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「お前はコラットを階段から突き落とした!」「それなのに何でピンピンしてるの?」「え?」

作者: 井上さん
掲載日:2026/08/09

名前を借りました


フィクションです。

「バーミラ!お前とは婚約破棄だ!」


 婚約者マンクス王子が言った。


シャンデリア煌めく王城での夜会中である。

何で王城で騒ぎを起こしているんだか。  


「まぁ!何故ですか?」


 呆れて、思考力が落ちた。

時間稼ぎに一応理由を聞こうかな。


「お前はコラットを階段から突き落とした!」


 マンクス王子が、周りにも聞こえるように、大声で言った。

浮気相手の男爵令嬢コラットは、マンクス王子の腕の中で震えている。


「いつですか?」


 え?怪我は?階段から落ちたのに、夜会に出ても大丈夫なのだろうか?


「昨日だ!」


「え?それなのに何でピンピンしてるのですか?」


 安静にしてなくて良いのか?


「え!?」


「階段から突き落とされたなら、大怪我をしてそうなのに、夜会に来ても大丈夫なのですか?まぁ…見た所、怪我をしていない様子ですが」


 私は冷静に言った。包帯すらしてない。さっきも普通に歩いていた。


「怪我をしてなくても、お前が階段から突き落とした事は変わらない!」


 突き落としてないけどね。


「どこの階段ですか?」


「学園だ」


 王子は即答した。


「私、昨日は王妃様に呼ばれて、1日王城におりましたけど」


「は?」


 王子は目を丸くした。


「ですから…」


「嘘をつくな!」


 マンクス王子が叫んだ。


「私が嘘をついていると?」


 横から声が掛かった。


王妃様だった。


「え?」


「私が昨日、王城に呼んだのよ。それが嘘だとでも?」


「いえ…そんな…」


 自分より強い者には何も言えないマンクス王子。

自分より立場が弱い人には、偉そうに言うくせにね。


「お前が浮気していると聞いていたから、婚約を白紙にしたのよ」


 王妃様が言った。


「…は?」


 マンクス王子は、何を言われたのか分からなかったらしい。


「マンクスの婚約は無くなった。そこの浮気相手と結婚でも何でもするがよい」


 国王がやってきて、マンクス王子に告げた。


「「やった!」」


 マンクス王子とコラットは、喜んだ。


「浮気相手の家に婿入りが決定した。良かったな。幸せに暮らせよ」


 そんな2人を冷たく見つめて、国王が言った。


「「え?婿入り…?」」


 マンクス王子とコラットが、呆然とした。


「お前達は帰れ」


 国王が言うと、護衛騎士達が2人を連れて行った。


「皆の者。王太子は第2王子のラパーマに決定した。婚約者はバーミラ嬢だ。これから2人を支えていってくれ。騒がせてすまなかったな。引き続き、夜会を楽しんでくれ」


 国王が言うと、拍手がおこり、夜会は再開された。




 王妃様に呼ばれたお茶会で。


第2王子と婚約をしないかと言われたのだ。


マンクス王子は公務をサボり浮気していたから、私とラパーマ第2王子が代わりにしていた。


 つまり、今と変わらないな。


私は婚約を受け入れた。


ラパーマ第2王子は、真面目に執務をするし、勉強もする。


 マンクス王子のサインが必要なのに、浮気相手とデートしてていなかったり、マンクス王子の為に分かりやすく要約した文書や資料を作ったり…

 二度手間で邪魔なだけのマンクス王子がいなくなり、むしろ、やりやすくなった。


ラパーマ王子…王太子は、婚約者の私を労り、大切にしてくれた。


 執務の合間に一緒にお茶を飲み、気分転換に一緒に散歩をする。


お互いに、マンクス王子の代わりに執務をしていたから、それなりに癖や性格も分かっている。



 これで、良かったんだな…



私はラパーマ王太子と、ゆっくりとお茶を飲んだ。


読んでいただきありがとうございます

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