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スタートラインにも立っておりません。
シャーペンが心地よいリズムでノートの上に文字を綴っていく。良問は軽快に、難問は荘重ではありつつもできる限りの問題を解いていく、難問を自力で解いた時の達成感が颯汰は好きだった。
高校入学早々のテストを難なく解き進め、五教科全てが終わるころは二時頃だった。
筆箱にシャーペンと消しゴム、ものさしをしまっている最中に能天気な声が聞こえた。
「帰ったらモ〇ハンしようぜ。」
教室一帯に響き渡る声量で伸太朗が叫んだ、まわりのクラスメイトになるみんなが恐れおののいていたので叫んでいたというより吠えて威嚇したようにも正直見えた。
「今日は無理やは、碧斗たちとP〇BGするから。」
「そうなんか、大記もおるんやろ?俺も行くわ。」
そう言って楽しそうに鞄を持ち駐輪所にまで向かった。
「帰り道コンビニよりたいから農道のほうから帰ろか。」
伸太朗はうなずいて農道のでこぼこした道を二人で話しながら自転車に乗りコンビニへと向かった。