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忘却のグレーテ  作者: だい
第二章
50/116

打ち明けた兄妹の思い

私たちは決意を固めエイジスに向かっていた。


葵「朱音...」

朱音「ん?」

葵「強くなったなって...改めて思ったんだ...」

朱音「何をいきなり...」

葵「いや...本当に...」

葵「父さんと母さんの件で朱音が精神崩壊した時、俺はどうしてやることもできなかったんだ...」

葵「ただ、記憶を消して楽にさせてやることしかできなかった...」

葵「忘却の魔法が解かれた時、また朱音が崩壊するんじゃないかって怖かった...」

葵「あの時、俺はメーディアを今まで一番恨んだよ...」

葵「でも、朱音は解かれてもその真実を受け入れられた」

葵「それだけでなく、メーディアを許した」

葵「そして今、メーディアの死を受け入れて彼女の望みを叶えようとしている」

葵「朱音は強くなった。俺はそう思うよ...本当に...」

葵「目の前にいるのが俺の妹かどうか疑わしいくらいに...」


私「フフッ...そんなことないって...」

私「私は弱いままだよ...」

私「でもお兄ちゃんの言う通り、昔と比べたら少しは変われたのかもね...」

私「でも、あれもこれもすべてお兄ちゃんがいてくれたからなんだよ」

私「そう...私一人じゃ乗り越えられなかった...」

私「私一人じゃね...」


私「ジャックと二人で旅をしている時、正直言って、お兄ちゃんがどれだけ大切な人なのか自分でもわからなかった...」

私「でも...病室にお見舞いに来てくれた時のお兄ちゃんの声がずっと心に残っていて...」

私「あの人は忘れちゃいけない...失っちゃいけない...って強く感じたの...」

私「だから、クローバーが枯れ切ってしまいそうになった時は本当に辛かった...」

私「もうダメだ...間に合わないって」

私「私じゃ何も出来ない...」

私「助けられないんだって...何度も思った...」

私「でも、私は生きていることを信じて進むしかなかった...」

私「それで、ようやく会えた時はすごく嬉しかったの」

私「やっと会えたって...生きてくれていたって...」


私「バーバラさんが私の記憶を解いた時、お兄ちゃんの言う通りまた自分が壊れそうになった...」

私「でも、お兄ちゃんがいてくれたからなんとか踏みとどまれた」


私「私ね...」

私「お兄ちゃんが思っているほど強くないよ...」

私「だからお願い...」

私「私を一人にしないで...お願い...」

葵「...うん...」

葵「わかった...」

葵「朱音を一人にはしない!」

葵「約束だ!」

私「ありがとう...」


グリフォン「グゥー...」

私「ん?グリフォン?」

私「泣いているの?」

グリフォン「グゥー...」

私「もしかして、私たちの話を聞いて?」

グリフォン「グゥー...」

私「ハハッ...グリフォン...」

私「ありがとう...」

私「あなたって優しいのね...」


私は優しくグリフォンを抱きしめた。

グレーテ「ここからラストに駆けていくぞー!」

グレーテ「ここで、読み終わろうとするなんて絶対にダメなんだからね!」

グレーテ「そんなことしたら...シェイドみたいにお仕置きお仕置きー!」

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