「お前はコラットを階段から突き落とした!」「それなのに何でピンピンしてるの?」「え?」
名前を借りました
フィクションです。
「バーミラ!お前とは婚約破棄だ!」
婚約者マンクス王子が言った。
シャンデリア煌めく王城での夜会中である。
何で王城で騒ぎを起こしているんだか。
「まぁ!何故ですか?」
呆れて、思考力が落ちた。
時間稼ぎに一応理由を聞こうかな。
「お前はコラットを階段から突き落とした!」
マンクス王子が、周りにも聞こえるように、大声で言った。
浮気相手の男爵令嬢コラットは、マンクス王子の腕の中で震えている。
「いつですか?」
え?怪我は?階段から落ちたのに、夜会に出ても大丈夫なのだろうか?
「昨日だ!」
「え?それなのに何でピンピンしてるのですか?」
安静にしてなくて良いのか?
「え!?」
「階段から突き落とされたなら、大怪我をしてそうなのに、夜会に来ても大丈夫なのですか?まぁ…見た所、怪我をしていない様子ですが」
私は冷静に言った。包帯すらしてない。さっきも普通に歩いていた。
「怪我をしてなくても、お前が階段から突き落とした事は変わらない!」
突き落としてないけどね。
「どこの階段ですか?」
「学園だ」
王子は即答した。
「私、昨日は王妃様に呼ばれて、1日王城におりましたけど」
「は?」
王子は目を丸くした。
「ですから…」
「嘘をつくな!」
マンクス王子が叫んだ。
「私が嘘をついていると?」
横から声が掛かった。
王妃様だった。
「え?」
「私が昨日、王城に呼んだのよ。それが嘘だとでも?」
「いえ…そんな…」
自分より強い者には何も言えないマンクス王子。
自分より立場が弱い人には、偉そうに言うくせにね。
「お前が浮気していると聞いていたから、婚約を白紙にしたのよ」
王妃様が言った。
「…は?」
マンクス王子は、何を言われたのか分からなかったらしい。
「マンクスの婚約は無くなった。そこの浮気相手と結婚でも何でもするがよい」
国王がやってきて、マンクス王子に告げた。
「「やった!」」
マンクス王子とコラットは、喜んだ。
「浮気相手の家に婿入りが決定した。良かったな。幸せに暮らせよ」
そんな2人を冷たく見つめて、国王が言った。
「「え?婿入り…?」」
マンクス王子とコラットが、呆然とした。
「お前達は帰れ」
国王が言うと、護衛騎士達が2人を連れて行った。
「皆の者。王太子は第2王子のラパーマに決定した。婚約者はバーミラ嬢だ。これから2人を支えていってくれ。騒がせてすまなかったな。引き続き、夜会を楽しんでくれ」
国王が言うと、拍手がおこり、夜会は再開された。
王妃様に呼ばれたお茶会で。
第2王子と婚約をしないかと言われたのだ。
マンクス王子は公務をサボり浮気していたから、私とラパーマ第2王子が代わりにしていた。
つまり、今と変わらないな。
私は婚約を受け入れた。
ラパーマ第2王子は、真面目に執務をするし、勉強もする。
マンクス王子のサインが必要なのに、浮気相手とデートしてていなかったり、マンクス王子の為に分かりやすく要約した文書や資料を作ったり…
二度手間で邪魔なだけのマンクス王子がいなくなり、むしろ、やりやすくなった。
ラパーマ王子…王太子は、婚約者の私を労り、大切にしてくれた。
執務の合間に一緒にお茶を飲み、気分転換に一緒に散歩をする。
お互いに、マンクス王子の代わりに執務をしていたから、それなりに癖や性格も分かっている。
これで、良かったんだな…
私はラパーマ王太子と、ゆっくりとお茶を飲んだ。
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