視線の嵐
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未夢はどんな人が来るのか楽しみよん。
渋谷のモアイの像はアベックの待ち合わせに有名なのよ。
そこで、あたしも待ち合わせよん。
『うっふっふ』
見てる。
見てるぅ。
あたしは周りの人の視線を感じてぞくぞくするわ。
未夢は、目立つのが好きなのよ。
黄色のミニパンツにブルーのセーター、腰にはチェーンがジャンシャラリよ。
首から上と下半身が超アンバランスなのよ。
そう……。
でもヒットなのよ!
本人が言ってるんだからぁ~。
間違いなしよ。
あたし約束の1時間前に到着したのよ。
まだ待ち合わせまで時間があるから、他の待ち合わせの人々をじっくり観察よ。
でもあたしの方が観察されているみたいだわ。
『チリチリ…』
あたしの全身の毛穴が、視線、視線、視線の嵐に反応するわ!
『ウーン
もう~最高よ!』
あっ!
いけないわ。
思わず声が……
あたしは、まとわりつくような視線に弱いのよ。
観察するのも、されるのも、
あたし大好きよーん。
あら。
嫌だわ。お巡りさんが、こちらに近付いて来るわ。
「もしもし……。
君はここで何をしているのかね?」
「えっ、
お巡りさん……」
「何を、ビックリしてるんだい……。
さっきからチラチラ見てる、そのバッグの中を見せて貰いたい」
「いやよ。なんで見せなきゃいけないのよ」
「お前、何か隠し持ってるな。
本官は全て解るんだ」
(本当に面倒臭いわね)
「お巡りさん。あたし何も隠し持ってないわよ。
あらよく見ると、お巡りさんはあたしの知り合いによく似てるわね。
あの人は全てにおいて凄かったのよ。
一瞬あの人が現れたのかと驚いたわ」
「そんなに似てるのか?」
「似てるのよ。タレ目とか腰とか……」
「コラコラ話しをそらすんじゃない」
「話なんかそらしてないわよ。
早くあっちへ行ってよ」
「やっぱりお前は怪しい」
「いやだわ。お巡りさん。
あたし待ち合わせしてるのよ」
「本官に似ていたと言う彼はどうした?」
「彼は4年前にお星様になったのよ。
でも、あたしの心に今も生きてるのよ。
お巡りさんを見て彼が生き返ったのかと思い一瞬ドキドキしたわ」
『グニュ』
「君は、な、 何を、す、するんだよ」
「お巡りさん。あたしの爆乳をチラチラ盗み見してたわね。
そしてどさくさに紛れて腕でタッチするなんて」
「……」
「ふん男って。
お巡りさんも同じね!
すぐあたしの爆乳を触ろうとするのね」
「君は何を言ってるんだ。
君が本官の腕に胸を押し付けたんだろうが」
「ふんだ……。
一生言ってなさいよ」
「君、もうその話はいいから」
「お巡りさん。もうあたし行くわね。
待ち合わせした人に電話して場所を変更するわね。あたしの爆乳の事は忘れてね」
「本官は君の爆乳に触ってないぞ」
「ばかね。また蒸し返すの。
そんな言い訳通用しないわよ」
「ほ、本官に、ち、近付くんじゃない」
「まぁ、可愛いお巡りさん。
顔を真っ赤にしてどうしたの?
実は、あたしは麻薬潜入捜査官なのよ」
「えっ!?
本当かい」
「冗談に決まってんじゃん」
「君は本官を愚弄するのか」
「愚弄なんかしてないわよ。
ちょっと遊んでいるだけよん。
お巡りさんは、さっきあたしがバッグに何か隠し持っているだろうと言ってたよね」
「そうだ。見せる気はないだろう」
「そんな事ないわよ」
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他に『淫獣魔』『覗き穴』『時の牢獄~拉致監禁~』もあります。




