マリーとの交渉
私 (そっか...もうバーバラさんいないんだよね...)
私 (まだ、生きていると勘違いしていた...)
マリー「それで、あなたたち名前は?」
私「あっそうでしたね」
私「自己紹介がまだでした...」
私「私グレーテです」
マリー「ふーん...」
マリー「じゃあ、グレね」
私「え...グレ?」
マリー「そう」
マリー「何?」
私「いや、別に...」
私 (朱音にしておけばよかった...グレって...)
マリー「んー...それで...あなたは?」
葵「葵だ」
マリー「ふーん。じゃあ、葵で」
私「なんで私だけ...」
マリー「ん?」
私「いや...グレで大丈夫です...はい...」
マリー「それで...そこ鳥は?」
私「グリフォンです」
グリフォン「グルッグゥー」
マリー (カワイイッ...あとでモフモフさせてもーらおっ)
マリー「ふーん...」
マリー「それで...魔王って何者?」
私「えーっと...それは...」
私「私も...会ったことがなくて...」
私「正確には、会ったことはあるようなのですが...わからなくて...」
マリー「んー...」
私「はいー...」
マリー「教えるのやーめたっ」
私「え!」
マリー「だって、知らないんだったら対策のしようがないじゃないっ」
私「えー...まぁ。仰ることはごもっともですけど...」
マリー「ところで、マロップってそんなに美味しいの?」
私「はい!それはそれは〜すっごく」
マリー「ふーん。どこで売っているの?」
私「ス...」
私 (あぶないあぶない。言うところだった...)
マリー「チッ...」
私「まぁまぁ」
私「必ず後で教えますので...」
マリー「んー...」
マリー「...」
マリー「わかったわ...」
マリー「でも、ちゃんと後で教えなさいよ!」
私「はい。それはしっかりー」
マリー「それで?あなたどんな魔法使えるの?」
私「それがー。私...自分で使ったことがなくてー...」
マリー「...」
マリー「やっぱり、教えるのやめよっかなー...」
私「まぁまぁ...そう言わずー」
私「魔法は使えなくとも魔力には自信があります!」
マリー「ふーん...」
マリー「言ったわね!」
私「はい!」
マリー「じゃあ、この玉に込めてみて」
私「はい!」
私はマリーさんから差し出された水晶玉に魔力を込めた。
すると、水晶玉は紫色に変化した。
マリー「へー」
ずっと薄目で私を見ていたマリーさんの目が大きく見開いた。
マリー「闇ねー...フフッ」
マリー「いいじゃないっ」
マリーは水晶玉を上にあげ、下からじっくりと覗き込んだ。
マリー「魔力量は確かにあるかなりね。」
マリー「あと何これ?あなた妖精とでも契約しているの?」
私「はい。そうです」
私「そんなことまでわかるんですね!」
マリー「当たり前じゃない。私を誰だと思っているのよ...」
マリー「あと、あなたが契約している精霊ってそこらの精霊ではないようね...」
マリー「この魔力...かなり質が良い...」
マリー「歴代の名立たる精霊に匹敵するぐらい...」
マリー「闇って...まさか...シェイド?」
マリー「フフッ...そんなはずないわよね...」
マリー「あなたみたいなのに...」
私「あのー...そうですけど...」
マリー「はぁ?そんなわけ...」
シェイド「ん?なんか俺の噂してるのか?」
シェイド「また俺の悪口か?主」
マリー「わぁ!びっくりした急に!」
シェイドが姿を現した。
マリー「あなたがシェイド?」
シェイド「あぁ。そうだが...」
シェイド「おまえさん俺のこと知っているのか?」
マリー「知っているも何も...」
マリー「勇者に仕えていたっていう伝説の精霊じゃないっ」
マリー「あなた本当に?」
シェイド「あー。遠い昔の話な...」
シェイド「あと仕えていたっていうは勘違いだ」
シェイド「なんで俺があのバカに仕えていたことになってんだ...」
シェイド「ケッ...!最悪だな...」
マリー「まさかね...これは本当に...驚き...」
私「へー...シェイドってそんなにすごい精霊だったんだっ」
私 「ふーん...」
シェイド 「疑っていやがるな主」
私 (この羽虫がねー...)
シェイド(羽虫言うな!)
マリー「でもこれなら...」
マリー「ねぇ。シェイド。あなた彼女に魔法教えられるでしょ?」
シェイド「まぁな。でも、主は魔力を一気に込めることはできても」
シェイド「まだ、安定的な放出はできねぇ」
シェイド「魔法の使い方は教えられるが、放出に関しては俺ではムリだ」
マリー「つまりは、それさえ教えればあとは教えられるってことね」
シェイド「あぁ。まぁ...そうゆうこったな」
マリー「なるほどねー...」
マリー「んー...」
マリー「じゃあ、私がそれを教えるわ」
マリー「その後は頼んだわよ」
マリー「あなたのご主人でしょう?」
シェイド「あぁ。わかったよ」
シェイド「面倒くせぇー...」
マリー「じゃあ、もう今日も遅いし明日からね」
私「やったー。教えてくださるんですね!」
マリー「何をそんなに喜んでいるの?」
マリー「私才能がないと感じたらあなたみたいなのすぐに切り捨てるから...」
私 (あぁ...厳しいタイプ...それともツンデレか?ハハッ)
マリー「あー。やっぱりやめようかなぁー...」
私「ごめんなさーい!」
マリー「本当にそのダダ漏れを何とかしてもらわないとねー」
マリー「私、あなたに対して牙を向けるかも」
私「ヒィエー...」
私 「それは私も直したいですっ...」
葵「うぅ...」
お兄ちゃんが急に倒れ込んだ。
私「お兄ちゃん!」
葵「大丈夫...」
私「大丈夫じゃないって...」
私 (また一段と薄くなってる...)
マリー「ちょっと待ってて!すぐ戻るから!」
マリーは急いで館へ戻った。
マリーは館から瓶に入った黒い粒が入ったものを持って来た。
マリー「早くこれを飲みなさい!」
私はそれを一粒お兄ちゃんの口に含ませた。
私「飲んで...」
様子が少し落ち着き、眠りに入った。
私「よかった...」
私「本当によかった...」
私「マリー先生...ありがとうございます...」
私「本当に...本当に...」
私「...うぅ...」
私「このお礼は必ず...」
マリー「当然よ」
マリー「あなたのお兄さん魔素に耐性がないみたいね...」
マリー「本当に早くなんとかしないと消えてしまうよ...」
マリー「さっき飲んだ薬はただ進行を遅らせるだけだから...」
私「もう...本当になんで...なんで付いてきたの...」
私「バカッ...本当にバカ...」
私「本当に...なんで...消えちゃうんだよ...うぅ...」
私「お兄ちゃん...」
私 (ダメだ!明日からじゃダメだ...もう時間ないんだ...)
私 (早く元の世界に戻らないと...)
私 「マリー先生お願いします」
私「今から教えてください」
マリー「今からってもう日も沈むし...」
私「お願いです!もう時間がないんです...」
私「お願いします!お願いします!」
私はマリー先生に懇願した。
マリー「...」
マリー「わかったわ...」
マリー「まずは、葵をベッドに運びましょう」
私「ありがとうございます...」
私はマリー先生に深く頭を下げた。
私 (私がなんとかするから...)