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日常4

特に技術も能力もなく、心躍るバトルもありません

片田舎の接骨院のおっさんが日々の業務の中で起きた事件?騒動?を

お客とただ話している話です

本当に当人に野望も希望もなくただただ日々のだらだら過ごす話です

作中の話はフィクションです!

若干時代に合わず古い情報があったりしますが

厚生労働省等への問い合わせはお控えいただけると助かります

 「小学生の将来なりたい職業ランキングで上位、男の子は1位動画配信者かぁ馬鹿な夢見てんなぁ。女子はパティシエか、やはり男子よりも女子の方が現実を見てる人数が多いんだな。接骨院の先生になりたい人は?うん、ランキング内には無いな。まぁそうだろうこんな斜陽産業、仮に自分に子供がいてもならせたいとは思わないなぁ。こんなの目指すくらいならまだ、看護師か、技師系になってる方がいいわ」

っとまぁ相変わらずネットニュースを見ているとそんな記事があった。


 私は個人経営の小さな接骨院を営んでいる、一昔前は物珍しかったが最近では乱立し、薬局並みに地域では多い業種と言われている。

 少ない頃は良かった、多いということは認知度が上がりその結果、いわゆる患者の奪い合いが起こり、結果生き残りをかけ血で血を洗う戦いが日々行われている。

と、言われたり言われなかったりする。

世知辛い世の中である。

 


 申し遅れました、私の名前は、姓は安藤、名は善治郎、50歳、絶賛お嫁さん募集中の当接骨院の院長である。

 先ほども言ったように、日々生き残りをかけ、バトルオブ接骨院トーナメントを戦い抜く柔整ファイターさ、朝からネットニュースをだらだらと眺めながら次なる必殺技を編み出すべく趣味の制作活動に精を出しているところだ。

 しかし、流石はAOSIMAの1/24 トヨタ ZN6 TOYOTA86だぜリーズナブルな価格にも関わらず細やかなディテールに艶めかしいボディラインの再現、完璧だ、ため息が出るほどに・・・


 カランカラーン(扉の開く音)

「おはようございま~」

 恒例の飛田君が来たようですね。彼は暇なのかな?

「おはよう暇人学生、たまにば勉強したほうが良いぞ」

  軽めにジャブを繰り出す。

「ぐはぁ、心外なちゃんと授業受けてます~勉強もしてます」

「本当かなぁ?、まぁ冗談抜きでちゃんとしてた方が良いぞ、人間一生勉強ばかりだしな。やる癖付けておかないとしんどいだけだ。」

「どうせまた、なんか面白話聞かせろだろう?」

 相変わらずソファーに偉そうに腰掛けつつ「話がいいですね!そうです、なんだか前の時中途半端な話の終わり方しちゃってたので」

「うちは寄席じゃないぞ、話聞きたきゃ演芸場にでも行って来なよw」

「そんなこと言わずに、前の続きお願いしますよ」

「前何の話してたっけな?あぁネットに出てる情報は大概役に立たないってやつか。そんな話もしてたなぁ、あれはまた極端な話しか乗ってないから、ちゃんと裏取りしないといけないぜって話で終わってた気がするが」

 「何だったっけなぁ?前も言ったかもしれないけど、自分で開業し始めるとなかなか新しい技術を勉強する機会がなくなるんだけど、講習会も微妙だからSNSやようつべで知識を得るて見ようか?ってことで、そこそこ登録者がいる治療家のチャンネルを漁ってたことがあるんだよね」

 「へー、何か面白いのあったんです?」

 「面白いと言えばいろいろと面白いね、例えばさ、一般人はあまり知らないけど業界じゃ当たり前の話をすっげードヤ顔で語ってるのって、どういう心境なんだろ?とか。え?めっちゃ偉そうに語っているけど大間違いなんだが?とか、こんな適当な話でも、話し方や外見でここまでたくさん登録者稼げるもんなんだなぁ?なんて感心させられることが多いよ。」

 「それ全部、ディスってますよね?」

 「そうだね(笑)、でもそんな適当なことや、やってるのにクレームも無ければ、広告収入で月に30~50万もらえるなんて、羨ましすぎるよねw」

 「院長も動画投稿したらいいんじゃないんですか?」

 「無理だよ」

 「なぜです?」

 「人気が出るのは大体、若くて面が良くて話が面白い奴だけで、おっさんがやってるのってそこまで再生回ってないよw、結局はビジュアルが大事テレビの芸能人ほどではないけど、まぁそこそこ見た目がよくないとやっぱり見てもらえないよね。内容の真贋は正直重視されてないと思うよ。ある程度の知識さえあれば素人だますのって簡単なんだなぁって、考えさせられたよね。」

