丘の上を目指せ
(OR)岡の上を目指せ
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ある日、神は言った。これから森羅万象のすべての生き物から、守り神を選ぶ。全ての生きとし生ける者は資格を有し、12匹の守り神の座を求め、競うことができる。オレたちは浮き立った。必ずや、その12の椅子の一つを、手中に収めてみせる。さっそくエントリー用紙をダウンロードして要項を見たのだが。
「期日に集合し、目標地点である丘の上に先にたどり着くこと」
……なんだ、これは。大会運営に問い合わせて、「これでは水棲生物が出れないじゃないか!」と文句を言った。運営は確認すると言っていたが、連絡の折り返しがない。どうなっているんだ!これでは申し込んでもエントリーフィーの2000円を払うだけ、絶対に勝てないじゃないか!みんなで怒っていたら、やっぱりそうかと諦めている者がいた。お前も怒れと海豚を叱ったのだが。
「オレたちには来てほしくないんだよ」
12匹決めるときに、地上の生き物にしたかったがそれでは魚を数から外すことになる。神様は立場があるのでバツが悪く、だけど入れたくないからやんわりと除け者にしたかった。だからレース内容が圧倒的に不利、というかそもそも出る意味がないものになっている。これは12匹選ぶ大会であって漫才ではないから本気じゃないんだよ、ともうエントリーする気がないらしい。中には果敢に挑む亀やイグアナ、ペンギンもいたがさすがに勝てるわけがなく、一回戦で散った。
年末に決勝をテレビで見ながら、いいなあすごいなあとうらやましがっていた。生まれつき違うんだろうな、と人気者たちにエールを送る。おい、お前は遅刻しただけだろう、日にちを間違えたんだから自分の責任だ。文句を言うな。公式ホームページの猫の名前の横には、「欠場」の文字があった。




