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第十二章:勇者たちとの遭遇

勇者たちの拠点にたどり着いたアリシアたち。

勇者パーティーと戦うことになるのか……

ぜひ読んでみてください!

元ヒーラーであるクララの案内で、

勇者の拠点付近にきた五人。


「早く行った方がいいわよね?」

アリシアは卵が心配で、

気が気でない……


「そうですが……」

「相手が何人いるもわかりません」

シアンは念のため警戒するが……


「四人よ……」

「私を除いて……」

クララが単刀直入に説明していく。


「四人なら余裕ですね」

シアンは一瞬で、

勝ちを確信したのだろう……


「待って……」

「勇者たちは……」

「セカイ有数の実力者よ」


「正面から突撃しても勝てないわ」

アリシアはなぜか冷静にツッコミを入れる。


「ふむ……」

「ガランド様どうでしょうか?」

シアンは後ろでずっと黙っていた師匠に確認する。


「奴らの話は来たことがある」

「じゃがのう……」

「ブラハムより強いことはないだろう……」

ガランドも余裕そうである……


「私もそう思います」

クララは長年の冒険者の勘から、

この二人はただ者ではないと判断する。


「え?」

「ブラハムって史上最強の海賊王でしょ?」

アリシアは歴史の授業を思い出す。


「そうですが何か?」

シアンは当たり前のように言う。


「あなた達二人が倒したの?」

アリシアは聞いてみるが……


「はい」

「国ごと滅ぼしました」

シアンは涼しい顔で恐ろしい内容を暴露する。


「じゃあ……」

「大丈夫だと思うわ……」

アリシアは安堵の表情で、

アスタロテを見つめる。


「何をちんたらしておる!」

「突撃すればよかろう!」

アスタロテは暴れ始めるが……

二人は拠点に向かって走り始める。


「なんか騒々しいな……」

勇者の仲間の一人である大盾と、

大剣を持った守護剣士が現れる。


「どうした?」

アーチャーも林から現れて、

警戒態勢に入ってしまう。


「頼もう!」

アリシアは安心して、

正面から拠点に突入する……


「ア、アリシア様……」

「危険です!」

シアンは守ろうと正面に立つ。


「なんだお前ら!?」

守護剣士は動揺し反応が一歩遅れる。


「余の卵を返せ!」

アスタロテはアリシアの後ろから飛び出して、

守護剣士と戦い出す。


「こいつ!」

「さっきのドラゴンじゃないか!」

「まずいぞ!」

「勇者来てくれ!」


守護剣士はアスタロテ相手に、

防戦一方になりながら、

叫び続けて勇者を呼ぶ。


「トドメを刺さないから!」

「こういうことになるんだろ!」

アーチャーも加勢し始めた。


「どうしたお前たち!」

勇者は聖剣を持って駆けつける。


「ドラゴンが仲間を呼んで、」

「復讐しに来たぞ!」

守護剣士が叫ぶ。


「クララ!」

「お前裏切ったのか!?」

まず元メンバーのクララを罵倒する。


「我が聖剣の力を解放する!」

「汝らの運命はここまでだ!」

「エ……」

勇者は必殺技を放とうするが……


「させません」

勇者は聖剣の剣先をシアンに素手で握られて、

動かせない。

「馬鹿な!?」

「剣先を素手で握るだと?」

さすがの勇者も動揺する。


「もっと静かな場所で、」

「戦いましょう」

「ガランド様!」


「おうよ!」

二人は昔の勢いに戻っている……


「なんだこれ!」


「転移魔法か!?」

守護剣士、アーチャーは、

シアンの魔法に飲み込まれる。


「なんじゃ!?」

「余の獲物が!」

アスタロテは守護剣士への攻撃が、

不発に終わり不満そうだ。


「あなたは卵とアリシア様を守ってください」

「勇者の仲間が一人いませんし……」

シアンは上手く誘導する。


「ぐぬぬ……」

「わかった……」

アスタロテはわりと素直に了承する。


「アスタロテ」

「お願い!」

「側にいて」

アリシアは手を握って、

引き留める。


「仕方ない」

「まずは卵じゃ……」

アスタロテは、

本来の目的を思い出す。


「それでは勇者様」

「大変お待たせしました」

「戦いましょうか」


シアンは勇者を無理矢理、

転移魔法に押し込んで、

消えていく。


「行っちゃった……」

アリシアは不安もあり、

少しだけ落ち込む。

そんな心配は全く必要ないのだが……


「余がボコボコにしたかった……」

「悔しい……」

アスタロテは地団駄を踏む。


「そんなことより卵よ!」

「あ、あれじゃない!」

勇者の汚いテントの中に、

雑に置かれていた。


その時だった……


「おい!」

「ここで何してる?」

「クララお前クビになったはずだろ?」


巨漢の大男がちょうど帰ってきた。

特大剣を背中に背負っている。


「厄介なのが帰って来ちゃった……」

クララは面倒くさそうな顔でぼやく。


「ほう」

「デカいのが残っておったか」

「潰しがいがありそうだな」


アスタロテは、

腕をバキバキと鳴らして、

戦闘態勢に入る。


「アリシア大丈夫?」

ベアトリスはギルドから、

飛行魔法で駆けつけてくれた。


「ベア来てくれたの?」

アリシアはかっこいい叔母の登場を喜んでいる。


「当たり前でしょう!」

「ところであなたは?」

ベアトリスはクララに対して、

当然の疑問を口にする。


「あたしはクララです」

「とりあえず話は後で……」

クララはかつての仲間を、

相手に戦闘態勢を取る。


「ベア」

「この人はヒーラーで、」

