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整体とカイロと整骨院と・・・

特に技術も能力もなく、心躍るバトルもありません

片田舎の接骨院のおっさんが日々の業務の中で起きた事件?騒動?を

お客とただ話している話です

本当に当人に野望も希望もなくただただ日々のだらだら過ごす話です

作中の話はフィクションです!

若干時代に合わず古い情報があったりしますが

厚生労働省等への問い合わせはお控えいただけると助かります

 私の名前は、姓は安藤、名は善治郎、50歳、20年ほど嫁さん募集は諦めた。

 片田舎で今にもつぶれそうな接骨院に嫁いでくれる変わり者はいるはずもなく・・・

 

 そんな話はさておき、今日はいつもの暇つぶし君もいないので私が日ごろから感じている業界の矛盾や疑問について語ろうと思っている。


 「院長、なんでそっち向いてシリアスな顔して、ぶつぶつ言ってるんですか?」

 おっと、暇つぶし君はいたようだ。

 「いや何というか、急にかっこつけて語り始めたくなることってあるじゃないか?」

 「特に無いですね、いきなりどうしたんですか?暑さで頭やられました?」

 「君は、ナチュラルに失礼な奴だな」

 「あぁ、でも大体いつもおかしなこと言ってましたね」

 ちょっと殺意が湧いてきたな、たとえここで彼をしばき倒したとしても、法律が守ってはくれないだろうな。

 次回施術の時に少し痛い目にあってもらおう、と心に誓った。


 「で、何をぶつぶつ言っていたんですか?」

 「ちょっとSNSで目の敵にされてね、しょうもな。と思いつつも、そいつを呪い殺す方法ないかなぁと、頭の中でいろいろと妄想していたのさ。」

 「普通にキモくて怖いですね。」

 「飛田君もナチュラルに失礼だからさ、いろんなところで敵作って、怨み買ってそうだよね?、どういうことされると一番精神的にクルの?」

 アドバイスをもらいたく聞いてみる。

 飛田君はしばらく考えながら、答えを探しているようだ。

 「一部、納得いかないワードが飛んでましたけど、自分は特に気にはしないようにしてますね、どんなことを言われたところで所詮ネットですし、直接危害を加えられるわけじゃないですし。それとああいう人って」


 沈黙が流れ、しばらくして彼はこう言い切る。

 「ネットだけ、調子に乗るくせ、実際面と向かって話してるときは言わないですよね、糞ゴミですよね(笑)」

 「でネットで何があったんですか?」

 「お客と話してたんだけど、その人がSNSで宣伝してくれるって言うから、過度じゃなければお願いしますって頼んだのよ。」

 「たまに言ってますね、接骨院が直接宣伝すると問題あるようなことも、人からだと特に問題ないって言うあれです?」

 「そうそう、よく覚えてるね、興味無さそうに聞いてたのに」

 「まぁ、なんか覚えてたっすね」

 「それでお願いした人の、知り合いがさカイロを営業してたみたいでやたらと嚙みついてこられて困ってるんだよね。

 接骨院を目の敵にしてるというか嫌っているというか。」

 「面倒な人ですね。」

 「そうめんどくさい人だよね、でもそれで頼んだ人に迷惑が掛かって申し訳なくて宣伝しなくてもいいですよって、伝えたら逆にヒートアップしてしまって「こっちがいいと思って宣伝してるのにいちいちケチつけるな!」ってな感じでもめ事に発展して、少し面倒なことになってしまったのよね。」

