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〜プロローグに華は添えられず〜
その夢は黒く血に染められている。所々が闇に包まれていて見えないが、最終的に行き着く先はいつも同じ、滅亡である……
昔の夢を見る。子供の頃に経験した本当に嫌な記憶。全てが目の前で崩れ去り、掌から零れ落ちたあの日の記憶。暗闇が足にとぐろを巻き、怨念が腕の上で所狭しと連なる。そしてとめどない程の悲鳴が頭を突き刺す、そんな夢。けど全部は見えない、と言うより自分の中の微かな防衛本能が目隠しをしてくれているのかもしれない。
その夢は言い換えるなら…
「な……んで………?」
自らの無力を呪う夢。
「お……お腹が…………」
世の理不尽を呪う夢。
「おねぇ……ちゃん…………!」
禁忌の力に微睡む黒い悪夢。
初めまして。得石と書いてエテイシと読みます。初投稿です。自分が満足の行く作品を書くことが目的です。こんな私ですが何卒宜しくお願いします。次回から始まりますので良ければお楽しみください。