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四日目

またお会いしましたね。

ここは、裏路地にある秘密の語り場。

また一つ、悪役令嬢ものの話を聞いて行きませんか?

とっておきを用意してありますよ。

やぁ、昨日は…その、すまなかったね。こっちの都合で物語を切ったりして。

と、言うわけで。今日は特別だ。昨日の話の続きに加えて、またもう一つ話をしよう。

なあに、お詫びも兼ねてるんだ。聞いてってくれよ。

ええと、…ああそうだ。「このヴィンセントが中々の男前で、沢山の姫君たちの憧れの的でございました。」からだね。よし。


このヴィンセントが中々の男前で、沢山の姫君たちの憧れの的でございました。

初めて現実で見るその姿に見惚れておりますと、国王が言いました。

「ローラ。この者と婚約する気はないか? 」

ええもちろん! ローラは声も高々に承諾しました。

しかし、国王は言いました。

「ただ、この婚約には条件がある。」

詳しく話を聞きますと、ヴィンセントにとってローラは、顔は好みだが性格がきつすぎて、今のままではとても恋人にはなれない。そのきつすぎる性格を直せば、婚約をしてくれるというではありませんか。

期限は半年。それまでにその性格を直せないと、王子は他の国の姫君のところへ行ってしまいます。


ローラは使用人の指導のもと、日々努力を重ねました。

言葉遣い、家事、仕草。時々様子を見に来るヴィンセントの姿に励まされながら、半年後の期限の日を夢見て_。


あれから半年が経ちました。ついに運命の日です。

ローラは日々の血の滲む努力によって妹のカイラに負けず劣らず、優しく気品のある、立派な娘になりました。

…ついに、ヴィンセントとの約束の時間です! 今のローラを見れば、王子も快く婚約してくれるでしょう!


中庭で待つ王子を見ると、頬を染め、恋い焦がれた様子でございました。

その様子にますます胸が高鳴り、王子に婚約の結果を聞きました。


「カイラと結婚するんだ」


これが、ヴィンセントの第一声でした。

話を聞けば、元よりローラと結婚する気はなかったと言うのです。

王子は言いました。

「ごめんよローラ。元々この話が来たときには断ろうと思ったんだ。でも、お父上と話しているときに、カイラが歩いていくのが見えてね。僕は一目で分かったんだ。彼女こそ運命の相手に違いない! と。

君の性格は直せるはずがないと思っていたんだ。その上で条件を出したからね。ああ、君の様子を見に行くという名目でカイラに会いに行ったのも、全部、僕の良い思い出さ」

なんという男でしょう! ローラの思いを手玉にとって弄ぶなんて!


ローラの努力は何だったのでしょうか。あの期待は、何だったのでしょうか。

彼女はあれから体調を崩して以降、その姿を見た者は誰もおりません。


…どうだったかな。いやぁこの話は俺も好きなやつでさぁ。

じゃあ、次の話へいこうか。

おや、今日はもう一つ聞いていかれるんですね。

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