 「ほっておけばいいのでは?」

 「頼んでやってもらったのにそういうわけにはいかないだろ?」

 「正直その3つの違いが分からないっす」

 と興味無さそうに答える。

 ちょっと殺意がまた湧いてきたなw

 まぁほとんどの人がそんなこと気にもしてないし上に違いも知らないと思う。

 「興味無さそうだけど、一応説明しようか?」

 「あー、お願いしようかなぁ。一応何となくは理解してるんですけど」

 「簡単に言うと、他人の体に触る免許が有るか無いかなんだよね」

 「人の体に触るのに免許がいるんですか?」

 「そうだね人の体に触って良い作用・悪い作用を引き起こす、簡単に言うと状態の変化を及ぼすには国の発行した免許が必要になるんだよ」

 「どういうことですか?」

 「接骨院には免許があるけれど、整体、カイロプラクティックにはその免許が無いんだよ」

 「無いとどうなるんです?」

 と、わかってない感じで聞き返してくる。

 「車を免許もってないのに運転したらどうなる?」

 「違法ですね」

 「そう、違法だよね。だから免許無で他人の体に触れて治療行為したら違法なんだよ。」

 「え?じゃぁ整体やカイロって違法なんですか?店に行くとなんか資格の紙飾ってますよ」

 「まぁ違法なんだけど、あれは民間の団体が発行した資格で国が認めてるわけじゃないんだよね、ただ施術を受けた相手が、痛みを感じたり損害賠償を行わない限り、捕まるってことは少ないんだよ。」

 「違法でも、捕まらないんですか?」

 「本来はダメだけど、タオルを間に挟んで直接触ってないとか、治療行為はしてませんと言い張ったり法律上の抜け道があったりするんだよ」

 「なら特に問題なかったりします?」

 「まぁ問題が起きなければ、黙認してるって言うのが正解かな、全員捕まえるなら日本全国だし数も多いから大変なことになるよ、前にも言った整骨院と同じさ」

 「だけど、資格を取得する方法が全く違うから信用できないところも多いのは確かだよ」

 「どういったところが信用できないんです?」

 「簡単に言うと、人体について勉強してる時間が全然違うよね。カイロ整体って1~3か月勉強する程度だし、団体に払う講習費模30万円くらいだったかな、場所によって違うけどその程度なんだよ」

 「へー、短いのか高いのかわからないですね」

 「対して接骨院や、鍼灸PT・OTは最低3年と500万前後くらいお金と時間がかかった上に、最後国家試験に合格しないとダメ。

 ここまで言うと理解できるだろうけど、単純に勉強してる時間が違うよね。その段階で人に触って医療行為を行うリスクとかも勉強するけど、カイロ整体はそんなにやらないから、痛いから、整体に通ってたけど全然よくならなかったんで病院に行ったらが癌でしたなんて話もきくね。」

 「そういうの聞くと怖いですね。」

 「うちの場合は、そういうの怖いからまず問診して、初見取って大したこと無さそうなら施術するけど、違和感感じたらまず病院へ行くのを勧めてるよね。」

 「あーそうっすね、やたら聞かれますね」

 「所詮接骨院なんて、病院が少なかった頃に病院の下位互換でしかなかったからね、軽いものなら接骨院に行かなくても家で寝てればいいくらいのものしか対応はできないんだよ、まぁ例外的に骨折と脱臼も見れるけど、あとで病院に送ってXPとらないとダメだし。リハビリも病院の紹介状がいるしね。」

 「いろいろややこしんですね」

 「それ以前に整体カイロはそれすらも出来ないからね、そもそも医療とは認められていないんだよ。アメリカでカイロDrがあるから、日本でも勘違いされてるけどあれはアメリカのみの資格だからね、そもそも医学部出ないとダメだからほとんど医者と変わらない」

 「日本のは、名前パクってるだけの別物って言う事をもっと大々的に広まった方がいい」

 「なんか目の敵にしてますね」

 「そんなことは、んーあるのかなぁ?正直さ、医療行為したいなら医者になるから、僕らみたいに、学校行って国試受けろよと、思わないこともないかな。正直、楽して金儲けしたい奴にしか見えないんだよね。」


 「まぁ免許もっててもややこしい制約があるせいで、デメリットの方が大きいんだけどねw」

 「楽して、金儲けってのは無理なんですね。」

 「どっちみち楽ではないけどね、保険も使えないし、交通事故も見れないし。でも接骨院も前から言ってるみたいに、消えていく仕事だと思ってるよ。」

 「世知辛いですね、じゃあ自分は帰ります。面白かったっすまたなんか面白い話聞かせてください」

 カランカラーン

 扉を開いて飛田君は帰って行った。

 そう、接骨院とは、まともに業務としていると50歳独身男が細々と生活する程度にしか収入が無い仕事なのである。

 「学生の時もっと勉強しとくべきだったなぁ‥‥」

 と後悔の念が籠った独り言を今日も呟くのであった

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