 「そんなに騙されるものなんですか?」

 「そりゃ騙されるでしょ?知識がある人はそもそも見ないし、コメントで突っ込んでもファンが湧いてボロカス言われるだけで、付き合うのもあほらしい、放置してれば自分には害もないしね。あとは濃縮されたアホなファンの集いが出来上がって、投げ銭で貢がされるか、ファングッズ買わされて養分になるか、こちらはとても体にいい水ですとか言って水売ってるのもいたなぁ。正直宗教だなぁとしか思わなかったわw。」

 「失笑しか起きないですね。騙されてるって気が付かないもんなんですか?」

不思議そうに首をかしげ。

 「そりゃ、気が付かないでしょ?よっぽどおかしなことでも言わない限り自分よりも知識があって崇拝してる人の言葉なんて疑わないよね。事実、飛田君も学生の頃肩痛めてうち来た時にさ、烏口腕筋と、関節唇傷めてますねって言われて、嘘だぁ?って思わなかったわけでしょ?」

 「そうですね、知らないこと言われてもわかんなかったので、そうなんだ~くらいにしか思ってませんでしたね。」

 「だからね、知らないと疑いようが無いのよ、ネットですぐ調べられるけれども、その都度こいつが嘘言ってるかもしれないからって調べないでしょ?」

 「調べないっすね」

 「だから基本的には書籍とか文字に起こして論文とかになっていないことって、安易に信用しちゃダメなんだよ。ネットっとやテレビって言うのはそういう所が放置されているのに、ある一定数の市民権じゃないけど情報のソースとして使われるようになってしまってるじゃない?、2chの頃から言われてたけれども、ネットの言う事なんて話半分以下で信用し過ぎてはいけないって言うのが常識だったけれど、ネット社会の進化速度が速すぎて、ユーザーの大半がそいうことも理解しないままカオスになっちゃってるね、法整備も全く追いついてないしそもそも政治家すら理解してないのに、人気集めのためにSNSとか使ってチョンボやらかしまくってるのには草生えすぎて、もはや大森林になってるよ。」

 難しい顔をして。

「でも、そんな難しい事いちいち考えてたら、SNSなんて使えないし、ツベの動画とか見れないですしネットとかできないじゃないですか?」

 「そもそもそんなに便利なものじゃないのに、どこぞの利権や金のために急激に発達したっていう側面が大きいよね、はっきり言えるのは、コンピューター社会になって一番得したのは誰なんだろうね?って言う事を考えれば・・・。まぁ結局面白くもなんともない話になってしまったわけだが。」

 「そうですね、接骨院業界全く関係なかったですし。」と笑っている。

 「そうだなぁ、あぁ前にも言ったことがあるけど接骨院のチラシあるじゃない?」

 「ハイ」

 「あれね、記載していいことは、名称、住所、電話番号、営業日くらいなんだよ」

 「よく来るチラシと全然違いますねw」

 「まぁそうだね、それだけしか書いてないチラシって糞ほどにも面白くないし、行こうかな?とも思わないよね。ただ、ネットの広告に関してはそういう制限が無いんだよね。」

 「え?なぜです、ネットの広告も紙の広告も違いないじゃないないですか?」

 不思議そうな顔をしているが。

 「しらん!、さっきも言ったけれど、法律でそうなってるし単純に日本という国がネット関連の法整備が遅れてるだけとしか言いようはない要するに政治家が盆暗なんだよ。一応言い訳的にはチラシは無差別の人が見るもので、ネットは希望者しか見ないからだったかな、興味が無ければ調べないし見ないから対象が限定されるといったとこだったと思う。あとは店舗内でおいてるフライヤー関係も対象外だったかな」

 「言い訳がましいような気がしますけどね。」

 「まぁそう感じても仕方がないなぁ、でもね法律でがちがちに縛っても経済という物は大きく発展しないからある程度は緩く作るしかないんだよ、一から百までガッチガチに縛られた管理社会なんて嫌でしょう、ディストピアじゃん、シュタインズ・ゲートでも目指すの?ってなるよね。」

 「シュタインズ・ゲートが何か知らないけど何するにしても制限のある社会は嫌ですね。」

 「ネットってそんな感じだから、もっといろいろと、それあかんだろっていう話もいっぱい出てくるよ。正直もっと規制付けないと現状だと無茶苦茶なことにはなってるな、その無茶苦茶な話を知識が無い配信者のファンが信じて広めていくんよ、ぶっちゃけ終わってるよねwww」

 「あははは、終わっちゃってますねw」

 「何事もそうだけど正しい知識を身につけてくれたまへ、学生くん」

 「いい時間なんでかえりま~す。」

 「いきなりだなぁ、まぁいいんだが本当に暇つぶしで来ただけかよ。」

 「帰って勉強します!ではまたきますね~。」


 さて、仕事の準備でもしますかねぇ

 来るかもわからない患者を迎え入れる準備を始めた。


 「誰か来てくれ~、ちゃんと金になる人~。」

 悲壮な叫びが院内を木霊した。

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