帰還
私「あなた達このままでいいの?!」
マーシ「…」
マーシ「キミは何を言っているんだい?」
マーシ「これは僕らが従者皆が望んでいたことなんだよ」
マーシ「みんな待って待って待ち焦がれた…」
私「…そう…」
私「みんなも?」
店主「ええ。待ち望んでいましたよこの時を…」
メアリ「当たり前だろ。妹を汚した絶望に追いやった世界なんて…」
ネム「…ええ…」
パロ「私も今かと待ち望んでおりましたよ」
私「そうなんだ…」
私「別に私はどっちでもいいんだけど…」
私「ただ気になったのは…」
私「あなた達の答えが『選択』なのか『諦め』なのか、どっちなのかなって…」
私「因みに私はまだ諦めてない」
私「私はみんなと…みんなといずれ幸せにずっと…」
私「ずっと暮らしたい」
私「みんなと一緒に!」
マーシ「頭でもおかしくなったのか?」
マーシ「そんなの無理に決まっているだろ」
マーシ「キミの幻想にすぎないね」
私「そうかもね…」
私「でも、私は諦めない!」
私「諦めたくない!」
私「だって、それが私の全てだから」
私「大好きなみんなが…私のすべてだから…」
私「したいことだってまだ沢山ある」
私「また、お母さんの手料理が食べたい」
私「それをみんなと一緒に食べたい」
私「そして、みんなと時間を気にすることなくお話がしたい!」
私「何気ないことかもしれない…」
私「でも、私にとってはそれが宝物なの!」
私「当たり前って、とても幸せなことね…」
私「今になって思う…」
私「失ってから気づいた…」
私「過ぎた時間は戻らない。だから、これからで叶えたい」
私「ねぇ…メアリさん」
私「あなたはどうなの…」
私「本当は妹さんとまた暮らしたいんじゃないの?」
メアリ「うるさい!」
メアリ「幻想を語るのはやめておくれ!」
メアリ「もう…どうやったって戻ってはこないんだよ…」
私「諦めないで!」
私「なんで出来ないって決めつけるの!?」
私「妹さんを失ってからあなたは何かしたの?」
私「どうなのよ!?」
メアリ「やめておくれよ!」
メアリ「無理なものは…無理なんだよ…」
私「私はあなたにそんなことを聞いているんじゃないの!」
私「あなたがどうしたいかを聞いてるの!」
私「本当はどう思っているの?」
私「心の声を聞かせて…」
メアリ「しつこいっ!」
メアリ「…」
メアリ「そりゃ…私だって…私だって…」
メアリ「また妹に逢いたい…」
メアリ「また一緒に暮らしたい…」
メアリ「妹の声をもう一度聞きたい…聞きたいに決まっているだろ…」
メアリ「一緒にご飯を食べてたい」
メアリ「何気ない会話をしたい。ずっと…できればずっと…」
メアリ「アンタと一緒さ…」
メアリ「っうぅうっ…うっうっ…」
私「聞けて…よかった…」
私「本当にそう望むなら、私と一緒に来てっ!」
私「方法はまだない…」
私「だけど、諦めるよりはマシ」
私「何もしないよりはマシ」
私「私はそう思う…」
私「私と一緒に考えよ…」
メアリ「っうぅうっ…うっうっ…」
ネム「私も…私も諦めたくない…」
ネム「私…実はね…」
ネム「魔王様のことが大好きなの…」
ネム「あんなに酷いことをしたのは許せないことだと思う…」
ネム「でも本当はね。孤独でとても可哀想な人なの…」
ネム「ずっとずっとただ一人」
ネム「誰も信用できずにただ一人…」
ネム「だから、私は寄り添ってあげたい…」
ネム「そうしてあげたい…」
ネム「そして、気付かせてあげたい…」
ネム「もう決してあなた達に酷いことはさせない!」
ネム「私が謝らせる!」
ネム「だから…お願い!」
ネム「私も連れて行ってください…」
私「…」
私(あの魔王を…)
私
ネム「もちろん。断られるのは十分承知してる」
ネム「私の身勝手で本当に…本当にごめんなさい!」
ネム「でも、それでも…」
ネム「私は…」
私「…」
私「ねぇ。じゃあ、私のお願い聞いてくれる?」
ネム「うん!」
私「魔王に改心させたら、アイツに一発殴らせて!」
私「今でもアイツに腹が立って仕方がないの!」
私「なんなのよアイツ!」
私「いい!?」
ネム「うん!」
ネム「…ありがとう…」
私「あとの人は?」
店主「私は結構でございます」
私「そう…」
私「コンパス作ってくれてありがとう」
私「ちゃんとあなたにお礼言えてなかったから…」
店主「まぁ…」
店主「こちらこそ、騙してすまなかったね…」
私「ううん…」
私「マーシさんは…聞くまでもないか…」
マーシ「あぁ。そうだね」
私「でも、あの時ジャックを助けてくれてありがとう」
私「あなたのおかげで、ジャックは助かったわ」
私「それだけは感謝してる」
マーシ「フフッ…キミは人が良すぎさ…」
マーシ「そんなんだから、簡単に騙されるんだよ」
私「うるさいなぁー」
マーシ「フフッ…でも、望みがあるというのはいいことだ」
マーシ「なんだか、キミなら叶えられそうな気がしてきた」
マーシ「僕がいうのもなんだけど…キミの未来に幸あれ」
私「…ありがとう…」
私「パロッ!あなたは?!」
パロ「グレーテ様は本当にお優しいお方なのですね」
パロ「…フフッ…」
パロ「あなた様にもっと早くお会いしていれば、私の運命は変わっていたのかもしれませんね…」
パロ「ですが、グレーテ様…私は結構…」
パロ「未練などはございません…」
私「そう…わかった…」
私「あなたは…あなたなりに正義を貫いていたのよね…」
私「あなたに全ての非があるとは思っていないわ…」
私「…」
私「安らかに…」
パロは私にお辞儀した。
地面が割れ、屋根の瓦礫が落下し始めた。
私「二人とも!急いでっ!」
メアリとネムは聖剣を掴んだ。
カノン「よろしいか!」
私「ごめんなさい。はい!」
聖剣は激しく白く光り出し、私の視界は白く包まれた。
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気がつくと、私達三人は私の部屋にいた。