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忘却のグレーテ  作者: だい
第二章
66/116

帰還

私「あなた達このままでいいの?!」


マーシ「…」

マーシ「キミは何を言っているんだい?」


マーシ「これは僕らが従者皆が望んでいたことなんだよ」

マーシ「みんな待って待って待ち焦がれた…」


私「…そう…」


私「みんなも?」


店主「ええ。待ち望んでいましたよこの時を…」

メアリ「当たり前だろ。妹を汚した絶望に追いやった世界なんて…」

ネム「…ええ…」

パロ「私も今かと待ち望んでおりましたよ」


私「そうなんだ…」

私「別に私はどっちでもいいんだけど…」


私「ただ気になったのは…」

私「あなた達の答えが『選択』なのか『諦め』なのか、どっちなのかなって…」


私「因みに私はまだ諦めてない」

私「私はみんなと…みんなといずれ幸せにずっと…」

私「ずっと暮らしたい」

私「みんなと一緒に!」


マーシ「頭でもおかしくなったのか?」

マーシ「そんなの無理に決まっているだろ」

マーシ「キミの幻想にすぎないね」


私「そうかもね…」


私「でも、私は諦めない!」

私「諦めたくない!」


私「だって、それが私の全てだから」

私「大好きなみんなが…私のすべてだから…」


私「したいことだってまだ沢山ある」

私「また、お母さんの手料理が食べたい」

私「それをみんなと一緒に食べたい」

私「そして、みんなと時間を気にすることなくお話がしたい!」

私「何気ないことかもしれない…」

私「でも、私にとってはそれが宝物なの!」

私「当たり前って、とても幸せなことね…」

私「今になって思う…」

私「失ってから気づいた…」

私「過ぎた時間は戻らない。だから、これからで叶えたい」



私「ねぇ…メアリさん」

私「あなたはどうなの…」


私「本当は妹さんとまた暮らしたいんじゃないの?」


メアリ「うるさい!」

メアリ「幻想を語るのはやめておくれ!」

メアリ「もう…どうやったって戻ってはこないんだよ…」



私「諦めないで!」



私「なんで出来ないって決めつけるの!?」

私「妹さんを失ってからあなたは何かしたの?」

私「どうなのよ!?」


メアリ「やめておくれよ!」

メアリ「無理なものは…無理なんだよ…」



私「私はあなたにそんなことを聞いているんじゃないの!」


私「あなたがどうしたいかを聞いてるの!」

私「本当はどう思っているの?」

私「心の声を聞かせて…」


メアリ「しつこいっ!」



メアリ「…」

メアリ「そりゃ…私だって…私だって…」

メアリ「また妹に逢いたい…」

メアリ「また一緒に暮らしたい…」

メアリ「妹の声をもう一度聞きたい…聞きたいに決まっているだろ…」

メアリ「一緒にご飯を食べてたい」

メアリ「何気ない会話をしたい。ずっと…できればずっと…」

メアリ「アンタと一緒さ…」

メアリ「っうぅうっ…うっうっ…」


私「聞けて…よかった…」


私「本当にそう望むなら、私と一緒に来てっ!」

私「方法はまだない…」

私「だけど、諦めるよりはマシ」

私「何もしないよりはマシ」

私「私はそう思う…」

私「私と一緒に考えよ…」


メアリ「っうぅうっ…うっうっ…」


ネム「私も…私も諦めたくない…」

ネム「私…実はね…」

ネム「魔王様のことが大好きなの…」

ネム「あんなに酷いことをしたのは許せないことだと思う…」

ネム「でも本当はね。孤独でとても可哀想な人なの…」

ネム「ずっとずっとただ一人」

ネム「誰も信用できずにただ一人…」

ネム「だから、私は寄り添ってあげたい…」

ネム「そうしてあげたい…」

ネム「そして、気付かせてあげたい…」


ネム「もう決してあなた達に酷いことはさせない!」

ネム「私が謝らせる!」

ネム「だから…お願い!」

ネム「私も連れて行ってください…」


私「…」

私(あの魔王を…)

…そんなのムリよ…)


ネム「もちろん。断られるのは十分承知してる」

ネム「私の身勝手で本当に…本当にごめんなさい!」

ネム「でも、それでも…」

ネム「私は…」


私「…」

私「ねぇ。じゃあ、私のお願い聞いてくれる?」


ネム「うん!」


私「魔王に改心させたら、アイツに一発殴らせて!」

私「今でもアイツに腹が立って仕方がないの!」

私「なんなのよアイツ!」

私「いい!?」


ネム「うん!」

ネム「…ありがとう…」


私「あとの人は?」


店主「私は結構でございます」


私「そう…」

私「コンパス作ってくれてありがとう」

私「ちゃんとあなたにお礼言えてなかったから…」


店主「まぁ…」

店主「こちらこそ、騙してすまなかったね…」


私「ううん…」


私「マーシさんは…聞くまでもないか…」

マーシ「あぁ。そうだね」

私「でも、あの時ジャックを助けてくれてありがとう」

私「あなたのおかげで、ジャックは助かったわ」

私「それだけは感謝してる」


マーシ「フフッ…キミは人が良すぎさ…」

マーシ「そんなんだから、簡単に騙されるんだよ」


私「うるさいなぁー」


マーシ「フフッ…でも、望みがあるというのはいいことだ」

マーシ「なんだか、キミなら叶えられそうな気がしてきた」

マーシ「僕がいうのもなんだけど…キミの未来に幸あれ」


私「…ありがとう…」


私「パロッ!あなたは?!」


パロ「グレーテ様は本当にお優しいお方なのですね」

パロ「…フフッ…」

パロ「あなた様にもっと早くお会いしていれば、私の運命は変わっていたのかもしれませんね…」


パロ「ですが、グレーテ様…私は結構…」

パロ「未練などはございません…」


私「そう…わかった…」


私「あなたは…あなたなりに正義を貫いていたのよね…」

私「あなたに全ての非があるとは思っていないわ…」

私「…」

私「安らかに…」


パロは私にお辞儀した。


地面が割れ、屋根の瓦礫が落下し始めた。


私「二人とも!急いでっ!」


メアリとネムは聖剣を掴んだ。


カノン「よろしいか!」

私「ごめんなさい。はい!」


聖剣は激しく白く光り出し、私の視界は白く包まれた。


———————————————————————————



気がつくと、私達三人は私の部屋にいた。

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