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だゔぃんち・こーど。
だう゛ぃんち、こーど。
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私は、天才と呼ばれて長い。芸術家として、発明家として、時に変人として少しは有名になった。幾何学的な人体、美しく微笑む貴婦人、いつか実現できる数々の機械。しかし、他のことも知っている。皆が苦しんでいる。圧政、圧迫。足に、指にかかった悪魔の手。今はどうにもできず、いつ何ができるのか私にはわからない。そんな知れた男だ。だが私は、作品を残すことができる。これを見た後生の人たちは、気がついてくれるかもしれない。この絵に、この作品に、私の人生に刻まれた無数の足跡。それは人々の傷跡。いつかこの無念が、死した後であろうと晴らされることを願って、私は刻んだ。私のたどった道を、誰かが見てくれればいい。
それから数百年、人々は私の描いた絵を見ている。見ているがそれはただの美人画だ。皆口々に「男性のようだ!」とか言っているので、もう一回死にたくなった。




