嫌々ながら、異世界へ。
ー頑張ってね。じゃないのよ!
「なんだよ今何時だと思ってるんだよ。僕は明日も学校あるんだから寝かせろよ。ただでさえ訳わかんないこと起こってんだから。僕だって疲れてんだから」
ー違和感の正体を教えてあげるって言ったら?
「教えろ 」
ーどうしてそんな上からものを頼むことができるのかしら...?
「いいから教えろ」
ー分かったわよ!もう、生意気な人間ね〜。
「うるさい」
ー...。あなた、頭悪いでしょ?
「は?なんだ急に」
ーいや、なんでもないわ。
「ふざけんな。そんな回答で僕が納得すると思うか。僕は頭いい」
ーあなたが感じてる違和感って、学校でのことよね?
「無視すんな。それと、日本語間違えてるぞ。」
ーそういう指摘はどうでもいいのよッ!
「まあまあそんな怒んなッて」
ー...。
「どうした?」
ーいや、もういいわ。
「は?」
ーもういいって言ったの。強制的に連れて行くから。
「...え?いや、ちょっと待て。それはどういう...」
ーさあ行ッくよォー!!!
「おい、誤魔化すな!ちょっ、待っ...うわあああああああああああ」
辺りが光に包まれていく。目を開けていられない。体が浮いているように軽い。いや、 実際に浮いている。そのまま僕は何も出来ずに体を丸めることしか出来なかった。
ー...。
地面を感じた。僕はどうやら立っているようだ。恐る恐る目を開ける。そこには見たことの無い世界が広がっていた。