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我は混沌の僕なり
我は混沌の僕なり
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……私にはもう時間がない。自ら閉じこもり神経症を名乗ることで研究を進めたが、力は及ばなかった。気がついてしまえば何を見ても同じこと、だがそれは圧倒的な力で私を別の次元に押し込んだ。宇宙を消し飛ばすほどの脅威。……宇宙なんて、我々から見える範囲は知れている。そして、誰もが死ねば宇宙を認識しなくなる。すでに認識していない者も多く、大量に送り出した私的見解は未だに正しく理解されていない。しかし、望みはある。お前たちは怖いはずだ。その皮を一つ剥がれれば邪神という名の一匹の蛸に過ぎない。それを語り継ぐ新たな神話が、もう始まっている。世界中に燃え広がり、神と支配者の新たな物語を紡ぐ。長い戦いにはならないだろう。勝利か、それとも……滅亡か。その先にある混沌は、まだ誰も見たことがない。愛と平和。這い寄る混沌。その下にあるものは、大して違いはしないだろう。
私はランプの明かりを頼りに、万年筆を持つ指を見つめた。いあ、いあと小さくつぶやいたが、そろそろSAN値がピンチなので一度寝よう。混沌の僕は、夜は無理せず寝るんだよ。