「味方よ」

アリシアは現状を説明する。

誤って攻撃されるのを防ぐためだ。


「わかったわ……」

「この不愉快な酒飲みを倒せばいいのね」

ベアトリスは両手から闇の魔力を解き放つ。


「私は今のうちに卵を……」

アリシアは卵を大事そうに抱えて、

三人の後ろに下がる。


「なんだなんだ」

「女子三人とババアがいたところで……」

「俺様には勝てないぞ」


「なんたって女神様の加護があるからな!」

巨漢は雄叫びをあげ始める。


「女神様!」

「俺に狂戦士の力を!」

二メートルほどあった巨漢の体は、

膨れ上がり五メートルの獣になっていく……


「これぞ!」

「神の力!」

「転生者の特権だ!」

もはやその姿は異形の怪物になっている。

勇者の仲間ではなく魔王の幹部候補にしか思えない……


「ほんと辞めてよかったわ……」

クララは戦闘態勢を取りながら、

ドン引きしてしまう。


「あなたヒーラーなのに戦えるの?」

アリシアは戦うヒーラーなど、

見たことがないといった顔で質問する。


「あたしこう見えて……」

「実家が僧侶やってて……」

「連拳、脚技が豊富なんだ」

「むしろそっちが本命……」


クララは少し恥ずかしそうに話し出すが……


「かっこいいね!」

「何でもできるんだ!」

アリシアは卵を抱えながら素直に褒める。


「ありがとう!」

「女が肉弾戦するなとか……」

「色々言われてさ……」

「ヒーラーに転向したの」

クララは少し悲しそうな表情で話すが……


「今度回復魔法について教えてね!」

アリシアはすかさずフォローする。


「もちろん」

クララは穏やかな表情になり、

二人は仲良しになった。


「いつまでぐちゃぐちゃと……」

「話してるんだ!」

「だから女は面倒くさいんだ!」

狂戦士は苛立ち始める。


「ほう」

「その割にはよろけてるではないか!」

「情けない面じゃの!」


アスタロテは狂戦士と正面から殴り合う。

ベアは魔法で後方支援をしているが……

正直必要なさそうだ……


「あたし……」

「あなたと卵守るね……」

「あんな怪物の戦いに、」

「巻き込まれたくない……」


クララはドラゴンと、

元チームメイトの戦いを見て、

ドン引きしている。


「助かるわ!」

アリシアはクララの後ろから、

様子を伺う。


「よいぞ!」

「あの子らの仇討ちじゃ!」

アスタロテはブレスと殴打を、

合わせた猛攻をしかける。

狂戦士は追い込まれていく。


「くそ……」

「ここまで追い込まれるなんて……」

「あり得ない!」


そこで狂戦士は、

弱そうなベアトリスに攻撃を集中させる。

上手く攻撃をいなして回避するベア。


「か弱い乙女を集中攻撃するの?」

ベアトリスは余裕そうに告げる。


「ババアは攻撃してもいいんだよ!」

狂戦士は相変わらず口が悪い。


「……酷いわね」

次第に拠点の壁際に追い詰められていく……

「あ……」

狂戦士の攻撃が当たりそうになり……


「ベア!」

「危ない!」

アリシアはクララに、

卵を渡しとっさに飛び出して、

ベアを攻撃から庇う。



護符が光り輝き狂戦士は、

空高く吹き飛ばされて、

輝く星となった。


「え?」

「どこ行ったの?」

アリシアは状況が理解できず困惑する。


「きっと女神様のいる天国に行ったんだよ」

卵を大事そうに抱えるクララはフォローする。


ちなみに狂戦士は本当に天国まで、

吹き飛ばされてしまった……


「そうなのね!」

アリシアはよくわかっていないが、

納得しておく。


「ありがとう」

「アリシア」

「助かったわ」

ベアトリスは姪っ子にお礼を言う。


「アリシア!!!」

「無事か?」

アスタロテは血相を変えて、

走ってくる。


「あ、卵は無事よ!」

アリシアはとぼけた反応をする。


「馬鹿!違う!」

「お主は平気なのか?」

アスタロテに肩を掴まれて揺さぶられる。


「ええ……」

「大丈夫よ」

アスタロテが自分の事を心配してくれていたのに、

ようやく気づいた。


「良かった……」

アスタロテは有無を言わさず、

強引に抱きしめる。


「ちょっと!」

「苦しい……」

「潰れちゃうわ」

アリシアはアスタロテに抗議するが……


「二度とあんな真似はするでない」

「仕留めきれなかった」

「余が言えることではないが……」

アスタロテは再び後悔するところであった。


「大丈夫よ」

「あれは一度きりだから……」

アリシアはシアンの護符を見せながら話す。


「あんなパワーがあったのだな」

アスタロテはなぜか惚れ惚れした顔をする。

このドラゴンはチョロすぎないか?


「いやあれは……」

「シアンのくれた護符だから……」

アリシアは必死に誤魔化すが……


「なるほど……」

「勇敢な上に……」

「心優しいときた……」


「どうじゃ?」

「余のつがいにならないか?」

いきなりプロポーズである。


「は?」

なぜかベアトリスが、

先に唖然としてしまう……


自分の言っていた冗談が、

現実味を帯び始めたからだ……


「えーーーーーー!?」

アリシアは一呼吸置いて、

叫び声をあげてしまう……


それもそのはず王太子の婚約破棄から、

まだ二日しか経過していない……


アリシアはドラゴンと結婚することになるのか?

まだ誰にもわからない……


次回はシアンVS勇者

ガランドVS守護剣士、アーチャーです!

楽しみに待っていてくださいね!

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