儂の爺様はな
儂の爺様はな
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「おじさんの様子が、おかしいんだ」
とても賢くて、みんなから信用されているおじさんは、僕にはおじさんとは思えなかった。顔も声ももちろんおじさんなんだけど、こんな人じゃなかった。もっと小さい頃に、会ったことがあるから知っている。学校を作ってみんなに教えているけど、すごく不安だった。お爺ちゃんは画家だったから、いつも筆を持って絵を描いていた。おじさんのくれた小遣いを見て、お爺ちゃんはこんなものはダメだと言っていた。これは人じゃない。数字だ。太子もこんなことに使われて、いい迷惑だろう。あまり考えないように、と言われてお爺ちゃんの家で吹かした芋をもらった。
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爺さんにそう聞かされてはいた。こんなものは人じゃない。だから、爺さんの「おじさん」がそこにいて、とても驚いた。太子がいなくなり、爺さんのおじさんに変わった。これは人じゃない。数字。誇るべきであろうに、見るのが怖かった。それでも、おじさんの力を借りないと生きていけないことも、確かだった。
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じいちゃんそう言ってたよ。こんなものがなんだ!って言いたいけど、持っていないと落ち着かない。そんなことあるわけない、悪い人じゃない。オレもそう言い聞かせているんだけど、みんなおじさんを見て、大喜びで苦しんでいるようにしか、思えないんだよなあ。




