魔女マリー
グリフォンは地上に足を付けた。
私「ん?本当にこの辺?」
辺りは太陽の日が差し込まないほど木々が生い茂っていた。
私「えーっと...コンパスは..こっちか」
コンパスの針先を追いながら奥へと進んだ。
葵「それにしてもこんな森の中にいるのか?」
葵「そのコンパス壊れていないよなぁ...」
私「大丈夫。このコンパスでお兄ちゃんは助かったんだから」
葵「うーん...そうかー...」
急にコンパスの針が180度回転した。
私「あっ...ここだ」
その辺りには何もなくコンパスが指した所には両脇に木が二本あるだけだった。
私「あれ...もしかしてお兄ちゃんの言う通り壊れているのかな...」
シェイド 「おい主!」
シェイドが現れた。
私「あっ...シェイド!」
シェイド「よっ!」
私「どうしたの?」
シェイド「いや、気づいていなさそうだったからさ...」
私「やっぱり壊れているってこと?」
シェイド「いや、ここで合っている」
私「ん?」
シェイド「どうやら、その二本の木の間に魔法がかけられている」
シェイド「ちょっと離れていろ」
私たちは少しその場所から離れた。
シェイド「ブレイク」
そうすると、二本の木から枝がニョキニョキと間を塞ぎ、次第に入口のようなものを形取った。
私「えっ...すっごーい!」
私「シェイドやるじゃんっ!」
シェイド「へへっ...」
シェイドが頭をかいた。
入り口の先には館のようなものが見えた。
枝がほどかれ始めた。
シェイド「やばい。気付かれた...早く入れ!」
私「はい!」
急いで入り口に入った。
私「おー。ギリギリセーフ」
なんとか無事グリフォンも含め入ることができた。
???「どちら様?」
声のする方には、しゃがんで畑に水を撒く麦わら帽子を被った銀髪の少女がいた。
銀髪の少女「何かご用かしら...」
銀髪の少女は髪を耳にかけてこっちを向いた。
私「きれい」
銀髪の少女「え?」
私「あっ...すみません...あまりにもお綺麗だったので...つい...」
銀髪の少女「ん?何?」
銀髪の少女「冷やかしにでも来たの?」
私「いや、違うんです!」
私「私、魔女マリーさんを探しておりまして...その方をご存知でしょうか?...」
銀髪の少女「ん?私がそのマリーだけど...」
私「え?あなたが!?」
マリー「ええ...」
私 (バーバラさんの先生だって言ってたから...もっと年行っているかと思ってた...)
マリー「ん?バーバラなんて人私は知らないけど...」
私 (えぇ...聞こえているの?!)
マリー「えぇ...聞こえているわ...」
マリー「特にあなたの場合はダダ漏れ...全然耐性がなっていない...」
マリー「そこの男の子の方がまだ上手なようね...」
私 (そうなんだ...ダダ漏れなんだ...でもこんなに美人な人に私はご指導を...ウハッ...ウハハ...)
マリー「あの...聞こえてるんだけど...あなたって変態なのかしら...」
私「あは!」
マリー「それで?」
私「あっ...」
私「バーバラいや...メーディアについてご存知ですか?」
マリー「あぁ。メーディアね。私の教え子よ。久しく会ってはいないけどね...」
マリー「どうやら、娘と仲良く暮らしているそうじゃない...」
私「そっか...それぐらい会っていないんだ...」
私は、マリーさんにこれまでのことを話した。
マリー「あらそう...あのメーディアがね...」
マリー「そっか...そうなんだ...」
私 (マリーさん少し残念そう...)
私 (でも、ガッカリしている様子も...またこれはこれで...いい!)
マリー「だから、それも聞こえてるって...」
私「あは!」
マリー「それで?あなたここに何しに来たの?」
私「お願いです!私を弟子にしてください!」
マリー「やだ」
私「...」
私「え?なんで?...」
マリー「だって、厄介ごとは嫌だもん」
マリー「あと私、あなたみたいな変態大嫌いなの」
マリー「ということで...サヨウナラ...」
私「そんな簡単に...」
木の枝が私たちに絡み始め外に出そうとする。
私 (どうする?出されたら最後だぞ...)
私 (考えろ考えろ...)
私 (うーん...うーん...)
私 (...)
私 (ダメだ...何も出て来ない...)
私 (もう何でもいい!)
私 「焼きマロップってゆう美味しいデザート知っているんだけどなぁー...」
私 (私は、なぁーにを言っているんだ...)