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狼の鳴く夜に
狼の鳴く夜に
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……その男は、狼だった。死した者を束ね、自ら人間をやめて踊り狂った。狼男は悪魔の使い。満月の夜に、いつまでも踊っていた。貴様は何だ?そう聞けば人間に戻る。歌い踊る怪物の宴。それは戦いに他ならない。いつからか、その男は狼をやめた。人間になり、あろうことか肌の色までも捨てた。何をしている?何を考えている?ただ不気味な仮面をかぶって、大木をなぎ倒す狼の膂力を失ったまま、この世を去った。彼を殺した銀の弾丸は、所詮は銃弾だ。
あいつだったら言うんじゃないかな。死んだからってなんだってんだ?まだみんなあの夜を覚えている。まだ終わっていないんだって。今日も間抜けな遠吠えが、どこかから聞こえる。ポウ!




