日常1
特に技術も能力もなく、心躍るバトルもありません
片田舎の接骨院のおっさんが日々の業務の中で起きた事件?騒動?を
お客とただ話している話です
本当に当人に野望も希望もなくただただ日々のだらだら過ごす話です
作中の話はフィクションです!
連載に変えました、少し手直ししています
若干時代に合わず古い情報があったりしますが
厚生労働省等への問い合わせはお控えいただけると助かります
朝から雨
比較的寒さが和らいできたが、朝はまだそれなりに寒い、寒くなるとめっきり人が来ないのがこの仕事である。
いきなりで何言ってるんだか?と思われただろうが、
私は個人経営の小さな接骨院を営んでいる、一昔前は物珍しかったが最近では乱立し、コンビニより多い業種と言われている。
少ない頃は良かったが、多いということは認知度は上がったが、いわゆる患者の奪い合いが起こり
結果、現状を見ればわかると思うが、暇である・・・
申し遅れました、私の名前は、姓は安藤、名は善治郎、50歳、絶賛お嫁さん募集中の当接骨院の院長でございます。
先ほども言ったように、今日は雨のため、ろくに患者も訪れずに朝からTwitterをだらだらと眺めながら、趣味の模型作りに
精を出しているところです。
流石はMODEROID TYPE97 TFV-EXクラブマン・ハイレッグ
どこから見てもカッコいい
カランカラーン(扉の開く音)
「おはようございま―」
おっと来客のようですね
「おはようございます。飛田君かぁ」
「えー、なんすか来ちゃだめでした?」
「いや、良いですよ、ちょっと忙しかったもので」
私の机を見ながら
「いやプラモ作ってるだけですやん」
「おいー!ちゃんと見てくれTwitterのチェックもしてるw」
「それ、暇いうんちゃいますか?」
「あほか、仕事は暇でも、趣味で忙しいねん!」
「そんなんでよう、潰れないですね」
「仕事したくても、患者来ないとなんも出来んやん?(笑)」
笑っている場合ではない
「あとまぁ、賃貸ちゃうから家賃要らないしね、借金少ないとだらだらしちゃうもんですよ人間。」
ドヤ顔で言う事ではなかったりするが
「せめてプラモ作ってないで呼び込みでもしたらいいのでは?」
「ファーハッハッハッハ!」
胸を張って突然笑い出す店長
「何々?どうしたんですか?とうとう壊れちゃいました?」
じゃっかん引き気味の飛田君
「残念なことにそういった、客を呼び込んだりする行為は法律で禁止されているのですよ」
「あ、そうなんっスか?、それなら来てもらえるように広告とか出したらいいんじゃないんですか?」
「ア――ウト―――!」突然叫ぶ私
「えぇっ?」驚く飛田君
「飛田君、君はこの業界の一番の闇の部分に触れましたね?、君は」
「接骨院の広告とか見たことありますか?」
「ありますよー、しょっちゅう新聞の広告とかポスティングで入っていますよ。ごてごていっぱい書いてあって、事故治療できますとか、マッサージのクーポン券とかついてて、行ってみようかなぁって気になります。」
「裏切者―!」
「いや、行かないですよ、めんどくさいですしここにきてますしw」
「まぁ結論からぶっちゃけちゃうと、・・・それ違法なんですよね」
「え?、いっぱいいろんなところの広告が入ってきますけど」
「まぁ、見つかっても処分が軽いからねぇ、何もしなくて患者が来ないのと、広告打って、患者が来てくれる方が、見つかって払う罰金よりも少なくて済むし、営業停止しなくてもいいのが大きいよね
あとはまぁ、同業者が多すぎるせいで、少しでも目立たないと潰れてしまうって言うのもあるね。」
「大変だ、ここ潰れちゃうじゃないですか?!」
「なんでよ?・・・」
両手を広げて立ち上がって
「ほら、こんなに暇そう!」
真剣な表情で飛田君
「君は大概失礼な子だな」
「潰れないんですか?」
「いや、ずっと君しか来なかったらさすがに潰れるよ?、今は君しかいないだけで、他の時間にはもうちょい患者さん居るからね?」
「あっ、そうなんすか」
「本当に失礼しちゃうなぁ」
音が鳴る
ドロドロドロ~
「カーカーカー、カーカーカー」
「なんですか?この墓場のカラスみたいな鳴き声」
「ハイ!、安藤接骨院です~、はい、はい、ハイー」
「電話っすか!」
ピッ、電話を切る
「君とは違う、ちゃんと、お金を払ってくれる患者さんの予約だ、もうすぐ来るそうだから帰りたまへ」
笑いながら、お帰りはあちらです、と手をかざす
「うっす、次は暇つぶしじゃないときに来ますー」
カランカラーン(扉の開く音)
「そんではー」
ダッシュして帰っていく飛田君
非常に元気である若さとはすばらしい
「さぁ片づけてお仕事モードにでも切り替えますか・・・」
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