かぐやからの贈り物
私「感動しちゃった..」
メアリ「うん。良い話だった…妹を思い出したよ」
ネム「はい。私も良いお話だったと思います」
有栖川「そう…良いお話よね」
有栖川「これが真実なら、あなたに希望はあると思うの…」
私「そうですね…」
私「『八つの世界を巡り歩き、少女の宝を手にした時、未来は自ずと切り開かれるだろう…』か…」
私「まずは、八つの世界に行く方法を見つけないと…」
私「うーん。どうすれば…」
有栖川「私はね。かぐやからもらった『金の鈴』と『八つの煌めく雫が入った小瓶』が八つの世界へ行くための鍵のような気がするの」
有栖川「でもね…何十年…いくら調べてもそんなものは見つからなかった…」
有栖川「『金の鈴』はその世界へ通じる扉を開くもの、そして、『八つの煌めく雫が入った小瓶』は、それぞれの世界へ通じるアイテムのような気はするんだけど…」
有栖川「どれだけ考えても、そこから先は…」
私「扉と世界へと通じるアイテムか…」
私「扉はあると思うんですけど…」
有栖川「え?」
私「私たちの『絵本』です」
私「今は真っ白だけど、絵があった時はここを通じて移動した」
有栖川「あっ確かに!なんで私は今までそれに気づかなかったんでしょう」
私「あとは、『八つの煌めく雫が入った小瓶』何ですけど、これがよくわからなくて…」
有栖川「何かあちらの世界から持ち帰ったものはないの?」
私「んー…」
私(エクスカリバー(カノンさん)と…マジックバッグ…あとは…何だ?)
私(あっ…カノンさん!家にほったらかしだ!ごめん…」
私「あっ!」
私「あれだ!『ジャックの砂時計』」
私はお守り代わりに持っていた『ジャックの砂時計』をかばんから取り出した。
私「これです!」
有栖川「これは?」
私「これはジャックってゆうあっちの世界の人が作った物で、一時的に記憶をここに留めておくことができるんです!」
有栖川「へー。そんなものが…面白いわね」
有栖川「でもそれを?」
私「そうなんです。うーん…これをどうすれば…」
有栖川「あっ…」
有栖川「私思いついたかもしれない」
私「なんですか?」
有栖川「八つの世界に行かないといけない…」
有栖川「つまりは、八つの世界の扉が必要ってこと」
有栖川「だから、パロが作った八つの絵本が必要ってことね」
有栖川「そして、その記憶を留める砂時計…」
有栖川「それも、あっちの世界を旅した者の八人分用意する」
私「なるほど!そうすれば、扉が開かれるという事ですね!」
有栖川「ええ」
有栖川「でも、その扉はおそらく不十分もの…」
有栖川「記憶の中にあるものにしかおそらく干渉ができない」
有栖川「つまりは、その中にいても結末は変わらないはず」
有栖川「竹取物語のさくらのように運命を変えるためには、お話で最後に語られた『少女の宝』が必要になると思うの…」
有栖川「ひとまず、迷える少女の会のメンバーに絵本を借りて、記憶をその砂時計に移し替えないとね…」
私「でも、この砂時計一つしかなくて…」
有栖川「大丈夫よ…ぺぺ…出ておいで」
有栖川さんの指輪が目が赤い白いうさぎに変わった。
私「わぁ!可愛いっ!」
私「触ってもいいですか?」
ぺぺは有栖川さんが座る椅子の裏に隠れた。
有栖川「ごめんね。この子あまり人が苦手みたいなの…」
私「そうなんですか…」
有栖川「砂時計を貸してくれる?」
私「はい」
私は砂時計を有栖川さんに手渡した。
有栖川「ぺぺ…頼める?」
ぺぺは椅子から姿を見せて、有栖川さんから受け取った砂時計を手にした。
そして、砂時計を床に置き、両手で力を込める。
緑色の小さな魔法陣のようなものが、砂時計の床とぺぺの両手に浮かび上がった。
気がつくと、砂時計は九つに増えていた。
私「わぁ!すごーい!」
私がそう言うとぺぺは恥ずかしそうに耳をかいた。
私「可愛いっ…」