下から取り出した。
「今日はさゲームじゃなくてバスケしようよ。」
「やるにしてもどこでするんだ?」
碧斗は窓の外を指さして言った。
「うち外にコートあるんだ。」
驚きを隠そうにも隠せないほどに驚かされた、今までに家にコートを持ってる家庭があっただろうか、
麦わら帽子の青年と目に傷のある黒の帽子とゴーグルをつけた兄との再会くらい驚いた。
「お前すげぇな。」
思わず言葉を口からこぼした。
そのまま流れに任せてトーナメント式の1on1をすることになった。
「最初は俺と伸太朗だな。」
「悪いが俺は中学は大阪一位になったぞ。」
「お前幽霊部員だったやろ。」
適切な突込みが心に刺さる、俺はクッキングアイドルマ〇ンちゃんのようになれないらしい。
ハッピハッピハッピー!!
「ジャンボージャンボー!!」
「身長高いからってあんまイキんなよ笑」