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忘却のグレーテ  作者: だい
第二章
42/116

空でのお弁当

私「わぁ!風が気持ちいい…」

私「最初あんなに怖かったのに嘘みたい!」


私「お兄ちゃん大丈夫?」

葵「大丈夫も何も…怖すぎだろ!」

葵「何だあの急降下!死を悟ったよ!」


私「ハハッ 私もそうだった…」

私「でも、何回か乗ればすぐに慣れるって」


葵「なんか他になかったのか?怖すぎだろ!」

私「そうそう。私も言ってたなー。そんなこと…」

私「お兄ちゃん大丈夫。場数よ」


葵は朱音の成長に驚きを隠せない。


葵「木登りもろくにできない。あの朱音がなー…」

葵「場数とか言っているし…」


葵「成長したんだなぁ…」

葵「何だか嬉しいような悲しいような…」

葵「はぁ…」


「グゥー!」


私のお腹が音を立てた。


私「あー...お腹すいたー...」

私「せっかくこっちに来たのに何にも食べてないじゃん!」


グリフォン「グガァー!」

私「どうしたの?グリフォン?」


グリフォンが雄叫びと共に後ろをチラチラと見る?


私「ん?自分を食べてってこと?」


グリフォンが全力で首を横に振る。


私「ハハッ…お前の頭にはあんこでも詰まっているのか?ハハッ…面白いなぁ。グリフォンは…」

私「あー...でもグリフォンて鳥だから案外美味しいのか?...」


グリフォンは冷や汗をかいた。


葵「やめとけ朱音。猛禽類はバイ菌でいっぱいなんだぞ!」

私「そうなんだ...」

私「確かにあんまり美味しそうじゃないし...」


「なんて失礼な兄妹なんだ」と思うグリフォンであった。


私「んー…じゃあ、何?」

私「ん?もしかしてあのポシェット?」


グリフォン必死に首を縦に振った。


私「そうなんだ...」

私「お兄ちゃん…」

私「そのポシェット開けてくれない?」

葵「あぁ」


葵「ん?なんかいい匂いがするぞ」

私「あっまさか。この前王様にねだったから?」


葵「お弁当みたい」

私「やったー!」


葵「今食うのか?」

私「うん!」


葵「よく食えるよ。こんな状況で…」


私はお兄ちゃんからお弁当を受け取った。


私「ありがとう!」


私「ワイバーン肉のお重でありますうに!」


私は蓋を開けた。


私「やっぱり!やったー!!」


私は勢いよく口にかき込んだ。


「ゴホッゴホッ…」


葵「ゆっくり食べろよ」


お兄ちゃんは私の背中をトントン叩いた。


私「あー。危なかった…」

私「お兄ちゃんありがとう!」

私「でも、うっまー!これ」

私「最高!」

私「こっちの世界に来てよかったー!」

私「このお肉には本当に感動しちゃう…」


私「王様ありがとう。ちゃんとツケは回収させてもらいました」


朱音の末恐ろしさにびびる葵でだった。


その後、私は暫くコンパスを見続けた。


私「結構、深い森に来たね…」

私「相変わらず空は暗いなー…」


急にコンパスが180度向きを変えた。


私「この下だ!」


私「グリフォン!この下にお願い!」


グリフォン「グガァー!」


グリフォンはゆっくりと降下し始めた。


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