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(客足)

「ふう。」

椅子に座って、ため息をつく。

俺はこの語り場に出入りする、ただの語り部だ。主に異世界モノを語っている。

さっき客が帰って、俺はここでぐーたら。


この語り場は、「他人の不幸は蜜の味」がモットーになっている。

色々な人物の可哀想な話を集めて、語る。ただそれだけだ。

ただ俺は、異世界モノしか語らないというこだわりを持っているから、異世界にまつわる可哀想な話だけを集めている。

「他人の不幸」という蜜に群がる聞き手達も、それを集める俺達も、趣味が悪いとしか言いようがない。


そのうち知らしめてやる。

「他人の不幸という蜜も、求めすぎると味がしなくなる」ことを。


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